修理の前には必ずデータの保護や復旧が必要です
データの保護後に機器を修理して利用可能にする
修理
修理とは機器が壊れた・不具合が発生した際に、その故障箇所に対して部品交換や修理作業などを行う事によって、再び正常に使用できる・動作可能となる状態に戻す・直す作業のことです。
メーカー修理の場合、トラブルや不具合が発生した機器に対して正常に動作が可能な状態に直す・購入当初の状態に戻すことを目的としており、基本的に保存されているデータは初期化(フォーマット)によって消去されてしまいます。メーカーに修理をお願いする際には保存データについては補償されず、初期化することに対して同意が必要なこともあるため注意しましょう。また、USBメモリやSDカードの場合は修理に出しても作業は行われず新品への交換になることが多いものです。
データ復旧
故障した記録メディアなどの機器からデータを救出する作業を行います。機器の種類・フォーマット形式・搭載されている部品によっても作業内容は異なります。様々な部品・機材・ソフトウェア・専門知識・独自復旧技術などを駆使して最適な方法・適切な環境にて復旧を進めます。
データが大事な方は先に復旧作業を行ってから機器を元通りに使えるように直す修理作業を希望される方も多いものです。
データ復旧の流れ
NAS(ネットワークHDD)の場合
step
01
クリーンルームにてNASを分解し、HDDを取り出す
step
02
HDDの障害・状態を解析し、診断を行う
step
03
高度な復旧技術・専門知識によって障害の状態に合った最適な作業や部品の交換・調整を実施
step
04
複数のHDDを使ってRAIDが構成されている時にはRAIDの種類・環境に適した作業を実施
step
05
復旧・取り出したデータを、別のHDDへコピー・転送を行う
※ HDD・SSD・PC・iMac・MacBook・USBメモリ・SDカード・CFカード・TeraStation・Linkstation・LANDISK・ビデオカメラなどすべての記録メディアに対するデータ復旧作業も上記と同様に、クリーンルームにて専門の技術員が最適な方法にて対応を行います。
アドバンスデータ復旧では、修理とデータ復旧の両方に対応が可能です。
【機器を元通り使えるように直したい(修理)+ 機器の中のデータを救出したい(復旧)】
この両方、もしくは片方を希望される多くのお客様から選ばれています。
データ復旧や修理が必要となる症状例
下記のような症状や不具合が発生したときには、電源を切ってプロの修理・データ復旧業者に連絡することを優先しましょう。そのまま使い続けたり通電を続けたりすると状態は悪化が進み、復旧が難しくなることや修理の難易度が上がることもあります。電源の入り切りや再起動の繰り返し、アクセスできるかもと動作を続けることは危険な行為です。
認識しない・起動しない・
立ち上がらない・アクセスできない・
読み込みができない
- MacBookの電源がつかない
- パソコンが起動しない
- 電源を入れても動作しない、動かない
- NAS(ネットワークHDD)に接続できない、アクセスできない
- 共有フォルダにアクセスできない、フォルダの中身を見ることができない
- ハードディスクが認識しない、読み込めない
- RAIDを構築しているNASが故障した
- ハードディスクやパソコンからカチカチ・カタカタなど異音が鳴っている
- パソコンに繋いだUSBメモリが認識しない、中身が表示されない、読めない
- USBメモリ・microSDカードが曲がった
- SDカード・CFカードが認識しない、エラーメッセージが表示されている
- CD・DVD・BDに録画したデータが再生されない、動画が破損している
- USB端子が折れた、壊れた
- 停電の後で動作がおかしい、立ち上がらない、起動できない
- 落下、落とした
- 液体をこぼした、水没してしまった
- 折れた、踏んだ、ぶつけた、衝撃が加わった 等
誤って消した・削除した・
データが消えた・ゴミ箱を空にした・
上書きした・初期化した
- コピーを取ったと思ってデータを消してしまった、初期化した
- フォルダやファイルを消した
- 重要なデータを削除してしまった
- フォーマット後に上書きした
- 保存したはずのデータがいつの間にか消えている、保存されていなかった
- コピー・移動を行った後にデータが見つからない、消えている
- 中身が空になっている
- ゴミ箱を空にしてしまった
- RAIDアレイコントローラの設定を消してしまった、初期化してしまった
- リビルド(再構成)中に止めてしまった・その後、動かない
エラーのメッセージが表示・
機器のランプが赤点灯・赤点滅
- フォーマットしますか、フォーマットする必要があります等のエラーメッセージが表示
- RAIDエラーが表示されている、RAID崩壊の表示が出ている
- HDDエラー・CRCエラー(巡回冗長検査エラー)が出た
- ランプが赤点滅・赤点灯している
- 警告音が鳴っている
- SDカードが破損しています・カード異常ですと表示
- RAIDのリビルド(再構築)中にエラーメッセージが表示された
- USBデバイスが正しく機能していない
- アクセスできません、ファイルまたはディスクから読み取れませんと表示される
- ディスクを挿入してくださいとエラーメッセージが表示された
- ハードディスクの問題が検出されました等のエラーメッセージが出る
記録メディアに発生する主な障害やトラブルとは
記録メディア生じる主なトラブルは大きく分けて「論理障害」と「物理障害」の2つの障害に分類されます。
論理障害
論理障害とは、記録メディア自体は故障していない・問題が無い状態であるものの、情報の破損やプログラム内でのトラブルなどソフトウェア上の故障によって生じる障害のことです。データが破損したことによって、正常に読み込み・読み出しができない・OSが立ち上がらない・ファイルが開かない状態やヒューマンエラーと呼ばれる誤動作やウイルス感染等も論理障害に含みます。データの誤消去、誤動作によるデータの削除、システムの破損、プログラムファイルの破損、経年劣化、初期化(フォーマット)によるもの、ウイルス感染によるプログラム破壊などが発生原因として推測されるものです。
記録メディアに論理的障害が発生した時には、データ復旧作業が必要になります。
記録メディアに物理的な障害が発生していない状態で論理障害が生じている場合には、メディアからイメージデータを取得・解析・構造情報・データ情報の修復や修正・クローンディスクの作成・クローンディスクからの修復・解析・スキャンを行うことでデータを救出・復旧することになります。データ領域の破損や損傷において、WindowsのOSを使っていてパーテーションが見えない時などにはクローンディスクを作成してから作業に入ることが多いものです。論理障害へのアプローチも独自技術「AI技術」などを持っているかによってデータの抽出量に差が出る為、技術力の高さが重要となります。
物理障害
物理障害とは、記録メディア自体が物理的に壊れてしまった、ハードウェアが電気的・機械的に破損・故障してしまったことによって生じる障害のことです。
落下/衝撃/経年落下/停電/熱暴走/落雷/水没などが発生原因として考えられるものです。カチカチ・カタカタなど異音が鳴っている時には特に注意しましょう。異音が鳴っていなくとも目に見えない小さな傷が生じてしまっていることも多いものです。故障しているかも、衝撃等が加わったという際には電源を切って何もしない、手を加えないことが最善策となります。
部品ごとの物理障害の症状例
ハードディスクは、大きく分けて次の4つの部品で構成されています。
- プラッター:データが記録される円盤状のパーツ
- 磁気ヘッド:情報の読み込み・書き込みを行う針のようなパーツ
- 基盤:動作の制御や電力の供給を行っているもの
- モーター:プラッターを回転させるもの
HDDに障害や不具合が起きる際には、この4つの部品いずれかのパーツに損傷が起きていることが多く、状態を悪化させないためには電源を切ることが最善の方法となります。
プラッターが壊れた時に生じる症状例
パソコンが起動しない/再起動を繰り返す/OSが立ち上がらない/HDDが認識しない/CRCエラー(巡回冗長検査エラー)が出るなど
落下による衝撃や経年劣化によってデータの読み込みを行う磁気ヘッドとデータを記録しているプラッター面が接触してしまうと記録面に傷がついてしまいます。プラッターの記録面に傷(スクラッチ損傷)が生じるとデータが入っている部分が削れる・データが破壊される事もありえます。HDDにエラーメッセージが表示される際には不良セクタ(記録メディアで読み込み・書き込みができなくなったセクタ(領域)のこと)が発生している・限られた範囲に物理的な故障が発生した為に表示されることが多いものです。特にHDDは長い時間読み込み・書き込みを繰り返している為、不良セクタが生じやすくエラーも発生しやすいメディアの一つです。
磁気ヘッドが壊れた時に起きる症状例
カチカチ、カタカタ、カチャカチャ、カチャンカチャンなどの異音が鳴っている/BIOSで認識されない/起動途中で電源が落ちる、切れる/CRCエラー(巡回冗長検査エラー)が表示されるなど
落とした・ぶつけた等の衝撃や、経年劣化によって磁気ヘッドが故障したり外れてしまったりすることがありえます。ヘッドの位置が正常でないまま通電してしまうとヘッドはプラッター面を傷つけ続けてしまいます。ヘッドのみが壊れている時にはヘッドの交換・調整が必須となり、プラッター面に傷が入っている時には高度な技術力が必要になります。磁気ヘッドはディスクごとに形状も配置もまったく異なるものです。個人で同じ型、互換性のあるヘッドパーツの入手は難しいことも多く、交換作業にはクリーンルームなど専用の環境と専門技術も必要不可欠です。
基盤に生じるトラブル例
焦げた臭いが機器から出ている/BHDDが認識しない、読み込めない、回転する音がしないなど
HDD内部でCPUやマザーボードなどの基盤やチップ等がショートしてしまうと、機器周りから焦げ臭いと感じることがありえます。その場合にはすぐに電源を切りましょう。機器に塵やホコリがたまってしまっていることも考えられます。停電後に動作がおかしい場合、落雷の影響等で機器や内部の基盤に不具合が発生してしまうことがありえます。この時に基盤・CPU・マザーボード・チップなどが損傷してしまうと、機器の制御が不能となることや通電ができなくなることに繋がります。
パソコンが水没や水濡れしてしまった時には特に注意が必要です。液体が基盤についてしまうと腐食を進めてしまいます。ドライヤーなどで乾かすことはかえって状態を悪化させてしまう為、すぐに専門のデータ復旧・修理業者に連絡しましょう。基盤自体も同じ型・互換性のあるパーツ自体の入手が難しいことや基盤の交換だけでは問題の解消にはならないことも多いため専門知識のある業者に任せた方が無難です。
モーター故障によって起きるトラブル例
動作音が聴こえない/モーター音が聴こえない/回転していないように感じる/ジージー音が聴こえる/ジジジジッと音が鳴っている/いつもと違って大きな音が聴こえるなど
落下など衝撃が加わることによってモーターが壊れてしまうことがあります。通電してランプが点灯していても動かない、ディスクが回転していないように感じる、聞いたことのない大きな音が聴こえる等、いつもと違うと感じた時には通電を止めましょう。モーターが壊れた時にはプラッターや磁気ヘッドなどパーツは全て取り外して作業を行う必要があり、高い復旧技術が必要となります。
リカバリとデータ復旧の違い
パソコンの動作が不安定、動かない、起動できない等の不具合が発生した時に「復旧」の他に「リカバリ」という単語が目に入ることがあります。リカバリを訳すと復旧と同じになるため、同じ意味に考えがちですが、パソコン用語の「リカバリ」と「データ復旧」は全く違う為、注意が必要です。何を復旧するのかの意味合いが違うため混同しないようにしましょう。
リカバリとは
リカバリとは保存データではなく、パソコンの本体、機器自体を復旧する・直す作業の事を指します。パソコンや周辺の機器に不具合がでた時、正常に動かない際にリカバリを行うと工場出荷時・購入当時の状態に戻ってしまいます。リカバリを行う事、すなわち初期化をおこなうことになります。リカバリを実施すればパソコンは正常に動作可能に問題の解決ができることも見込めますが、保存していたデータ(写真や動画、作成した文書ファイルやPDF資料、ブラウザのブックマーク、ダウンロードデータ等々)は全て消えてしまいます。
アドバンスデータ復旧で復旧可能な機種・記録メディア
アドバンスデータ復旧では、ほぼすべての記録メディアでデータ復旧・修理対応が可能です。
その他の機種 LinkStation(リンクステーション)/サーバー/その他RAID・NAS/SDカード(microSDカード)/CF(コンパクトフラッシュ)カード/USBメモリ/Androidタブレット/iPad/iPhone/カメラ/ビデオカメラ/ゲーム機/CD/DVD/BD/ICレコーダー/ドライブレコーダー/メモリーカード/メモリースティック/メモリースティックDUO/メモリースティックPRO/スマートメディア/フォトストレージ/仮想化サーバー/テープ/FD(フロッピーディスク)/MO/監視カメラ/フラッシュATAカード/セキュアマルチメディアカード/マルチメディアカード など
OS Microsoft Windows・Apple macOS・Linux・UNIX・AIX・BSD・SystemV・DOSなど全てのOS
ファイルシステム FAT/FAT32/NTFS/ext2/ext3/HFS/NFS/ReiserFS/XFS など
ご依頼の多い機種のデータ復旧事例
アドバンスデータ復旧では、今までに数多くのデータ復旧をしてきました。
それらの症状や復旧結果の事例を一部ご紹介しております。