RAID60(RAID 6+0)は、RAID6とRAID0の特性を組み合わせた高度なRAID構成であり、大容量のデータを扱う環境で強力な冗長性とパフォーマンスを発揮することが見込めます。RAID60(RAID 6+0)が多くの企業やデータセンターで採用される理由は障害発生時に強い・同時に高速なデータ処理が可能な点が挙げられるものです。
本記事ではRAID60の仕組みや大規模ストレージの運用におけるメリットおよびデメリットをわかりやすく解説し、万が一、トラブルが発生した場合に選択可能な対処方法についても紹介していきます。RAID60は高度な構成ゆえに運用の難しさもありますが、適切な設計と管理を行うことでデータの安全性と業務の円滑化が保証されるものです。RAID60の導入を検討する際やRAID60で運用しているNASやサーバーに問題が発生した場合に記事の内容が役立てば幸いです。
- 1. RAID60(6+0)とは
- 2. RAID0とは?
- 3. RAID60の仕組み
- 4. RAID60でNASやサーバーを運用するメリットとデメリット
- 5. RAID60が適している運用環境
- 6. RAID60でNASやサーバーを運用する際の注意点
- 7. NASやサーバーをRAID60で運用する際のポイント
- 8. RAID60機器で生じる症状例
- 9. RAID60機器にトラブルが発生する原因
- 10. RAID60機器からデータを復旧したい時には
- 11. RAID60装置にトラブルが発生した時にやってはいけない事
- 12. 8.普通の環境下で開封、分解する
- 13. RAID60の構築が可能なNASやサーバー例
- 14. 万が一、困った時には
RAID60(6+0)とは
RAID60(RAID6+0)は、RAID6とRAID0の特性を組み合わせた高度なRAID構成です。RAID6の高い冗長性とRAID0の高速性を同時に実現するため、大規模なシステムでのデータ保護とパフォーマンスを両立することが見込めるRAIDレベルの1つとして挙げられます。
・RAID6とは?
RAID6は複数のディスクにデータを分散し、2つのパリティディスクで冗長性を確保するRAID構成です。RAID5の拡張版であり、同時に2台のディスクが故障してもデータを保護できる事が見込める為、高い信頼性を確保することができます。
・RAID6の特徴
- ディスクが2台同時に故障しても対応可能
- パリティ計算による冗長性の確保
- ストレージ容量の効率が低下する
- 再構築に時間がかかる
1.ディスクが2台同時に故障しても対応可能
RAID6でRAIDを構成している場合にはディスクが同時に2台故障してもパリティからデータを復元することができることが見込めます。
2.パリティ計算による冗長性の確保
RAID6ではデータとパリティが分散保存されるため、ディスクが故障した際に他のディスクから復元することができます。
3.ストレージ容量の効率が低下する
RAID6ではパリティ用にディスク容量が使われるため、全体の容量効率が下がります。
4.再構築に時間がかかる
ディスク容量が大きくなるほど、故障後の再構築に長時間を要します。
↓RAID6については下記記事で詳しく解説しています。
RAID0とは?
RAID0は複数のディスクにデータを分散(ストライピング)して保存することで、高速な読み書き性能を実現するRAID構成です。しかしながら、冗長性が無いため1台のディスクが故障すると全データが失われる危険性が高いRAIDレベルになります。
・RAID0の特徴
1.高速でのデータ転送が可能
RAID0ではデータを並列に複数のディスクに分散して保存するため、I/O性能が向上します。
2.冗長性がない
RAID0では1台のディスクが故障すると、全データが失われます。
3.容量効率が高い
すべてのディスク容量を100%使用することが可能です。
↓RAID0の詳細については下記を参照ください。
・RAID6とRAID0を組み合わせる理由
RAID6とRAID0を組み合わせることで冗長性の高さと高速なデータ転送性能の両方を実現することが見込めます。この組み合わせによりRAID60と呼ばれる構成が生まれ、データ保護とパフォーマンスを同時に確保することが可能になります。
RAID60の仕組み
RAID60はRAID6グループを複数作り、それをRAID 0でストライピングする構成です。
・RAID6部分
各グループで2つのパリティディスクを持ち、同時に2台のディスク障害に対応します。
・RAID0部分
RAID6グループ間でデータをストライピングすることで、高速な読み書き性能を実現します。
RAID60は最低8台のディスクが必要(RAID6構成×2グループ)であり、用途に応じて多数のディスクを追加することで、ストレージ容量とパフォーマンスを拡張することが可能です。
RAID60でNASやサーバーを運用するメリットとデメリット
RAID60はRAID6とRAID0を組み合わせた構成であり、高いパフォーマンスと冗長性を確保することが見込めます。NASやサーバーでRAID60を選択する際には、いくつかのメリットとデメリットが挙げられます。ここでは、その両方について詳しく解説していきます。
・RAID60のメリット
- 高い冗長性(耐障害性)
- 優れたパフォーマンス
- 大容量のデータに対応
- データ損失リスクの低減
- 再構築中も冗長性を維持
1.高い冗長性(耐障害性)
RAID60でNASやサーバーを運用した場合にはRAID6の構成により、各グループ内で2台のディスクが同時に故障してもデータがすぐには失われない仕様となっているため、NASやサーバーの信頼性が向上します。
また、RAID60全体としては複数のRAID6グループが存在するため、1つのグループのディスクが故障しても他のグループには影響しない点もメリットとして挙げられるものです。
2.優れたパフォーマンス
RAID60ではRAID0のストライピングにより、複数のRAID6グループ間で高速なデータ転送が可能です。また、RAID60では読み込み・書き込み速度が向上するため、データベースサーバーや仮想化環境など、I/O要求の高いシステムに適しています。
3.大容量のデータに対応
RAID60は多数のディスクを使用するため、NASやサーバーで大容量のストレージが必要な場合に最適です。またRAID60ではディスクを追加することで柔軟に容量を拡張できるため、データセンターやクラウド環境での使用にも適しています。
4.データ損失リスクの低減
RAID60ではRAID6部分のおかげで再構築中に1台のディスクが故障してもさらに1台分の余裕があるため、再構築中のデータ損失リスクが低減されます。
5.再構築中も冗長性を維持
RAID60でNASやサーバーを運用した際には再構築中にさらにディスクが故障しても、RAID6グループの冗長性によってデータの保護が可能になることがほとんどです。
・RAID60のデメリット
- 構成と運用が複雑
- コストが高い
- 再構築に時間がかかる
- ディスク故障のリスク管理が重要
1.構成と運用が複雑
RAID60は複数のRAID6グループを含むため、初期設定や構築が複雑で専門的な知識が必須となります。運用時の監視や障害対応も難易度が高く、専任の管理者が求められることがあります。
2.コストが高い
RAID60構成ではRAID6の各グループにパリティディスクが必要となるため、ディスク使用効率が下がり、多くのディスクが必要となります。また、1つ1つのHDDやSSDのストレージ容量が大きくてもパリティに多くのディスクを割り当てるため、コストがかさんでしまいます。
3.再構築に時間がかかる
RAID60は再構築に多くの時間を要します。RAID6の再構築はディスク容量に依存することから大容量ディスクでは再構築が非常に長時間化することもありえます。その他、再構築中にはパフォーマンスが低下するため、運用に影響を与えることも考えられるものです。
4.ディスク故障のリスク管理が重要
RAID60では、同じRAID6グループで3台以上のディスクが同時に故障するとデータが失われてしまいます。RAIDを構築する際には複数のディスクに障害が発生するリスクを考慮して監視システムやバックアップの強化を考える必要が出てきます。
↓RAIDの種類やRAIDごとの復旧方法については下記の記事で詳しく解説しています。
RAID60が適している運用環境
RAID60は以下のような用途で効果を発揮することが見込めます。
データベースサーバー:高いI/O性能とデータ保護が求められる環境。 |
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仮想化環境:VMwareやHyper-Vなどの仮想マシン運用に適しています。 |
大規模なNASストレージ:金融機関、医療機関、データセンターなど、膨大なデータを管理するシステムに最適。 |
メディアストレージ:映像編集やビッグデータ処理など、読み書き速度が重要なシーン。 |
※金融機関などではデータの一貫性と安全性が最優先される環境では、RAID60の高い冗長性が役立ちます
※医療機関などでは、医療画像やカルテデータなど消失が許されないデータをRAID60で運用することで長期間、安全に保存することが期待できます。
RAID60でNASやサーバーを運用する際の注意点
RAID60でNASやサーバーを運用した場合には、RAIDを構成しているディスクが2台故障したとしてもシステムの稼働を止めずに動作し続けることが見込めるものです。しかしながら、NASやサーバーにアクセスができない、起動しない・ランプが赤く点滅する・エラーメッセージやエラーコードが表示されるなどのトラブルが発生した際にはRAID60で構成したディスクは2台だけなく、複数のディスクが同様に故障している・壊れかかっていることが大半です。そのままNASやサーバーを使い続けようとする・電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しなど簡単にできることを試すだけでも状態が重篤化し、取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえるものです。RAID60は特に冗長性が高いRAIDレベルの1つとして挙げられますが、そのRAID60で運用しているNASやサーバーにアクセスができない等、正常に動作しなくなった場合には重大な障害が生じていることがほとんどであるため、RAID60装置内のデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを検討しましょう。
NASやサーバーをRAID60で運用する際のポイント
NASやサーバーをRAID60で稼働させたい時に抑えておきたいポイントを紹介します。
- RAID60を構成するHDD・SSDの選び方
- RAID60の最小ディスク数は8本
- 同じ容量・速度のディスクを使用するのが理想
- UPS(無停電電源装置)を導入する
- 監視システムを使う
- 再構築時間の考慮
- 冷却対策
1.RAID60を構成するHDD・SSDの選び方
RAID60を構成する際には、HDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)のいずれも使用できますが、システムの用途やパフォーマンス要件に応じて選択する必要があります。また、RAID60を構成するためには最低8台のディスクが必要となります。以下に、RAID60に適したドライブの選び方と必要なディスク数の詳細を説明します。
・HDDでRAID60を構成する際のポイント
容量が大きくコストが抑えられるため、容量重視のシステムに適している。 |
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データの長期保存に向いており、ビジネス用途で多くのデータを保存する際にコスト効率が良い。 |
冗長性が高いRAID60に使用することで、HDD特有の故障リスクの軽減が期待できる。 |
・SSDでRAID60を構成する際のポイント
SSDは高速な読み書き性能を持っていることから、リアルタイム処理が求められる環境で効果を発揮する。 |
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SSDは物理的な可動部品がないため、HDDよりも耐久性が高く、故障リスクが低い事が利点。 |
SSDは容量あたりのコストがHDDよりも高いため、多くのストレージ容量が必要な場合にはコストが上がる。 |
・用途別の選択
大容量のデータ処理、管理が必要な環境ではHDDの方が適しています。例えば、アーカイブデータやバックアップデータの保管用途が挙げられます。また、高パフォーマンスと信頼性が必要な環境ではSSDが有利となります。例えば、仮想化環境やデータベースサーバーなどI/O性能が重要視される場合などが挙げられます。
2.RAID60の最小ディスク数は8台
RAID60を構成するためには、最低8台のディスクが必要となります。具体的には以下のように構成されます。
・RAID6グループ
RAID60は複数のRAID6グループを作り、それをRAID0でストライピングする構成です。RAID6の最小構成は4台のディスクで、これが1つのRAID6グループとなります。
・RAID60の最小構成数
2つのRAID6グループが必要であり、それぞれに4台ずつのディスクが必要です。よって、RAID60の最小ディスク数は4台 × 2グループ = 8台です。
・RAID60を8台のディスクで構成する際のポイント
RAID6部分でディスク2台までの故障に対応することからRAID60全体では最大で各グループで2台のディスク故障に耐えられることが期待できます。その一方ですべてのRAIDコントローラがRAID60をサポートしているわけではないため、事前にRAID60対応のRAIDコントローラを選定する必要が出てきます。
・さらに容量や性能を向上したい場合には
ディスク数を増やしてRAID6グループを追加することで、RAID60全体のストレージ容量とパフォーマンスをさらに向上できます。例えば、12台のディスク構成なら、3つのRAID6グループ(各グループ4台)を作成し、RAID0で結合することが可能です。
・RAID60のディスク増設例
RAID60はディスクの数を増やすことでさらに容量とパフォーマンスを向上できます。
12台構成:4台×3グループ
16台構成:4台×4グループ
※RAID60では各RAID6グループのディスク数が同じである必要があります。
3.同じ容量・速度のディスクを使用するのが理想
RAID60を構成するディスクはメーカー・容量・速度・規格が同じものを使用するのが理想となります。同じ特性のディスクを用いることで、全体のパフォーマンスが安定します。また、RAID60を構成する際に異なる容量のディスクを混在させると最小のディスク容量に合わせて全体が運用されるため注意が必要となります。ディスク容量を最大限に生かすためには同じ容量のディスク(HDDやSSD)を用意してRAID60を構築しましょう。その他、エンタープライズ向けのHDDやSSDを使用すると故障リスクをさらに低減することが見込めます。
※しかしながら、製造ロットが同一のディスクは選ばないようにした方が良いものです。同じロットのディスクは寿命を迎える時期が近い・同じ時期に故障することが多い点が注意点として挙げられます。
4.UPS(無停電電源装置)を導入する
RAID60に限らずRAIDの再構築中や機器が稼働している最中に停電や瞬電が発生した場合にはデータ損失のリスクが高まるため、UPSなどで安全性を高めた方が良いものです。
5.監視システムを使う
RAID60で構築するような重要なデータを扱う場合にはデータの消失リスクを減らすためにSMART監視ツールやRAID管理ソフトを使ってディスクの健康状態をリアルタイムで監視することも重要となります。
6.再構築時間の考慮
RAID60は再構築に時間がかかるため、ディスク故障時の対応計画を事前に立てておきましょう。
7.冷却対策
RAID60では多数のディスクを使用するため、冷却ファンやエアフローの最適化でディスクの温度管理が必要となります。
RAID60機器で生じる症状例
RAID60で運用しているNASやサーバーに下記の様なトラブルが生じた時にはデータ復旧作業を行うことを検討する必要が出てきます。
NASやサーバーに接続ができない |
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共有フォルダにアクセスができない |
NASやサーバーが起動しない |
エラーメッセージやエラーコードが表示された |
本体のランプが赤や橙色で点滅する |
異音や異臭がする |
共有フォルダのデータを誤って削除した |
停電や瞬電が起きた後にNASやサーバーの動作がおかしい |
RAID60で運用しているNASやサーバーにアクセスができない・機器が起動しない・いつも通りの操作ができない・エラーメッセージが表示された・本体のランプが赤や橙色で点灯、点滅するような場合には、データが保存されている内蔵HDDやSSDなどRAIDを構成しているディスクが複数、故障している・障害が発生していることが大半で慎重な対応が求められるものです。
RAID60機器に不具合が出た際に通電し続ける・電源の入り切りや再起動・ケーブルの抜き差しなど簡単にできることを試すだけでも複数のディスクに致命傷を与えてしまい、全てのデータが消失する事態に直結してしまうこともありえます。RAID60で構築しているNASやサーバー内のデータを失いたくない方は手を止めてプロのデータ復旧業者に相談することを検討しましょう。
↓NASにアクセスができない状況でお困りの方はこちらも参照ください。
RAID60機器にトラブルが発生する原因
RAID60機器に症状や不具合が生じる際の原因は下記のようなものが挙げられます。
- 経年劣化(自然故障や寿命)
- 停電や自然災害の影響
- 熱による障害発生
- ホコリや塵の影響
- RAIDカードの故障
- ディスクの交換
- 操作ミス
RAID60は2台のディスクが故障してもデータは消失しない・そのまま稼働が可能と認識されているものですが、2台のディスクが故障した際には他のディスクも故障している・壊れかかっている事が大半で全てのデータが失われる危険性が高まっていることが多いものです。データを失いたくない方はRAID60で運用しているNASやサーバーに不具合が出た時には慎重な対応が求められます。
1.経年劣化(自然故障や寿命)
RAID60で構築しているNASやサーバーは常時稼働している事がほとんどで他の製品よりは寿命が短い傾向にあります。1年以上、RAID60機器を使っている際にNASやサーバーにアクセスができない・機器が起動しないなどのトラブルが発生した場合にはデータが入っている内蔵ストレージ(HDDやSSD)の経年劣化が疑われる・複数のディスクが物理的・機械的に故障していることも多く、注意が必要となります。
RAID60で稼働しているNASやサーバーにアクセスができない・起動しないなど、正常に動作ができなくなった場合にはランプの点滅の仕方やエラーメッセージやエラーコードの内容などを確認することから始めた方が良いものです。しかしながら、NASやサーバーに搭載された複数のディスクは同時期に製造されたものがほとんどで、2台のディスクが故障した際には他のディスクも同様に故障しているか壊れかかっている事が大半です。RAID60の機能を過信して機器の電源を切らない・使用を続けようとする・電源の入り切りや再起動など簡単にできることを試すだけでも取り返しのつかない状況に陥ってしまうこともありえます。少しでも困ったり悩んだりした際には専門家に相談することを優先した方が希望する結果に繋がります。
2.停電や自然災害の影響
停電や瞬電が起きた後にRAID60機器が使えなくなった際には特に注意が必要となります。法定停電や計画停電など事前に停電することがわかっていた場合の他、突然の停電、雷、台風、豪雨、暴風、地震、大雨など自然災害の影響でNASやサーバーにトラブルが発生することは多く起こりえるものです。停電や自然災害の影響によってRAID60で稼働しているNASやサーバーに症状が出た時には内蔵ストレージ(HDDやSSD)が複数、同時に故障している・個人では復旧ができない障害が生じていることがほとんどです。電源の入り切りや再起動など簡単に試せることを行うだけでも機器に致命傷を与えてしまうこともあるため、RAID60装置内のデータを失いたくない方は余計な操作や作業を進めて後悔する前にデータ復旧業者に連絡することを優先しましょう。
↓停電の後、NASにトラブルが発生した時にはこちらも参照ください。
3.熱による障害発生
NASやサーバーなどの精密機器はRAIDのレベルに限らず、熱の影響を受けやすい・熱によって故障する・不具合が生じることが多いものです。例えば、夏季休暇中の冷房が効いていない室内でNASやサーバーを稼働し続けていたような場合にはRAID60を構成しているストレージ(HDDやSSD)が複数、同時に故障する・不具合が発生することが多いものです。
NASやサーバーを設置している室内が暑くなった後にRAID60装置にトラブルが生じた時には本体の電源を切り、早めにプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを検討しましょう。すでに重篤な障害が発生していることが多く、注意が必要となります。
4.ホコリや塵の影響
RAID60に限らず、RAID装置は一旦、設置した後は動かすことが少ない・部屋の隅に置くことが多いことから筐体周りや冷却ファンなどにホコリや塵が溜まることも多いものです。
上記で紹介してきたようにNASやサーバーなどのRAID機器は熱に弱い特徴もあります。筐体(NASやサーバー本体)や冷却ファンにホコリや塵が溜まり、熱が籠ると故障の原因にもなりえます。また、NASやサーバー内のHDD内にホコリや塵が少しでも付着するとデータが失われる事態に直結することもありえるため注意が必要となります。
5.RAIDカードの故障
RAIDコントローラカードが故障した際にはRAIDアレイ全体に影響が出る他、RAID60装置内の全てのデータが消失する事態に繋がることもありえるものです。RAID60を構築している環境でRAIDコントーラカードが故障した際には個人で対応は難しい状況に陥っているため、早めに専門家に相談することを検討しましょう。
↓RAIDコントローラの故障が疑われる時には下記も参照ください。
6.ディスクの交換
RAID60で構築しているNASやサーバーにトラブルが生じた際にエラーメッセージやエラーコードの内容、ランプの色や点滅の仕方を信用して故障が疑われるディスクを交換した際にはその作業が引き金となり、新たな問題や障害を引き起こす事もありえます。
RAID60を構成している複数のディスクは稼働中には多大な負荷がどのディスクにもかかりますが、1台や2台のディスクに不具合が出た・故障した・障害が発生した際には他のディスクも同様に故障している・壊れかかっていることがほとんどです。そのため、安易に特定のディスクの交換を行うと状態が悪化して取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く注意が必要となります。また、ディスクの交換を行った場合にはRAIDのリビルド(再構築)が自動的にかかることが大半で、RAIDのリビルド(再構築)によってNASやサーバー内のデータが意図しない形で上書きされる・ファイルシステムが損傷する・ディスクの故障本数が増える・ディスクの故障具合が悪化するなどデータを復旧したいはずが逆の結果に繋がってしまうこともありえるものです。
RAID60は冗長性が高いRAIDレベルではありますが、複数のパソコンや端末からNASやサーバーのアクセスができない・機器が起動しない・正常に動作しないなどのトラブルが発生した際には専門家でないと対応が難しい状態に陥っていることが大半であるため、少しでも困ったり悩んだりした場合には手を止めてプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを検討しましょう。
7.操作ミス
RAID60に限らず、RAIDを構築しているNASやサーバーの管理画面で操作を誤った・共有フォルダのデータを削除した・RAIDレベルを誤って変更した・RAID60を構成しているディスクを誤フォーマットした・ディスクの入れ換えを間違った・押してはいけないボタンを押してしまった等、ヒューマンエラーによってデータが失われるトラブルに見舞われることもありえます。万が一、操作ミスやヒューマンエラーによって問題が発生した際には、RAID機器の使用を止める事から始めましょう。使い続けようとする・確認作業を進めるだけでも状態が重篤化することもありえます。
↓共有フォルダのデータを誤って削除してしまった時にはこちらも参照ください。
RAID60機器からデータを復旧したい時には
RAID60で構築しているNASやサーバーにアクセス、接続ができない・RAID60機器が起動しない・共有フォルダが開かない・エラーメッセージやエラーコードが表示された・本体のランプが赤や橙色で点滅している・共有フォルダのデータを誤って削除した等のトラブルが発生した場合には慌ててしまうことも多いものです。少しでも悩んだり困ったりした際にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することが問題解決への近道となります。
RAID60で運用しているNASやサーバー内のデータが不要・消えても良い方はメーカーや修理の専門会社に機器を修理に出す方法も選択肢として挙げられますが、メーカーや修理の専門会社にNASやサーバーを修理に出した場合にはデータが保存されているディスクは初期化される、もしくは新しいディスクに交換された上での修理対応となるため、RAID60装置自体は動作可能な状態に戻ることが見込めますが、データの取り出しや救出作業は行われず、機器内のファイルやフォルダ、設定などは全て消去された上で返却されてくることになります。RAID60機器内に保存しているデータが無くなったり取り出せなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合にはデータ復旧業者に相談することを優先しましょう。
・データ復旧業者の選び方
RAID60機器から早く安く確実にデータを取り出したいと思った時には復旧業者選びが重要となります。どこのデータ復旧業者を選べば良いのか悩んだ時には下記の様な項目をチェックしましょう。困らずに済みます。
- 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
- 復旧・修復に要するスピードや対応が早い
- 復旧料金プランや復旧費用例がホームページに記載されている
- クリーンルームなど専用環境下で復旧・修理作業を行っている
- 情報の守秘義務・セキュリティ管理が万全
- 復旧実績・復旧事例の有無
データ復旧業者は数多く存在していますが、技術力やサービス内容には大きな差があるものです。どこの復旧業者にRAID60機器を出しても同じように早い対応と費用を抑えたデータ復旧対応ができるわけではないため注意しましょう。アドバンスデータ復旧は1から6の項目、全てを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復旧・修理作業を行うから迅速な対応と低価格でのデータ復旧サービスを実現しています。RAIDのレベルやメーカーを問わず、NASやサーバー・外付けハードディスク・SSD・パソコン(Windows・Mac・自作・タブレット型)・USBメモリ・SDカード・CFカードなど、様々な機種に対して復旧実績も多くあり、安心です。
RAID60装置にトラブルが発生した時にやってはいけない事
RAID60で構築しているNASやサーバーに問題が生じた際にデータを失いたくない方は下記のような事を行わない様にしましょう。
- 通電し続ける
- 電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しを繰り返す
- 故障が疑われるディスクやRAIDカードを交換する
- RAIDのリビルド(再構築)を行う
- RAID60を構成しているディスクを単体で直接パソコンに接続する
- ファームウェアのアップデートを行う
- 復旧ソフトを使う
- 普通の環境下で開封、分解する
1.通電し続ける
RAID60で稼働しているNASやサーバーにトラブルが発生した際には機器本体の電源を切ることから始めましょう。NASやサーバーにアクセスができない・起動しないなどRAID60装置が使えない場合の他、共有フォルダのデータを誤って削除したような時に通電し続けるだけでもデータが意図しない形で上書きされる・故障の状態が悪化する・新たな障害が併発する等、後悔する事態に繋がることが多いものです。
2.電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しを繰り返す
RAID60装置が正常に動作しなくなった際には電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しなど簡単にできることを試してしまうかもしれませんが、全てのデータを失いかねない危険な行為になりえます。
HDDを使ってRAID60を構築している場合には電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しを行うとその都度、HDD内でデータを読み込むための針のような部品、ヘッドが動き、データが記録されている円盤状の部品、プラッタと接触することでプラッタ上に傷や溝を作り、データが失われる事態に直結する事が多く起こりえるものです。最悪の場合にはデータが入っている箇所、そのものをえぐり取ってしまうこともありえます。
SSDを使ってRAID60を構築している場合にも電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しなどを行うとフラッシュメモリチップやメモリコントローラーなど重要な部品に致命傷を与えてしまうことも多く、注意が必要となります。
早く安く確実にトラブルが発生したRAID60機器内からデータを取り出したいと考えた時には電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しなどは繰り返さない様にしましょう。1回試すだけでも状態が重篤化してしまうこともありえます。
3.故障が疑われるディスクやRAIDカードを交換する
・RAID60を構成しているHDDやSSDを交換する
NASやサーバーに搭載されているHDDやSSDなどのディスクは同時期に製造されたものがほとんどで、RAID60装置が正常に動作しなくなった際には複数のディスクが同時に故障しているか壊れかけていることが大半です。そのため、RAID60で稼働しているNASやサーバーにトラブルが発生した際にディスク(HDDやSSD)を交換してデータの復旧作業を行おうとしてもデータの復旧ができないばかりか、データが意図しない形で上書きされる・RAID崩壊が起きる・ディスクの故障状態が悪化する・ディスクの故障本数が増えるなど、取り返しのつかない状況に陥ってしまう事が多く起こりえるものです。ディスクの交換だけでなく、挿し直しや順番の入れ換えを行うと同様にデータが消失する危険性も高まる為、注意しましょう。
・RAIDコントローラカードを交換する
RAID60を管理しているRAIDカードが故障、損傷することもありえます。しかしながら、RAIDカードは特殊な構造をしていることに加え、RAID60を管理しているRAIDカードに不具合が出た時には個人で対応することは難しい障害が発生していることが大半です。安易にRAIDカードを交換すると全てのデータが失われる事態に直結することもありえます。
RAID60機器にトラブルが発生した際にディスクやRAIDカードの交換を行いたいと考えた場合にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。相談を行ってから作業を進めても遅くはないものです。
4.RAIDのリビルド(再構築)を行う
RAID60を構成しているHDDやSSDの中から故障したディスクを交換した後に自動的に行われるRAIDのリビルド(再構築)の他にも自発的にRAIDのリビルド(再構築)操作を行うこともできますが、RAID60装置に不具合が出た時には慎重な対応が求められるものです。リビルド(再構築)操作はRAID60に限らず、RAIDを構成しているディスクが故障・障害が発生している時に進めると失敗する・途中で止まることが大半で、RAIDのリビルド(再構築)が正常に完了しなかった場合にはファイルシステムが損傷する・新しい情報が書き込まれてデータが上書きされる・データの読み書きができなくなる・RAID情報のアルゴリズムが崩れる等、大切なデータが消失する事態に繋がることが多いものです。RAID60の場合、RAIDのリビルド(再構築)に要する時間も長時間に及ぶことが多く、その間にディスクの故障具合が重篤化することもありえます。RAID60で構築しているNASやサーバーにトラブルが発生した後にデータを失いたくない方はRAIDのリビルド(再構築)作業は安易に行わない方が良いものです。
5.RAID60を構成しているディスクを単体で直接パソコンに接続する
RAID60で運用しているNASやサーバーに接続ができない、起動しない・共有フォルダにアクセスができない等の問題が生じた際にRAID60を構成しているHDDやSSDを筐体(本体)から取り外して直接、パソコンに接続すれば簡単にデータを復旧できるのでは?ファイルやフォルダを取り出せるのでは?と考えてしまうかもしれませんが、試さない様にしましょう。
RAID60に限らず、RAIDを構成しているHDDやSSDはファイル形式やシステムが特殊であることから外付けハードディスクやUSBメモリなどの様に単体でパソコンに接続しても使えない・ファイルやフォルダを見ることはできない仕様となっています。
また、RAID60装置内のデータを使用することができないだけでなく、RAIDを構成しているディスクを単体でパソコンに接続するだけでデータの上書きが意図しない形で進む・ディスクの状態が悪化する・他の障害が併発するなど、データの復旧・修復作業の難易度が上がる他、取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえるものです。
RAID60で稼働しているNASやサーバーにトラブルが発生した場合にはRAIDを構成しているディスクを直接、パソコンに繋ぐ行為は行わないように注意しましょう。
↓共有フォルダにアクセスができない状態でお困りの方はこちらの対処法もお試しください。
6.ファームウェアのアップデートを行う
RAID60に限らず、RAIDを構築している機器が正常に動作しなくなった際には内蔵ストレージ(HDDやSSD)が物理的・機械的に故障していることが大半です。そんな時にファームウェアのアップデートを行っても正常に完了しない他、ファームウェアのアップデートを行うことで、データが意図しない形で上書きされる・ディスクの故障具合が悪化する・エラーメッセージやエラーコードの数が増える・新たな障害が発生する等、データの復旧やエラーの修復ができないばかりか、後悔する結果に直結することも多く起こりえるものです。RAID60で稼働しているNASやサーバーに問題が生じた時にはファームウェアのアップデートは進めないように注意しましょう。
7.復旧ソフトを使う
RAID60で稼働しているNASやサーバーにアクセスができない・機器が起動しない・エラーメッセージやエラーコードが表示される・ランプが赤や橙色で点滅するなどのトラブルが発生した際にデータを失いたくない方は復旧ソフトを使うことは選択肢から外す様にした方が良いものです。
復旧ソフトでエラーの修復・データの復旧が可能となるのはHDDやSSDに軽度な論理障害が生じている場合に限られますが、RAID60装置が正常に動作しなくなった時にはRAIDを構成しているディスクに物理障害が生じていることが大半で、復旧ソフトの機能は使えない他、無理に復旧ソフトの機能を使おうとするとディスクの故障具合が悪化する・データの上書きが意図しない形で進む・ファイルシステムが損傷する・他の障害や他のエラーを引き起こす等、データの復旧ができないばかりか、取り返しのつかない状況に陥ってしまいます。RAID60で運用しているNASやサーバー内のデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合には復旧ソフトを使う方法は試さない様に注意しましょう。
↓NASが起動しない状態でお困りの方はこちらの記事もご確認ください
8.普通の環境下で開封、分解する
RAID60で稼働しているNASやサーバーの修理やデータ復旧作業を行う為にはクリーンルームなどの専用環境下で深い専門知識や高度な技術力、経験値を持った専門の技術員が安全に機器を開封・分解して修理・復旧作業を進める必要が出てきます。人間の手術を専門の手術室で専門の医師が行うのと同じイメージです。個人で安易にNASやサーバーの本体および内蔵ディスクを開封・分解する他、出張修理業者やクリーンルームが無い会社で修理・データ復旧作業を行うことは状態が重篤化するだけになりえる他、データが消失するリスクが高まる行為となるため止めておきましょう。
RAID60の構築が可能なNASやサーバー例
RAID60で構築が可能なNASやサーバーを紹介します。
・RAID60対応が可能なNASの主なメーカーとシリーズ例
するNASを提供している主なメーカーとシリーズ例を以下に挙げます。
メーカー名 | シリーズ名 | 機種例 |
---|---|---|
バッファロー | TeraStationシリーズ | TS5800D・TS5800DN・TS-8VHL/R6・TeraStation 7120r Enterprise TS-2RZH24T12Dなど |
QNAP | Enterprise ZFS NASシリーズ | ES2486dcなど |
Synology | RackStationシリーズ | RS4017xs+など |
Netgear | ReadyNASシリーズ | ReadyNAS 4360Xなど |
・RAID60対応が可能なサーバーの主なメーカーとシリーズ例
メーカー名 | シリーズ名 | 機種例 |
---|---|---|
富士通株式会社 | PRIMERGYシリーズ | PRIMERGY RX2540 M6 |
デル・テクノロジーズ | PowerEdgeシリーズ | PowerEdge R740 |
レノボ・ジャパン | ThinkSystemシリーズ | ThinkSystem SR650 |
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE) | ProLiantシリーズ | ProLiant DL380 Gen10 |
※アドバンスデータ復旧ではNASやサーバーなどのRAID機器に生じる様々なトラブルに対して、機種や型番を問わずデータ復旧・修理対応が可能です。
万が一、困った時には
RAID60で構築しているNASやサーバーに接続ができない・機器が起動しない・共有フォルダにアクセスができないなど、RAID装置が使えない・正常に動作しなくなった場合には慌ててしまうことも多いものです。RAID60で稼働しているNASやサーバーにトラブルが生じた際にデータを失いたくないと少しでも考えた場合には機器本体の電源を切ることから始めましょう。NASやサーバーなどのRAID装置が正常に動作しなくなった時には内蔵HDDやSSDなどの重要部品が物理的・機械的に故障したことが原因で症状発生に繋がっていることが大半です。そんな時に電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しなど簡単にできることを試すだけでも状態が重篤化してしまう事もありえます。RAID60で構築しているNASやサーバー内のデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困る・早く安く確実に問題を解決したいと思った時にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。アドバンスデータ復旧は独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力を持って作業を行う事から、迅速な対応と費用を抑えたデータ復旧サービスを実現しています。メーカーや機種を問わずNASやサーバーに対して数多くの復旧実績もあり安心です。