RAID4はデータの保護とシステムのパフォーマンス向上を目的としたRAID(Redundant Array of Independent Disks)技術の1つです。RAID4は複数のディスク(HDDやSSD)にデータを分散して保存し、専用のパリティディスクにエラー検出と訂正のための情報を保持する仕組みで構成されています。このRAID4の特性により、データの安全性を確保しつつ、読み取り速度の向上が期待できるものです。
RAID4はデータの読み取りが多いシステム環境で特に効果を発揮し、パリティディスクを活用することで1台のディスク故障にも対応できる特徴があります。この記事では、RAID4の基本的な仕組み、RAID4のメリットとデメリット、そしてRAID4がどのようなシステムに最適かなどを含めて詳しく解説していきます。
RAID4とは?
RAID4(Redundant Array of Independent Disks 4)は、データの信頼性と読み取り速度を向上させるためのRAID(Redundant Array of Independent Disks)レベルの一つです。RAID4は、ストライピング(データを複数のディスクに分散して書き込む)と専用のパリティディスク(データのエラー検出と訂正に使用する情報を保持するディスク)を組み合わせた構成を特徴としています。
・RAID4の特徴
RAID4は以下のような特徴を持っています。
ストライピング:データは複数のディスクに均等に分散されて書き込まれます。これにより、読み取り速度が向上します。
専用のパリティディスク:データのエラー検出と訂正のためのパリティ情報が専用のディスクに保存されます。このパリティ情報はデータの一部が破損した場合にデータを復元するために使用されるものです。
RAID4の仕組み
RAID4はデータの信頼性とアクセス速度を向上させるためのストレージ技術で、以下のような仕組みで構成されています。
・ストライピングとパリティ
RAID4は複数のディスクにデータをストライピング(分散書き込み)し、パリティ情報(エラー検出・訂正用のデータ)を専用の1つのパリティディスクに保存する仕組みになっています。そのためRAID4でNASやサーバーを運用した場合には万が一、データの一部が損失したとしてもパリティ情報を使ってデータを復元することが見込めるものです。
・RAID4のディスク構成
RAID4の典型的なディスク構成は次の通りです:
データディスク(複数):データがストライピングされて保存されます。例えば、4台のデータディスク(Disk1, Disk2, Disk3, Disk4)がある場合には、それぞれのディスクにデータの一部が分散して書き込まれます。
パリティディスク(1台):パリティ情報を保存する専用のディスク(DiskP)。これはすべてのデータディスクのデータから生成される冗長情報を保持するものです。
・RAID4のデータ書き込みプロセス
RAID4でのデータ書き込みのプロセスは以下の通りです。
データの分割と書き込み:書き込みたいデータを一定のサイズの「ブロック」に分割し、それぞれを複数のデータディスクに分散して書き込みます。
パリティ情報の計算:データの各ブロックを使って、パリティディスクに保存するパリティ情報を計算します。この計算は通常、XOR演算によって行われます。たとえば、各データディスクの対応する位置にあるブロックのXORを取ることで、そのパリティ情報を生成するものです。
パリティ情報の書き込み:計算されたパリティ情報をパリティディスクに書き込みます。
RAID4のメリットとデメリット
RAID4にはデータ保護や読み取り性能において特有のメリットがある一方で、書き込み性能やパリティディスクの集中負荷といったいくつかのデメリットも挙げられるものです。以下ではRAID4のメリットとデメリットをまとめています。
・RAID4のメリット
1.高速な読み取り性能
RAID4ではデータが複数のディスクに分散して保存されるため、同時に複数のディスクから読み取ることができ、読み取り速度の向上が見込めます。
2.効率的なストレージ利用
RAID4のパリティ情報は1台の専用ディスクに保存されるため、RAID5と比較してパリティ情報の計算と保存のための処理が単純化されるものです。そのため、ディスク容量の利用効率が高く、全体のディスク容量の1台分をパリティに使うだけで済みます。
↓RAID5とは?詳しい解説やデータ復旧方法は下記の記事で紹介しています。
3.データ保護機能
RAID4ではデータディスクの1台が故障しても、パリティディスクの情報を使ってデータを復旧できるため、一定のデータ保護が確保できるものです。
・RAID4のデメリット
1.書き込み性能の低下
RAID4では、すべての書き込み操作でパリティ情報の更新が必要となり、専用のパリティディスクへの書き込みが集中するため、書き込み性能が低下することがあります。
2.パリティディスクのボトルネック
RAID4では、専用のパリティディスクが1台しかないため、このディスクがシステム全体のボトルネックとなりやすく、高負荷の書き込み作業ではパフォーマンスが悪化する事もありえます。
3.パリティディスクの単一障害点
RAID4ではパリティ情報が1台のディスクに集中しているため、このパリティディスクが故障した場合にはRAID4で構成しているデータの全体を復旧することが困難になることがあります。RAID4はRAID5やRAID6のようにパリティ情報が複数のディスクに分散されている場合と比較して、冗長性が低いこともデメリットとして挙げられます。
↓RAID6については下記記事で詳しく解説しています。
4.リビルド(再構築)時のパフォーマンス低下
RAID4で運用しているNASやサーバー内でディスクが故障した際にリビルドを実施する場合には、すべてのディスクからデータを読み出し、パリティ情報を使って欠損データを再構築するため、システム全体のパフォーマンスが大きく低下してしまいます。
RAID4の具体的な構成例
RAID4は複数のデータディスクと1台のパリティディスクで構成されるストレージシステムです。以下ではRAID4の具体的な構成例を挙げて、ディスクの配置やデータの格納方法を詳しく説明していきます。
・RAID4の基本構成例
RAID4の構成には、少なくとも3台のディスクが必要となります。1台はパリティ情報を格納するパリティディスクとして使用され、残りはデータを保存するデータディスクです。以下では、4台のディスクで構成されるRAID4の具体例を示していきます。
・RAID4の構成概要
ディスク数:4台(3台のデータディスク + 1台のパリティディスク)
データディスク:Disk1,Disk2,Disk3
パリティディスク:DiskP
・RAID4でのデータの格納方法
ディスク番号 | ブロック1 | ブロック2 | ブロック3 | ブロック4 |
---|---|---|---|---|
Disk1 | A1 | B1 | C1 | D1 |
Disk2 | A2 | B2 | C2 | D2 |
Disk3 | A3 | B3 | C3 | D3 |
DiskP | P(A) | P(B) | P(C) | P(D) |
※データブロック(A1, A2, A3, …)は、複数のディスクに分散して格納されます。
※パリティブロック(P(A), P(B), …)は、各データブロックセット(例:A1, A2, A3)のパリティ情報を保持するものです。
・RAID4でデータの書き込みと読み取りを行う場合の流れ
1.データの書き込みが行われる例
・RAID4の構成でNASやサーバーに新規データ「A」が書き込みされる流れ
- データ「A」が3つのブロック(A1,A2,A3)に分割される→それぞれDisk1,Disk2,Disk3に書き込まれる
- パリティ情報「P(A)」が計算される
- DiskP(パリティディスク)に書き込みが行われる
- XOR演算を使ってパリティ情報が計算される
※パリティ情報の計算例:P(A) = A1 XOR A2 XOR A3
2.データ読み取りが行われる例
NASやサーバーに対してデータの読み取り要求があった場合にはRAID4では必要なデータブロックが保存されているディスクから直接データを取得することになります。RAID4ではパリティディスクへのアクセスは必要ないため、読み取り速度は高速で行う事が可能です。
RAID4と他のRAIDレベルの比較
RAID4は特定の用途に適したRAIDレベルですが、他のRAIDレベルと比較するとその利点と欠点が明確になります。ここでは、RAID4をRAID0、RAID1、RAID5、RAID6、RAID10と比較し、それぞれの違いを説明していきます。
・RAID4と他のRAIDレベルの比較表
RAIDレベル | 特徴 | メリット | デメリット | 適した用途 |
---|---|---|---|---|
RAID4 | ストライピング + 専用パリティディスク | 高速な読み取り性能と データ保護(1台のディスク故障から復旧が可能) |
パリティディスクのボトルネック・書き込み性能の低下 | 読み取りが多く、書き込みが少ない環境 |
RAID0 | ストライピング(パリティなし) | 最も高速な読み書き性能・ストレージ容量の最大化 | 冗長性なし(ディスク1台の故障で全データが失われる) | 高速アクセスが必要な一時データ処理が可能 |
RAID1 | ミラーリング(2台のディスクに同じデータを保存) | 高い冗長性(ディスク1台の故障でも運用継続可能)・簡単な構成 | ストレージ効率が低い(容量が半分になる) | 重要なデータの保護が必要な環境 |
RAID5 | ストライピング+分散パリティ | 読み書きのバランスが良い・1台のディスク故障から復旧が可能 | 書き込み性能がやや低下 ・リビルド時のパフォーマンスが低下する |
読み書きが均衡している環境 |
RAID6 | ストライピング+二重分散パリティ | 2台のディスク故障から復旧可能・高い冗長性 | RAID5より書き込み性能が低い・リビルド時のパフォーマンスがさらに低下する | 高可用性が求められる環境 |
RAID10 | ミラーリング+ストライピング(RAID0+RAID1) | 高速な読み書き性能・ 1台のディスク故障に耐えられる |
ストレージ効率が低い(容量が半分になる)・コストが高い | 高速な読み書きと冗長性が求められる環境 |
↓RAIDの種類やRAIDごとの復旧方法についてはこちらの記事で解説しています。
・RAID4と他のRAIDレベルを比較した場合の詳細解説
ここでは、RAID4とその他のRAIDレベルの特徴を比較して解説していきます。
1.RAID4とRAID0を比較,/p>
冗長性:RAID4は1台のディスクが故障してもデータの復旧が見込めますが、RAID0には冗長性がなく、ディスク1台の故障で全てのデータが失われるリスクを含んでいるものです。
パフォーマンス:RAID0はデータの読み込みと書き込み、両方の面で最高のパフォーマンスを発揮しますが、RAID4はデータの書き込みの性能がパリティディスクのボトルネックにより制限されてしまいます。
2.RAID4とRAID1を比較
ストレージ効率:RAID4はパリティディスク1台分の容量を除いて他のディスク容量を使用することができますが、RAID1は全ディスクの半分しかデータを格納する容量を使用することができません。
冗長性:RAID1は常にデータの完全なコピーを保持していることからディスクが1台、故障した場合にもデータが消失するトラブルを防げることが見込めます。RAID4もディスク1台の故障には耐えられることが多いものの、パリティディスクが故障した際にはデータが失われる事態に直結することがありえます。
↓RAID1とは?詳しい解説やデータ復旧方法は下記でも紹介しています。
3.RAID4とRAID5を比較
パリティの配置:RAID4ではパリティ情報が専用の1台のディスクに保存されるのに対して、RAID5はすべてのディスクにパリティ情報が分散されるものです。その結果、RAID5はデータの書き込み性能が向上し、RAID4のパリティディスクのボトルネックを回避することが可能となります。
書き込み性能:RAID5はRAID4よりもデータの書き込み性能が優れており、パリティディスクへの集中アクセスを避けることで、より効率的に動作を行う・データを運用することが期待できるものです。
4.RAID4とRAID6を比較
冗長性:RAID6は2台のディスクの同時故障に耐えられることが見込めます。そのため、RAID6はRAID4やRAID5よりも高い冗長性が保たれる・より高いデータ保護を実施できる事が期待できるものです。
パフォーマンス:RAID6は二重のパリティ情報を保持するため、RAID4よりも書き込み速度が低下する事があります。
5.RAID4とRAID10を比較
パフォーマンス:RAID10はデータの読み込み、書き込みの両方で高いパフォーマンスを発揮することが期待できるものでその速度はRAID4よりも高速になります。
コストと効率:RAID10はミラーリングのため、ストレージ効率が低く(容量が半分になる)ことから多くのディスクを必要とするため、コストが高くなります。その一方でRAID4はパリティディスク1台分のコストで済みます。
↓RAID10については下記記事で詳しく解説しています。
RAID4と他のRAIDレベルの選択ガイド
RAIDレベルの選択はシステムの特性や用途に大きく依存するものです。それぞれのRAIDレベルの特性を理解し、自分のニーズに最適なものを選ぶことが重要となります。下記はRAIDレベルを選択する際に参考にしてください。
・RAID4を選ぶ
データの読み取りが多く、書き込みが少ない環境。パリティディスクのボトルネックが問題とならないシステムを運用する場合。
・RAID0を選ぶ
冗長性が不要で、とにかく高速なパフォーマンスが必要な場合。
・RAID1を選ぶ
データの完全な冗長性が必要で、書き込み速度よりも信頼性を重視する場合。
・RAID5を選ぶ
データの読み込み、書き込みの重要性が均衡しており、コストとストレージ効率を重視する場合。
・RAID6を選ぶ
より高い冗長性(2台のディスク故障に耐える必要がある)が求められる場合。
・RAID10を選ぶ
非常に高いパフォーマンスと冗長性が求められる一方で、ストレージ効率やコストが問題とならない場合。
RAID4での運用が好ましい機器と好ましくない機器
RAID4は読み取り操作が多く書き込み操作が少ない環境に適している一方で、書き込み負荷の高いシステムには適していないRAIDレベルになります。以下ではRAID4での運用が好ましい機器と好ましくない機器を紹介します。
・RAID4での運用が好ましい機器例
機器例 | 理由 |
---|---|
データウェアハウス | 大量のデータを保存し、主に読み取り操作が行われるため、読み取り性能が重視される。 |
アーカイブシステム | 書き込み操作が少なく、データの読み取りが頻繁でデータ保護が必要な環境には適している。 |
メディアサーバー | 複数のクライアントからの高速な読み取り要求に対応するために読み取り性能が重要となる。 |
バックアップサーバー | 主にバックアップデータの復元が求められるため、読み取り性能が重要で書き込み負荷が低い。 |
リードヘビーワークロードのシステム | 読み取り操作が圧倒的に多く、書き込みが少ない環境では有効。 |
※RAID4は読み取り操作が多く書き込み操作が少ない環境に適しています。例えば、データウェアハウスやアーカイブシステム、メディアサーバー、バックアップサーバーなどでは、RAID4の高速な読み取り性能を活かすことが見込めます。
・RAID4での運用が好ましくない機器例
機器例 | 理由 |
---|---|
データベースサーバー | 書き込み操作が頻繁で、パリティディスクへの集中アクセスがボトルネックとなる。 |
仮想化サーバー | 複数の仮想マシンが同時に書き込みを行うため、パリティディスクの性能低下が発生しやすい。 |
トランザクションが多いシステム | 金融機関やeコマースサイトなど、書き込み性能が重要で、パリティディスクがボトルネックになる。 |
リアルタイム処理システム | 即時のデータ書き込みや更新が求められるため、書き込み速度がRAID4では不足する。 |
ビッグデータ解析システム | 頻繁に大量のデータの読み書きが行われるため、RAID4の書き込み性能の低さが問題となる。 |
※RAID4は書き込み負荷が高い環境やリアルタイムでデータの読み書きを頻繁に行うシステムには適していないRAIDレベルになります。例えばデータベースサーバーや仮想化サーバー、トランザクションが多いシステムではパリティディスクへの書き込みがボトルネックとなり、全体のパフォーマンスが低下する事が懸念されるものです。
RAID4機器にトラブルが発生した時の対処方法
RAID4で運用しているNASやサーバーにトラブルが発生した場合にはデータの保護と復旧を確実に行うために、適切な対策を講じることが重要となります。以下ではRAID4で構築している機器にトラブルが発生した際の対処方法について詳しく説明していきます。
・RAID4機器にトラブルが生じた場合の基本的な対処方法
- トラブルの初期確認を行う
- システムのバックアップを取得する
- 故障したディスクを交換する
- リビルドの監視を進める
1.トラブルの初期確認を行う
RAID4に限らず、NASやサーバーにアクセスができない・機器が起動しない・共有フォルダにアクセスができないなどの不具合が出た場合には管理ソフトウェアやRAIDコントローラー、筐体の液晶画面などからエラーの詳細を確認することから始めましょう。多くのRAIDシステムではディスクの故障やパリティエラーなどが管理画面やログに表示されるものです。
RAID4に限らず、RAID機器に不具合が生じた際にはシステムのアラート通知やランプの色や点滅具合で状態を把握し、故障したディスクを確認することも重要となります。
↓共有フォルダにアクセスができない状況でお困りの方はこちらの記事もご確認ください。
2.システムのバックアップを取得する
可能であれば、システムのバックアップを取得できるか試すことも自分で試せる対処方法になりえます。
※しかしながら、RAID4に限らず、NASやサーバーにアクセスができない・機器が起動しない・通常通りの操作ができないようなトラブルが発生した場合には複数のディスクが同時に故障しているか壊れかかっていることがほとんどです。そのような場合に無理にシステムのバックアップを取ろうとすると全てのデータが消失する事態に直結することも多く注意が必要となります。
↓NASにアクセスができない状況でお困りの方はこちらも参照ください。
3.故障したディスクを交換する
故障したディスクが特定できた場合にはシステムが稼働している状態でホットスワップ(電源を切らずにディスクを交換)が可能な機種であるかを確認してみましょう。
RAID4システムでは、ホットスワップ対応の機器も流通しています。
故障したディスクを新しいディスクに交換し、RAIDコントローラーが新しいディスクを認識することを確認しましょう。多くの場合、ディスクの交換後に自動的にリビルド(再構築)が開始されるものです。
※RAID4に限らず、複数のディスクを使ってNASやサーバーでRAIDを構築している際に何かしらの不具合が出た場合には複数のディスクが同時に故障した、もしくは壊れかかっていることがほとんどです。そのような時に特定のディスクを交換し、RAIDのリビルドを実施するとデータが意図しない形で上書きされる・ディスクの故障本数が増える・部品の損傷箇所が増えるなど取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえるものです。RAID機器が正常に動作しなくなった際に早く安く確実にデータを取り出したいと考えた場合には手を止めてプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。
4.リビルドの監視を進める
失敗しても良い、RAID機器から自分でデータを復旧したいと考えた場合にはディスクの交換を行う方法が有効な手段になりえますが、ディスクの交換後には管理ソフトウェアやRAIDコントローラーでリビルドの進行状況を監視しましょう。リビルド中はシステムのパフォーマンスが低下する・リビルドによってディスクの故障具合が重篤化することも多いものです。重要な処理を避けるか、リソースの負荷を軽減します。
リビルドが正常に完了した際にはシステムが正常に動作しているかを再度チェックしましょう。
RAID4に生じるトラブルの具体的なケースと対処方法
ここでは、RAID4で運用しているNASやサーバーに生じる具体的なトラブルのケースと対処方法例を紹介します。
ケース1:データディスクが1台故障
・症状
RAID4を構成しているデータディスクの1台が故障し、データの読み書きがエラーになる。
・対処方法例
- NASやサーバーの管理ソフトウェアで故障したディスクを特定する。
- ディスクを交換する
- 自動的にリビルドが開始される
- リビルド完了後、データの整合性を確認する
ケース2:パリティディスクが故障
・症状
RAID4を構成しているパリティディスクが故障し、データ保護機能が失われる。
・対処方法
- NASやサーバーの管理ソフトウェアで故障したディスクを特定する。
- ディスクを交換する
- RAIDコントローラーが自動的にパリティ情報を再計算して書き込む。
- パリティ情報の再構築が完了するまで監視し、エラーが出ていないことを確認する。
ケース3:複数のディスクが同時に故障
・症状
データディスクとパリティディスクの2台以上が同時に故障。
・対処方法
- RAID4では複数のディスク故障が発生した場合にはデータの復旧が困難になるため、直ちに専門のデータ復旧業者に連絡する。
- システムを停止し、トラブルがさらに悪化するのを防ぐ。
- 業者の指示に従って安全な方法で復旧を試みる。
RAID4機器からデータ復旧を行いたい場合には
RAID機器に保存しているデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合には余計な作業を進めて後悔する前にプロのデータ復旧業者に相談することが解決への近道になりえます。RAID4、RAID1、RAID5、RAID6、RAID10などRAIDレベルに限らずNASやサーバーにアクセスができない・起動しない等のトラブルが発生した時には個人で対応できない問題が生じていることが大半です。
NASやサーバー内のディスクは同時期に製造されたものが搭載されていることがほとんどで、特定のHDDが故障した際には他のディスクも同様に故障している・壊れかかっているものです。
そんな時に電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しなど簡単にできることを試すだけで取り返しのつかない状況に陥ってしまうこともありえます。失敗したくない・早く安く確実にRAID機器からデータを取り出したいと考えた場合には専門家に相談することを優先しましょう。
・データ復旧業者の選び方
データ復旧業者は数多く存在しており、どこの復旧会社に相談したら良いのか悩んでしまうかもしれません。そんな時に少しでも悩んだり困ったりした場合には、下記のような点をチェックしましょう。選択がスムーズになります。
- 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
- 復旧に要するスピードや対応が早い
- 料金プランや復旧費用等がホームページ上に記載されている
- クリーンルーム等、専用環境下で復旧・修復作業を行っている
- 情報の守秘義務、セキュリティ管理が徹底されている
- 復旧実績や事例の有無
アドバンスデータ復旧は1から6の項目、全てを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復旧・修復作業を行うからこそ、迅速な対応と低価格でのデータ復旧サービスを実現しています。NASやサーバーなどのRAID装置、HDD・SSD(内蔵型・外付けタイプ)、パソコン(Windows・Mac・自作・タブレット型)、SDカード、CFカード、USBメモリ、ビデオカメラなど様々な機種に対して復旧実績も数多くあり、安心です。
RAID4のトラブルを予防する方法は
RAID4に限らず、RAIDを構成してNASやサーバーを運用する際には大事なデータを保存することが多いため、事前にトラブルを回避できる方法も紹介していきます。
- 定期的なバックアップを行う
- ディスクの定期チェックを行う
- ファームウェアのアップデートを実施する
- RAIDコントローラーの動作を監視する
1.定期的なバックアップを行う
RAIDシステムは冗長性が期待できるものですが、バックアップの代わりにはなりません。定期的なバックアップを行えるようにしましょう。
2.ディスクの定期チェックを行う
NASやサーバーの管理ソフトウェアを使用して、定期的にディスクの健全性を確認することも重要となります。
3.ファームウェアのアップデートを実施する
RAIDコントローラーやディスクのファームウェアを最新の状態に保ち、既知のバグや脆弱性を修正してきましょう。
※NASやサーバーにアクセスができない・RAID機器が起動しない・共有フォルダにアクセスができないなどのトラブルが発生した際にはすでにディスクが物理的・機械的に故障していることが大半でファームウェアのアップデートを実施することによってディスクの故障具合が悪化する・損傷箇所が増える・ディスクの故障本数が増えるなど、状態が重篤化することも多く、注意が必要となります。RAID4に限らず、RAID装置が正常に動作しなくなった際にデータを失いたくないと少しでも考えた場合には操作や作業を進めて後悔する前にプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。
4.RAIDコントローラーの動作を監視する
RAIDコントローラーの動作を監視し、異常が発生した際にはすぐに対処できるようにすることも重要となります。管理ソフトウェアで通知機能を確認し、トラブルが発生した際にはメールやアラートを受け取る事ができるように設定しておきましょう。
まとめ
RAID4は特定の用途やシステム環境において効果的なストレージソリューションの1つです。高速な読み取り性能と効率的なストレージ利用を可能にし、データ保護も見込めるRAIDレベルでもあります。しかしながら、書き込み性能の低下やパリティディスクのボトルネックといった課題もあるため、使用環境や要件に応じた選択が必要となります。
RAIDはNASやサーバーで大事なデータを保存する際に導入される仕組みですが、RAID4に限らずRAID機器を使用している場合にはある日突然、トラブルが生じて機器が使えなくなってしまう事もありえます。RAID1、RAID4、RAID5、RAID6など冗長性が期待できるRAIDレベルであっても複数のディスクが同時に故障、不具合が生じることは多く起こりえるもので、データを失いたくない方は注意が必要となります。万が一、RAID機器に不具合が出て困った時にはプロのデータ復旧業者に相談することも検討してみましょう。