TeraStationは、多くの企業や個人ユーザーにとって重要なデータを保存・管理するバッファロー製のNAS(ネットワークストレージ)です。しかしながら、長期間の使用や予期せぬトラブルにより、突然故障してしまうことがあります。TeraStationが故障すると、業務に支障が出たり、大切なデータにアクセスできなくなったりするため、迅速かつ適切な対応が求められます。本記事では、「TeraStationが故障したかもしれない」と感じた時に、まず何を確認すべきか、どのような対処方法が必要なのかを詳しく解説していきます。慌てず冷静に状況を把握する・適切な判断を行うことでトラブルを最小限に抑えましょう。
TeraStationの故障が疑われる時に最初に確認したいこと
TeraStationが突然動作しなくなり、故障が疑われる時には、原因を特定するために最初に確認したいポイントがいくつか挙げられます。慌てて対処方法を進めるのではなく、冷静に状況を整理して適切な判断をすることが重要となります。
- TeraStation本体の電源が入っているか確認する
- 本体のLEDランプの状態を確認する
- NAS Navigator2や管理画面にアクセスできるか確認する
- ネットワーク接続を確認する
- 異音や異常な発熱がないか確認する
- エラーメッセージの有無を確認する
- USB機器や外部ストレージを取り外す
1.TeraStation本体の電源が入っているか確認する
・電源ランプが点灯しているかを確認する。
・コンセントや電源ケーブルが正しく接続されているかチェックする。
・停電や過電流による影響がないかも考慮する。
2.本体のLEDランプの状態を確認する
・LEDランプの色・点灯・点滅状態を確認する。
※通常とは異なるランプパターンや色(赤色やオレンジ色)が表示されている場合は、ハードウェアが物理的、機械的に故障していることが推測されるものです。
3.NAS Navigator2や管理画面にアクセスできるか確認する
・パソコンから「NAS Navigator2」を使用し、TeraStationが検出されるか確認する。
・ブラウザで管理画面にアクセスできるか試してみる。
・IPアドレスが変更されていないか、ネットワーク設定をチェック。する
4.ネットワーク接続を確認する
・LANケーブルがしっかり接続されているかチェックする。
・ルーターやスイッチングハブに異常がないか確認する。
・同じネットワーク上の他の機器(パソコンやスマホ)からアクセスできるかテストする。
・IPアドレスの競合やDHCP設定の問題がないかをチェックする。
5.異音や異常な発熱がないか確認する
・TeraStation本体から「カチカチ」「ガリガリ」といった異音が発生していないか耳を近づけて確認する。
・TeraStationが過熱している場合には、ファンが正常に動作しているかもチェックする。
※明らかな異常音がする場合は、HDDが物理的に故障していることがほとんどです。このまま通電し続けるだけでもデータが失われる事態に直結してしまうため、データを失いたくない方はTeraStationの電源を切ることから始めましょう。
6.エラーメッセージの有無を確認する
・NAS Navigator2や管理画面でエラーメッセージが表示されていないか確認する。
メール通知を設定している場合には、システムからのエラーメールが届いていないかもチェックする。
※Eから始まるエラーコードやエラーメッセージ、Iから始まるインフォメーションコードが表示される場合には、システム上に問題が生じている、データが保存されているHDDやSSDが故障していることが大半で慎重な対応が求められるものです。ここですぐにTeraStationに対して電源の入り切りや再起動など、簡単にできることを試すと状態が重篤化する、故障具合が悪化する、データが意図しない形で上書きされる、故障箇所が増えるなど、取り返しのつかない状況に陥ってしまうため、手を止めることが最善の対処方法にもなりえます。
7.USB機器や外部ストレージを取り外す
・USBメモリや外部HDDなどのストレージがTeraStationに接続されている場合には、一度取り外して起動を試す。
※これは、外部機器がTeraStationの動作を妨げている可能性が少なからずありえるためです。外部ストレージを取り外した後にTeraStationを再起動し、動作が改善するか確認してみましょう。
※TeraStationはRAIDを構築して運用することが大半で、内蔵ディスクで冗長化を図る、バックアップを取っている方がほとんどです。外部ストレージ(外付けHDDやSSD、USBメモリ)をTeraStationに接続していることは多くない為、TeraStationの故障が疑われる場合には他の項目を先にご確認ください。
TeraStationの故障はなぜ起こる?考えられる理由と背景
TeraStationが故障はなぜ起こるのか。ここでは、TeraStationの故障が発生する理由について詳しく解説していきます。
- HDD・SSDの故障
- 電源関連のトラブル
- 冷却ファンの異常
- 内部ソフトウェアや制御プログラムの異常
- ネットワークの問題
- 外部要因によるTeraStationの故障
1.HDD・SSDの故障
TeraStationはRAID構成を採用しているモデルが多く、複数のストレージ(HDDまたはSSD)が搭載されています。このため、HDD・SSDの故障はTeraStation全体の動作に大きな影響を与える可能性があります。
・長期間、使用したことによる劣化や故障
HDDやSSDは消耗品であり、使用年数が長くなるほど故障率が高まります。特に、3~5年以上経過したHDDでは、不良セクタの増殖や回転機構の劣化によって故障が発生しやすくなります。
※TeraStationに搭載されるHDDやSSDは常時稼働することがほとんどで1年未満でも劣化、故障することもあり、注意が必要となります。
・不良セクタの増加
ディスク内の一部の領域が読み書きできなくなる不良セクタが増加すると、データへのアクセスが不安定になる他、HDDやSSDが認識しなくなるトラブルを引き起こすことがあります。この状態が悪化すると、RAID構成が崩壊する原因にもなりえます。
・ヘッドクラッシュやプラッタ損傷
TeraStationに物理的な衝撃が加わる、停電や雷の影響、過電流が発生すると、HDD内部の磁気ヘッドがプラッタを傷つけ、データが読み取れなくなることがあります。ヘッドクラッシュやプラッタの損傷が少しでも生じた場合には個人での対応は困難となる他、TeraStation内の全てのデータが消失する事態に直結することもありえます。
※プラッタとはHDD内でデータが保存される円盤状の部品のことを指します。
※ヘッドとは、HDD内でプラッタからデータを読み取る為の針のような部品のことを指します。
・冷却不足による過熱
HDDやSSDを使用する際には温度管理が重要になり、適正温度(30~40℃)を超えると寿命が短くなる傾向にあります。TeraStation内で冷却ファンの異常や通気口の詰まりがあると、HDDやSSDの動作温度が上昇し、故障のリスクが高まります。
・RAID構成の異常
TeraStationをRAID5やRAID6などで構成している時には、特定のHDDが故障しても継続して動作できることが見込めますが、複数のHDDが同時に故障するとデータにアクセスできなくなるだけでなく、TeraStationに保存している全てのデータが失われる事態に陥ることもありえます。RAIDアレイの崩壊が発生すると、TeraStation自体の起動ができなくなることもあります。
↓TeraStationにアクセスができない状況でお困りの方はこちらも参照ください。
2.電源関連のトラブル
TeraStationへの電力供給は、安定した動作に不可欠な要素として挙げられますが、電源系統にトラブルが発生するとシステム全体が正常に動作しなくなってしまいます。
・ACアダプターや電源ケーブルの故障
ACアダプターや電源ケーブルが故障、劣化すると、TeraStationが正常に起動しなくなります。電源ランプが点滅する、または全く点灯しない時には、電源供給に問題が発生している、もしくはHDDやSSDが物理的、機械的に故障していることが推測されるものです。
・電源ユニットの異常
TeraStation内部の電源ユニットが故障すると、システムが起動しなくなります。特に、TeraStationが突然、シャットダウンして電源が落ちる場合には、電源ユニットの不具合が考えられるものです。
・停電や雷によるダメージ
突然の停電や雷の影響で電源が不安定になると、内部の電源回路やHDDが故障することがあります。雷サージによるダメージは、一見すると正常に動作しているように見えるものの、後から障害が発生することもありえます。
・電源スイッチの接触不良
長期間使用すると、TeraStationの電源スイッチが摩耗し、押しても反応しないことがあります。特に頻繁に電源をON/OFFする環境では、この問題が発生しやすい傾向にあります。
3.冷却ファンの異常
TeraStationは24時間稼働することを前提としている設計になっていますが、内部温度の上昇を防ぐためには冷却ファンが常に動作しています。この冷却ファンに異常が生じると、システム全体の温度が上昇して最終的にハードウェアやHDD、SSDの故障に繋がることがあります。
・経年劣化によるファンの回転不良や故障
長期間の使用により、冷却ファンの回転軸が摩耗し、正常に動作しなくなることがあります。冷却ファンの稼働が停止すると、本体の温度が上昇してHDDや基板が故障する事態に陥ることも多く起こりえるものです。
・ファンの詰まり(ホコリ・異物の蓄積)
TeraStationの吸気口や排気口にホコリが詰まると、エアフローが悪化して内部の温度が異常に上昇します。特に、長期間メンテナンスされていないTeraStationでは、ホコリが冷却性能を低下させる原因になりえます。
・冷却システムの誤作動
TeraStationのファームウェアや温度センサーの異常により、冷却ファンが正常に動作しているにも関わらず、エラーメッセージが表示されることもあります。
4.内部ソフトウェアや制御プログラムの異常
TeraStationの制御プログラムに問題が発生すると、システムの起動ができなくなったり、データにアクセスができなくなったりすることがあります。
・ファームウェアの更新失敗
TeraStationのファームウェアを更新している最中に停電やシステムエラーが発生すると、ファームウェアの更新が失敗する、途中で止まる他、制御プログラムが破損して、TeraStationが起動できなくなる、データそのものが損傷する事態に直結することもありえます。
・設定ファイルの破損
システム設定のファイルが何らかの理由で破損すると、TeraStationの挙動が不安定になります。特に、RAID設定が正しく認識されない場合にはTeraStation内のデータへアクセスができなくなってしまいます。
・管理ソフトのエラー
TeraStationのRAID管理プログラムに問題が発生すると、ディスク構成が正常に認識されず、RAID崩壊のリスクが高まります。
5.ネットワークの問題
TeraStationはネットワーク経由でのアクセスが基本となるため、ネットワーク環境に問題が生じると、データの共有ができなくなることがあります。
・LANケーブルの接触不良や断線
ネットワーク接続が不安定な場合には、LANケーブルの不具合や故障、断線が生じていることもありえます。
・ルーター・スイッチの故障
ルーターやネットワークスイッチが故障した際にもTeraStationが認識されなくなる、アクセスができなくなることがあります。
・IPアドレスの競合
同じネットワーク内で他の機器とIPアドレスが重複すると、TeraStationが故障していなくともアクセスがブロックされることがあります。
6.外部要因によるTeraStationの故障
TeraStationは主に静的な設置環境で運用されることを前提としていますが、外部要因によって予期せぬトラブルが発生し、故障する事もありえます。特に、落雷・停電によって物理的な衝撃を受けた、システム異常が生じた場合には、ハードウェアや内部データに深刻な影響を与えることがあるものです。
・落雷や停電によるシステム異常
TeraStationは常時電源を供給し、稼働し続けることが前提の機器として挙げられますが、突発的な電力障害(停電・瞬電・雷サージ)によってシステム異常が発生する他、NASの故障に繋がることもありえます。
・停電による突然のシャットダウン
停電が発生すると、TeraStationが適切な手順を踏まずに電源が落ちるため、データの書き込みが中途半端な状態で停止し、RAIDの不整合やファイルの破損を引き起こす、HDDやSSDが物理的、機械的に故障することが多く、注意が必要となります。RAID5やRAID6のようにパリティ計算を行う構成では、データが不完全な状態でディスクに書き込まれると、RAIDアレイ全体が破損するリスクも高まります。
↓停電後、TeraStationにトラブルが発生した際にはこちらの記事もご確認ください。
・瞬電(電力の一時的な低下)による挙動不良
瞬電とは、一瞬だけ電力が低下する現象で、短時間に発生するため気づきにくいものの、TeraStationの挙動に影響を与える可能性があります。瞬電によって一部のコンポーネント(HDD、電源ユニット、RAIDコントローラー)が誤動作を起こし、システムが正常に起動できなくなることもありえます。
・雷サージによるダメージ
雷の影響で発生する異常電流(雷サージ)がLANケーブルや電源ケーブルを通じTeraStationに流れ込むと、電源ユニットやマザーボードが故障し、最悪の場合は完全に動作不能になることもありえます。また、RAIDを構成している複数のHDDが同時に故障すると、データ復旧作業が困難になる事態に直結することもあります。雷サージは、一度の落雷で影響を受ける場合もあれば、繰り返しの電圧変動によって徐々に機器へ負荷がかかり、時間をかけて故障に繋がることもあり、注意が必要となります。
・TeraStation本体を落下させた
設置場所を変更する際にTeraStationを落下させると内部のHDDが故障し、ディスクの回転軸や磁気ヘッドがズレることでデータにアクセスできなくなることがあります。特に、動作中のHDDは非常にデリケートであり、わずかな衝撃でもヘッドクラッシュを引き起こすこともありえます。
・HDDの交換時の取り扱いミス
RAIDのリビルド作業中やHDD交換時に強い力でHDDを抜き差しすると、SATA・電源コネクタの破損やコントローラー基板の故障につながることがあります。また、HDDの交換時に静電気対策を怠ると、HDDやTeraStation内部の基板が帯電し、動作不良を引き起こす他、故障の原因になることもありえます。
・輸送、移動中の振動や揺れによる影響
新品のTeraStationを購入した際やオフィス移転などでNASを移動する時には、適切な梱包がされていないと輸送中の振動や揺れがHDDに影響を与え、プラッタのズレやヘッドの損傷が発生して、物理的に故障することがあります。特にRAIDが構成されたNASは、複数のHDDが動作のバランスを保っているため、1台でも異常が発生するとシステム全体の挙動に影響を及ぼすことが多いものです。
TeraStationが故障したと判断できる症状
TeraStationが故障した可能性がある場合には、いくつかの明確な兆候が現れます。これらの症状を把握しておくことで、早期に異常を検知し、データの消失やシステムの完全停止を未然に防ぐことが見込めるものです。以下では、TeraStationの故障が疑われる代表的な症状について詳しく説明していきます。
- 電源が入らない(起動しない)
- ネットワーク経由でアクセスできない
- 異音がする(カチカチ音・異常なファンの音)
- エラーコードやエラーメッセージが表示される
- データが消えた・読み込めない
- 再起動を繰り返す
- 動作が遅い
- LEDランプの色や点滅の仕方が異常
1.電源が入らない(起動しない)
TeraStationの電源ボタンを押しても起動せず、電源ランプが点灯しない、または一瞬光ってすぐ消える場合には、電源周りに何らかの異常が発生していると考えましょう。この症状は、電源ユニットの異常、ACアダプターの故障、または内部基板のトラブルが原因であることが多いものです。さらに、ファンが回転しない、HDDのスピンアップ音がしない時には、電源供給が完全に途絶えていることもありえます。
↓TeraStationが起動しない状況でお困りの方はこちらも参照下さい。
2.ネットワーク経由でアクセスできない
TeraStationは通常、LAN経由で接続してファイルの共有や管理の操作を行いますが、突然ネットワーク上で認識されない・Web管理画面にアクセスができない・共有フォルダにアクセスができないなどのトラブルが発生することがあります。このような状況で、TeraStation本体のLANランプが点灯・点滅していない場合は電源周りに問題が生じていると考えましょう。また、TeraStation本体のランプが赤色で点滅するなど、異常を示している場合にはネットワーク設定の異常や内部ソフトウェアに問題が生じている、内蔵HDDやSSDが物理的、機械的に故障していることが推測されるものです。その他、別のネットワーク機器(PCやルーター)は正常に動作しているにも関わらず、TeraStationだけが反応しない時には、本体のシステムがフリーズしている事もありえます。
↓共有フォルダにアクセスができない時にはこちらの記事もご確認ください。
3.異音がする(カチカチ音・異常なファンの音)
TeraStationの内部には複数台のHDDが搭載されており、通常はHDDの回転音やファンの動作音が聞こえる状態が正常です。しかしながら、以下のような異常な音が発生した時には、TeraStationが故障した兆候と考えましょう。
・カチカチ、カタカタなどの異常なHDDの音がする
TeraStationからカチカチ、カタカタなど異音が聞こえた際には内蔵HDDのヘッドが正常に動作していない・本来、接触する事の無いヘッドとプラッタが接触して、プラッタ内のデータを削っている音になるため注意が必要となります。TeraStationから異音が鳴った時には、HDDの機械的な故障(ヘッドクラッシュなど)が発生しているサインであることが大半であるため、データを失いたくない方はすぐにNAS本体の電源を切ることから始めましょう。通電し続けるだけでもどんどんデータは削り取られてしまいます。
※プラッタとはHDD内でデータが保存される円盤状の部品のことを指します。
※ヘッドとは、HDD内でプラッタからデータを読み取る為の針のような部品のことを指します。
・ブーンという異常なモーター音がする
TeraStationに内蔵されているHDDのスピンドルモーターに負荷がかかっているか、モーターが故障していることが考えられるものです。
・ファンの異常に感じる高速での回転音が聞こえる
ファンは正常に動作していると回っている音が聞こえますが、その音が高音・早い音になる場合には、冷却ファンが正常に動作していない、または内部の温度が異常に上昇している可能性があります。
・動作音が全くしない
TeraStationが正常に動作している場合にはHDDの回転音やファンが廻っている音が聞こえるものですが、何も動作音が聞こえない時にも注意が必要となります。HDDが動いていない場合にはヘッドとプラッタが癒着していることが大半で、この状態でTeraStationの電源を入れたままにしておくと無理にヘッドが動こうとするため、プラッタに傷や溝を作る他、データが入っている箇所そのものをえぐり取ってしまうことも起こります。また、ファンの動作音が聞こえない場合にもTeraStationの温度調節ができなくなるため、熱によって故障する事態に直結することもありえます。
4.エラーコードやエラーメッセージが表示される
TeraStationにはシステムの異常を通知する機能があり、液晶ディスプレイや管理画面にEから始まるエラーコードやエラーメッセージ、Iから始まるインフォメーションコードが表示される場合があります。これらのコードやメッセージは、HDDの故障、RAIDの異常、システムの不具合などを示していることがほとんどです。
↓TeraStationにエラーコードやエラーメッセージが表示された場合にはこちらも参照ください。
5.データが消えた・読み込めない
TeraStationに保存されていたファイルやフォルダが突然消えてしまった場合にも、システム障害やHDDに故障が発生していることが疑われる状況となります。
・具体的な症状例
フォルダやファイルが表示されない。 |
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共有フォルダ自体にはアクセスができるものの、一部のファイルが開けない、もしくは全てのファイルが見えていても開かない状態に陥る。 |
ファイルを開こうとすると「データが破損しています」などのエラーメッセージが表示される。 |
ファイルの一覧は表示されるが、実際に開くと空白になる。 |
※上記のような症状が出た時には、HDDに論理障害が発生している、HDDが物理的、機械的に故障している、RAID構成に不具合が生じていることが多く、放置するとデータが完全に失われる危険性が高まります。
6.再起動を繰り返す
TeraStationが勝手に再起動を繰り返す時には、電源周りや内部ソフトウェアに異常が出ていると考えた方が良いものです。特に、以下のような症状が見られる場合は注意が必要となります。
・具体的な症状例
電源を入れても、TeraStationが勝手に再起動される。 |
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数分おきにTeraStationが突然シャットダウンして、再起動が行われる。 |
TeraStation本体の電源ランプが点灯しているのに、起動処理がループして完了しない。 |
※このような症状が発生すると、データへのアクセスが困難になり、システムの安定動作に支障をきたすことになります。
7.動作が遅い
TeraStationの動作が通常よりも極端に遅い、ファイルの読み書きに時間がかかる、管理画面の操作が重くなる、ネットワーク経由の転送速度が著しく低下するなどの症状が現れた場合には、内蔵HDDが故障していることやRAID構成に問題が生じている可能性があります。
・具体的な症状例
TeraStation内のファイルを開くのに異常な時間がかかる。 |
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ネットワークドライブとしてマウントはできるが、アクセスが非常に遅い。 |
管理画面が応答しない、または開くまでに数分かかる。 |
※上記のような症状が出た場合には、TeraStationに内蔵されているHDDに不良セクタが増殖した・RAIDのリビルド中の負荷が増大した・システムのメモリ不足が原因であることが多いものです。
8.LEDランプの色や点滅の仕方が異常
TeraStationには、本体やHDDの状態を示すLEDランプが搭載されており、通常とは異なる点滅パターンが発生すると故障の危険性が高まります。
・具体的な症状例
赤色LEDが点滅している→システム異常やHDDエラーを示している。 |
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オレンジLEDが点灯している→ストレージの状態が警告レベルにある。 |
すべてのLEDが高速で点滅→システム上に重大なエラーが発生している。 |
このような異常が発生した場合には、システムが正常に動作していない可能性が高いため、速やかにTeraStation本体やHDDの状態を確認する必要が出てきます。
※TeraStationの故障を判断するための症状は多岐にわたります。電源が入らない、NASが起動しない、ネットワーク経由でアクセスできない、共有フォルダが開かない、異音がする、データが消えた、NAS本体が再起動を繰り返す、LEDランプの色や点滅の仕方が通常と違うなどの症状が見られた場合には、早急に状態を確認し、適切な対応を行うことが重要となります。
TeraStationが故障した場合の対処方法7選
TeraStationが突然故障すると、データにアクセスできなくなり、業務や日常に大きな支障をきたすことがあります。ここでは、TeraStationが故障した際に試せる具体的な対処方法を7つ紹介します。適切な対応を取ることで、データ損失を最小限に抑えられる可能性が高まります。
- 電源の確認とリセットを試す
- ネットワーク接続を確認する
- HDDの状態をチェックする
- 冷却ファンや内部の温度を確認する
- 管理画面の内容を確認する
- 初期化する
- 業者に相談する
1.電源の確認とリセットを試す
TeraStationが起動せず、故障が疑われる場合には、まずは、電源関連の問題を疑いましょう。電源周りが正常でないと、TeraStation自体が動作しなくなり、操作が一切できなくなってしまいます。
・確認したいポイント
電源ケーブルがTeraStationにしっかり接続されているか目視で確認する。 |
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別のコンセントや電源タップに接続し直す。 |
停電や過電流による影響がないか確認する。 |
本体の電源ボタンを長押ししてみる。(強制リセットができる機種もある) |
本体のLEDランプの状態を確認し、点灯・点滅パターンをチェックする。 |
・具体的な対処方法
- TeraStationの電源コードを抜き、5分程度待ってから再接続して起動を試す。
- 別の電源コードやアダプターがあれば交換してみる。
- UPSを使用している場合には、一度UPSを外して直接コンセントに接続する。
- TeraStationの電源ボタンを10秒以上長押しして強制的に電源を切り、再度電源を入れる。
1.TeraStationの電源コードを抜き、5分程度待ってから再接続して起動を試す。
一時的に電気的な不具合が生じたためにTeraStationが動作しなくなることもありえます。そんな時にはTeraStationの電源コードを抜いて、数分待ってから再起動を行う方法が簡単に試せる対処方法として挙げられるものです。この方法で問題が解決した場合にはTeraStationは故障していないと考えることができます。
※何度も再起動を試すことは避けましょう。HDDやSSDが故障したことが原因でTeraStationが正常に動作しなくなっていることも多く、例え1回でも再起動を試すことで機器に致命傷を与えてしまい、修理やデータ復旧の作業の難易度が上がる他、取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも起こりえるものです。データを失いたくない方は無理に試さないようにしましょう。
2.別の電源コードやアダプターがあれば交換してみる。
TeraStationが使用できなくなった場合には、別の電源コードやケーブル、他のアダプターに交換する方法も選択肢に挙がってきます。TeraStation本体の故障ではなく、ケーブルの断線や接触不良が原因である場合にはこの方法で問題の解決が見込めます。
※ケーブルやコード類が目視で断線していない、損傷していないような場合には交換を行っても問題が解決しないことの方が多いため、注意が必要となります。
3.UPSを使用している場合には、一度UPSを外して直接コンセントに接続する。
UPS(無停電電源装置)が故障している場合には、その影響でTeraStationが正常に起動しない状態に陥ることも少なからず、ありえます。そんな時にはTeraStationをUPSから外して再度、起動を試みる方法が有効な対処方法になりえるものです。
4.TeraStationの電源ボタンを10秒以上長押しして強制的に電源を切り、再度電源を入れる。
TeraStationの電源ボタンを10秒以上長押しして、強制終了を行い、再起動する方法を行うとTeraStation内のシステムも再起動するため、NAS本体が正常に動作可能な状態に戻る可能性があります。
※TeraStationの故障が疑われる・NASにアクセスができない・Eから始まるエラーコードやエラーメッセージ、Iから始まるインフォメーションコードが表示されている・ランプの色や点滅の仕方が異常な場合に強制終了を行うとそれだけでHDDが取り返しのつかないくらい壊れてしまうことも多く起こりえるものです。TeraStationのデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合には強制終了を行うことは止めておきましょう。少しでも困ったり悩んだりした際にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用してから試しても遅くはないものです。
2.ネットワーク接続を確認する
TeraStationがネットワーク経由で認識されない、共有フォルダにアクセスができないような場合には、ネットワークに問題が生じている可能性があります。ネットワーク環境の異常が原因であれば、TeraStationが故障していなくてもアクセスができない、正常に動作しない状態に陥ってしまいます。そんな時に試せる対処方法は下記になります。
・確認するポイント
LANケーブルがしっかり接続されているか |
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ルーターやスイッチングハブに異常がないか |
NAS Navigator2でTeraStationが認識されているか |
複数のデバイス(他のパソコンやタブレット、スマートフォンなど)からもTeraStationアクセスは可能か |
TeraStationのIPアドレスが競合していないか |
・具体的な対処方法
- 別のLANポートにケーブルを接続してみる。
- LANケーブルを交換してみる。
- ルーターやスイッチングハブを再起動する。
- TeraStationのIPアドレス設定を確認し、手動でアクセスしてみる。
- ネットワークの設定を初期化してみる。
1.別のLANポートにケーブルを接続してみる。
TeraStation内のデータにアクセスができない・共有フォルダが開かないなどのトラブルが生じて、NASの故障が疑われる時にはTeraStationやルーターのポートが故障している事も推測されるものです。そんな時には別のLANポートに接続する方法が簡単に試せる対処方法として挙げられます。
2.LANケーブルを交換してみる。
LANケーブルの断線や接触不良が原因で通信ができず、TeraStationが故障した?と誤認することもありえます。そんな時にはLANケーブルを交換してみる方法が自分で試せる対処方法になりえます。
3.ルーターやスイッチングハブを再起動する。
一時的なネットワーク障害が原因でTeraStationにアクセスができない、共有フォルダにアクセスができないような場合にはルーターやスイッチングハブを再起動する方法も試せます。
4.TeraStationのIPアドレス設定を確認し、手動でアクセスしてみる。
固定IP設定やDHCPの不具合がTeraStationの動作に悪影響を与えていることもありえます。TeraStationが起動できている場合にはIP関連の設定を見直してみましょう。
5.ネットワークの設定を初期化してみる。
TeraStationだけでなく、パソコンや複数のデバイスがネットワークに繋がらない時にはネットワークの設定を初期化する方法も選択肢に挙がってきます。しかしながら、この方法を実施するとTeraStation以外にも問題が出ることが大半であるため、元の設定内容に戻せるようにしてから試す様にしましょう。この対処方法を行うことで、IPアドレスやネットワーク設定の不具合を解消できることもありえます。
3.HDDの状態をチェックする
HDDが故障するとTeraStationが正常に動作しなくなることがあります。特にRAIDを構成している場合には、特定のHDDが故障するとRAID崩壊を引き起こす可能性があるものです。
・確認するポイント
HDDから異音(カチカチ・ガリガリ音)がしていないか |
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管理画面でHDDのステータスを確認できるか |
RAIDの状態が「異常」「崩壊」となっていないか |
HDDのアクセスランプが正常に点滅していないか |
・具体的な対処方法
- TeraStationの管理画面(Web設定画面)にアクセスし、HDDの状態を確認する。
- 異常があるHDDを特定し、可能なら交換する。
1.TeraStationの管理画面(Web設定画面)にアクセスし、HDDの状態を確認する。
TeraStationの故障が疑われる時には管理画面にアクセスしてHDDの状態を確認することも重要となります。S.M.A.R.T.情報から、HDDに異常がないかを確認する方法も選択肢に挙がってきますが、HDDが壊れかけている時に状態を確認しようとするとそれだけでHDDが完全に故障することが多いため、慎重な対応が求められるものです。
2.異常があるHDDを特定し、可能なら交換する。
TeraStationが正常に動作しなくなった場合に、RAID設定やHDDの故障具合によってはHDDを交換することでデータを復旧できることもあります。しかしながら、特定のHDDが故障した際には他のHDDも同様に故障しているか壊れかかっていることが大半で、HDDを安易に交換するとTeraStation内の全てのデータが失われる事態に直結することも多く、注意が必要となります。データを失いたくない方は無理に操作や作業を進めて後悔する前にプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。
※異音がする、エラーコードやエラーメッセージが出た時にはHDDは無理に交換しないことが重要となります。
4.冷却ファンや内部の温度を確認する
TeraStationは常時稼働する機器のため、熱によって故障することも多いものです。TeraStationが過熱した際にはパフォーマンスが低下し、突然シャットダウンすることもありえます。
・確認するポイント
TeraStation本体が異常に熱くなっていないか |
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冷却ファンが正常に動作しているか |
エアフローが確保されているか |
温度上昇時に警告が出ていないか |
・具体的な対処方法
- 本体を電源オフにし、冷却が十分にされる環境に移動させる。
- 必要に応じて、外部冷却ファンを設置する。
1.本体を電源オフにし、冷却が十分にされる環境に移動させる。
TeraStationが高温になって、正常に動作せず、故障が疑われる時にはNAS内のファンにホコリが溜まっていることも推測されるものです。そんな時にはTeraStation本体の電源を切り、設置場所を涼しい所にする、ファンの掃除を行う方法などが自分で試せる対処方法として挙げられます。
2.必要に応じて、外部冷却ファンを設置する。
TeraStationなどの精密機器は直射日光の当たらない場所に設置することが推奨されますが、 温度管理を適切に行うためには、外部冷却ファンを活用する方法も機器の故障を防ぐための有効な手段になりえます。
5.管理画面の内容を確認する
TeraStationの故障が疑われる場合に管理画面にアクセスできる時には、システムのログやエラーコード、エラーメッセージを確認することで、問題が発生している原因や箇所を特定するのに役立ちます。
・確認するポイント
管理画面にアクセスできるか(WebブラウザやNAS Navigator2を使用) |
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Eから始まるエラーコードやエラーメッセージ、Iから始まるインフォメーションコードが表示されているか |
RAIDのステータスに異常がないか |
システムの動作ログを確認し、異常動作の兆候がないか |
・具体的な対処方法
- 管理画面にログインし、システムログを確認する。
- エラーコードやエラーメッセージに対応した対策を行う。
- ファームウェアの更新が可能であれば試す。
- RAIDの状態が「異常」や「崩壊」になっている場合は、専門の修理・復旧業者に相談することを優先する。
1.管理画面にログインし、システムログを確認する。
TeraStationが故障した?と思った時には、管理画面にログインして障害の発生時刻やEから始まるエラーコードやエラーメッセージ、Iから始まるインフォメーションコードの表示が無いか確認しましょう。Eから始まるエラーコードやエラーメッセージ、Iから始まるインフォメーションコードが表示されている時には写真に撮ったり、メモに取ったりすることが重要となります。
2.エラーコードやエラーメッセージに対応した対策を行う。
TeraStationに表示されるエラーコードやエラーメッセージ、インフォメーションコードは問題の発生源や故障箇所を特定するための重要な情報となります。エラーコードやエラーメッセージ、インフォメーションコード別に対処方法は異なるため、どのようなエラーコードが表示されているか、複数表示されていないかも確認しておきましょう。
・TeraStation内でHDDが故障した際に表示されるエラーコード、エラーメッセージ例
エラーコード | エラーメッセージ |
---|---|
E07 | HD ALL E07 All HD Not Found |
E13 | RAID Error E13 ARRAYx Error |
E14 | RAID Arrayx E14 Can’t Mount |
E15 | HDx Error E15 Many Bad Sectors |
E16 | HDx Error E16 HDx Not Found |
E22 | HDx Error E22 HDx Can’t Mount |
E23 | HDx Error E23 HDx Is Faulty |
E30 | HDx Broken E30 Replace the DISK |
EM | EMERGENCY MODE NO ARRAY INFO |
・TeraStation内でHDDに不良セクタが増殖したことを知らせるエラーコード、エラーメッセージ例
エラーコード | エラーメッセージ |
---|---|
I11 | HDx Warning I11 Bad Sectors |
I12 | Operation Mode I12 DEGRADE MODE |
※上記のようなエラーコードやインフォメーションがTeraStationに表示された際に放置するとデータの読み書きができなくなり、最悪の場合にはデータが消失する危険性が急激に高まるため注意が必要となります。TeraStation内のデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合には手を止めてプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。最善の対処方法にもなりえます。
↑TeraStationにエラーコードが表示されてお困りの方は該当する番号をクリックしてください。エラーコード別の対処方法もそれぞれ紹介しています。
3.ファームウェアの更新が可能であれば試す。
古いファームウェアによる不具合が原因でTeraStationの動作が不安定になることもありえます。しかしながら、TeraStation内でHDDが少しでも物理的、機械的に故障しているような場合にファームウェアの更新を行うとHDDの状態が悪化する他、取り返しのつかないくらい故障してしまうことも多く起こりえるものです。故障が疑われるTeraStationに対してデータを失いたくない方はファームウェアの更新はすぐに実施しないようにしましょう。
4.RAIDの状態が「異常」や「崩壊」になっている場合は、専門の修理・復旧業者に相談することを優先する。
RAIDの状態が正常ではない場合には個人で対応することは難しい障害が発生していることがほとんどです。電源の入り切りや再起動など簡単にできることを試しただけでも状態は重篤化するため、早めにデータ復旧業者に相談することを優先した方が良いものです。
6.初期化する
TeraStationの設定が破損し、正常に動作しない場合には、初期化を行うことで問題が解決することがあります。ただし、初期化を行うとTeraStation内のすべてのデータが消去されるため、慎重な対応が求められます。
・確認するポイント
初期化する前に本当にデータが無くなっても良いか(バックアップは万全か) |
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設定のバックアップを保存できるか(設定データをエクスポートできるか) |
初期化後の再設定に必要な情報(ネットワーク設定、RAID設定など)を準備しているか |
・具体的な対処方法
- ソフトウェアリセットを試す。
- ハードウェアリセットを行う。
- 初期化後、TeraStationの設定を再構築する。
1.ソフトウェアリセットを試す。
TeraStationが故障した際に中のデータが不要な方は管理画面から「初期化」オプションを選択し、最小限の影響で復旧を試みることも選択肢に挙がってきます。
2.ハードウェアリセットを行う。
TeraStationが故障した場合には本体のリセットボタンを使用してNASを工事出荷時の状態に戻す方法もデータを失って良い・どうにか自分で修理できるか試したい場合には有効な対処方法になりえます。
3.初期化後、TeraStationの設定を再構築する。
TeraStationを初期化した後にはネットワーク設定やRAIDの再設定を行い、TeraStationが動作可能な状態に戻っているか確認してみましょう。
※TeraStationが故障して使用ができなくなった場合にデータを失いたくない方は初期化する方法は試さないように注意しましょう。万が一、誤ってTeraStationや内蔵HDD、SSDを初期化してしまった場合には個人では対処が難しい状態に陥ってしまいます。電源の入り切りやケーブルの抜き差しを試す、機器を使い続けようとするだけでもどんどんデータは上書きされ元のデータは無くなっていきます。初期化したTeraStationからデータを取り戻したいと思った時には専門家に相談することを優先しましょう。
7.復旧業者に相談する
TeraStationが故障した場合にはEから始まるエラーメッセージやエラーメッセージ、Iから始まるインフォメーションコードが表示される、共有フォルダにアクセスができない、NASが起動しない、ランプが点灯しない、ランプの色や点滅の仕方がいつもと違う状態になるなど、TeraStationが使えなくなるため、慌ててしまうことも多いものです。少しでも悩んだり困ったりした際には手を止めてプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することが問題解決への近道になります。
データ復旧の専門業者に相談した場合には深い専門知識と高度な技術力、経験値を持って、TeraStationに生じた障害の種類(物理や論理、もしくはその両方)・障害の程度(軽度、中度、重度)・故障箇所の特定を行った上で適切な対応が可能となります。
・データ復旧業者の選び方
TeraStationが故障した?と思われる症状が出た際に早く安く確実にデータを取り出したいと考えた時には復旧業者選びが重要となります。どこのデータ復旧業者を選べば良いのか悩んだ時には下記の様な項目をチェックしましょう。困らずに済みます。
- 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
- 復旧、修理に要するスピードや対応が早い
- 料金プランや復旧費用例がホームページに記載されている
- クリーンルームなど専用環境下で復旧・修理作業を行っている
- 情報の守秘義務・セキュリティ管理が万全
- 復旧実績・復旧事例の有無
故障が疑われる、使用ができなくなったTeraStation内のデータが大事・早く問題を解決したい・ファイルやフォルダが取り出せないと困る・業務への支障を最小限に留めたい・復旧料金が気になる・費用を抑えて復旧したい等、1つでも頭に浮かんだ場合には、アドバンスデータ復旧の無料相談を利用することを検討しましょう。アドバンスデータ復旧は1から6の項目、全てを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復旧・修理作業を行う事から、迅速な対応と低価格でのデータ復旧サービスを実現しています。TeraStationやLinkStationなどのNASやRAID機器、パソコン、HDD、SSD、USBメモリ、SDカード、CFカード、ビデオカメラなど様々な機種に対して復旧・修理実績も多くあり、安心です。
TeraStationが故障した場合の修理とデータ復旧対応について
TeraStationが故障した時には、データの重要度に応じて「修理」と「データ復旧」のどちらを優先するか判断する必要が出てきます。
- データが不要な場合は修理を優先する
- データの取り出しを希望する場合はデータ復旧を優先する
- 修理とデータ復旧の判断基準
1.データが不要な場合は修理を優先する
故障したTeraStation内のデータが不要な場合には、修理を優先できます。ただし、修理の専門業者やメーカー、購入店にNASを修理に出すと保存されているデータは完全に消去されるため、必要なデータがTeraStation内にある場合は修理よりもデータ復旧作業を行うことを優先しましょう。
・TeraStationを修理する場合の注意点
メーカーや専門の修理業者での修理対応では、TeraStation内のストレージを初期化することが前提となります。HDDを交換する際にも、元のデータは復旧されない・保証されない修理対応となるため、注意しましょう。修理作業が完了した後にRAID構成を再設定する際にも以前のデータは消去されてしまいます。
↓TeraStationの修理を行いたいと思った時にはこちらの記事もご確認ください。
2.データの取り出しを希望する場合はデータ復旧を優先する
TeraStationが故障した際にデータの取り出しを希望する場合には、データ復旧の対応が必要になります。重要なデータがTeraStationに入っている・ファイルやフォルダが無くなったり取り出しができなくなったりしたら困る・TeraStation内には業務で使っているファイルやフォルダを保存している・TeraStationは複数人で使っている・バックアップが無い、もしくは不完全な場合にはTeraStationの修理よりも復旧作業を優先するようにしましょう。
・データ復旧を優先した方が良いケース
RAIDが崩壊している:RAID1、RAID5、RAID6、RAID10などの環境でHDDが複数台故障している、もしくは故障が疑われる状況。
HDDが認識されない:HDD自体の故障の可能性が高い。
エラーコードやエラーメッセージが表示される:TeraStationの電源の入り切りや再起動、ファームウェアのアップデートなどを実施すると故障の状態が重篤化してしまう。
3.修理とデータ復旧の判断基準
データが不要な場合→修理を優先。ただし、修理業者やメーカーにTeraStationを修理に出した場合にはデータは完全に消去される。 |
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データが必要な場合→先にデータ復旧の業者に相談する。その後、修理を検討する。 |
TeraStationが故障した際には、データの重要性を考えて修理もしくは、復旧対応のどちらを先に行うか判断する必要が出てきます。
↓TeraStationからデータを取り出したい・復旧したいと考えた場合にはこちらも参照ください。
TeraStationが故障した際にやってはいけないこと
TeraStationが故障した時には、適切な対処を行わないと修理やデータ復旧作業が困難になったり、状態がさらに悪化したりすることも多く起こりえるものです。そのため、以下のような行為は行わないように注意しましょう。
- HDDを無理に抜き差しする
- 初期化やリカバリーをすぐに実行する
- 故障したTeraStationおよびHDDに対して通電を続ける
- RAIDの再構築を安易に行う
- HDDの抜き差しや順番の変更を行う
- ファームウェアの更新を試みる
- 市販のデータ復旧ソフトを無計画に使用する
- 物理的な修理を自己判断で行う
1.HDDを無理に抜き差しする
RAIDを構築しているTeraStationに故障が疑われる症状が出た、通常の動作ができなくなった時には、HDDを安易に取り外すとRAID崩壊を引き起こす可能性があります。特に、HDDが一部故障している、壊れかかっている時に無理にHDDを取り外すと、システム全体が起動しなくなる、全てのデータが失われる事態に直結することもありえます。TeraStationにアクセスができない、NASが起動しない、エラーコードやエラーメッセージが表示されるなど、少しでもTeraStationの故障が疑われる症状が出た際には慎重な対応が求められるものです。
2.初期化やリカバリーをすぐに実行する
TeraStationの管理画面、NAS Navigator2にアクセスができる場合でも、すぐに初期化やリカバリーを行わないように注意しましょう。初期化やリカバリー作業を安易に行うとTeraStation内のすべてのデータが完全に消去され、修理や復旧対応が困難な状態に陥ることもありえます。特に、誤って初期化を実行すると、上書きされたデータは一般的な方法では復旧できなくなります。TeraStationが故障した?と考えるトラブルが発生した際にデータを失いたくない場合には、初期化や修理作業を行う前にプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。
3.故障したTeraStationおよびHDDに対して通電を続ける
TeraStationにアクセスができない、NASが起動しない、エラーコードやエラーメッセージが表示される、異音が鳴る、HDDが認識されない、ランプが赤点滅になるなどの不具合が出てTeraStation本体やHDDの故障が疑われる際に通電し続けると、障害が悪化して修理やデータ復旧作業の難易度が急激に高まります。特にHDDが少しでも物理的、機械的に故障しているような場合に通電し続けると物理的な破損が進行してしまいます。故障したTeraStationから早く安く確実にデータを取り出したいと考えた際にはNAS本体の電源を切り、早めに専門家に相談することを優先しましょう。
4.RAIDの再構築を安易に行う
TeraStationや内蔵HDDが故障した際にRAIDの構築(リビルド)を安易に実行すると、元のデータが完全に上書きされ、復旧が困難になることがあります。特に、RAID5やRAID10などの環境では、データの一部が複数のディスクに分散しているため、RAIDの再構築を行うだけで元のファイル構造が破壊されることも多く起こりえます。TeraStationや内蔵HDDが故障した場合にデータが必要な時には、RAIDの再構築を試す前にプロの復旧業者に相談することが推奨されるものです。
5.HDDの抜き差しや順番の変更を行う
TeraStationでRAIDを構築している場合に、HDDの抜き差しや順番を変更すると、RAIDが認識されなくなる他、ファイルシステムが破損する、データが意図しない形で上書きされることも多く起こりえるものです。特に、TeraStationのRAID管理はHDDのスロット情報に依存しているため、抜き差しや順番を入れ替えるとシステムが誤作動を起こす危険性も高まります。TeraStationが正常に動作しなくなった際にデータを失いたくない方はNASの電源を切り、触らないようにすることが最善の対処方法にもなりえます。
6.ファームウェアの更新を試みる
TeraStationの故障時にファームウェアの更新を安易に行うと、状況が悪化することが大半で、注意が必要となります。特にTeraStationが壊れかかっている、HDDが故障している、システムが不安定な状態でファームウェアを更新すると作業が途中で停止する、失敗することがほとんどで、ファームウェアの更新を行ったためにTeraStationが完全に起動しなくなる危険性も高まるものです。ファームウェアの更新は、問題が発生していない安定した状態でのみ、行いましょう。
7.市販のデータ復旧ソフトを無計画に使用する
TeraStationでRAIDを構築しているデータは特殊なアルゴリズムで保存されているため、一般的な復旧ソフトでは正しく解析できず、データが破損する恐れがあります。また、TeraStationの故障が疑われる時には物理障害が生じていることが大半であるため、ソフトの機能自体が使えないことが大半です。故障したTeraStationから早く安く確実にデータを取り出したい場合には復旧業者に相談することを優先しましょう。
8.物理的な修理を自己判断で行う
TeraStationの分解や基板の修理を自己判断で行うと、元に戻せなくなるリスクがあります。特に、NASは精密機器であり、内部のケーブルや基盤に損傷を与えると、修理対応がより困難になることも多く起こりえるものです。
TeraStationや内蔵HDDに物理的な故障が疑われる場合は、専門の修理・データ復旧業者に相談して適切な対応を踏むことが重要となります。
※故障したTeraStationや内蔵HDD、SSDから早く安く確実にデータを取り出すには深い専門知識や高度な技術力、経験値を持った技術員がクリーンルームなどの専用環境下で修理および復旧作業を進める必要が出てきます。人間の手術を専用の手術室で専門の医師が行って初めて成功するのと同じイメージです。TeraStationや内蔵HDD、SSD、基板が故障した際にNAS内のデータを失いたくない方は自力でディスクの開封や分解、修理作業を行う他、クリーンルームなど専用環境下で作業ができない出張業者に修理を依頼するようなことは止めておきましょう。
TeraStationの故障を防ぐための予防策
TeraStationは重要なデータを保存するNASの1つであり、突然の故障は業務や個人のデータ管理に大きな影響を与える可能性があります。故障を未然に防ぐためには、日頃の適切な管理とメンテナンスが重要となります。ここでは、TeraStationの長期的な安定運用を実現するための予防策を詳しく解説します。
- 定期的にバックアップを取る
- UPSやサージプロテクターを活用する
- ファームウェアを最新の状態に保つ
- 設置環境の見直し(熱対策)
1.定期的にバックアップを取る
TeraStationはRAID構成によるデータ保護機能を備えていますが、それだけでは完全にデータを守ることはできません。HDDの物理的な故障やRAID崩壊、システムエラーなどが生じると、データを復元できない可能性が出てきます。そのため、定期的なバックアップを行い、万が一の事態に備えることが重要となります。
・バックアップのポイント
外部ストレージやクラウドなどを活用して二重でバックアップを取る。 |
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外付けHDDやSSDを用いたローカルバックアップを行う。 |
クラウドストレージ(Google Drive、Dropbox、AWS S3など)を活用する。 |
自動バックアップの設定を行う。 |
バッファロー製品にはバックアップ機能が搭載されているため、スケジュールを設定し定期的にバックアップを実行する。 |
別のNASやファイルサーバーへミラーリングバックアップを実施する。 |
バックアップが正常に保存されているか、定期的にチェックする。 |
※バックアップを取っておけば、万が一TeraStationが故障した場合でも、データ損失を最小限に抑えられるものです。
2.UPSやサージプロテクターを活用する
突然の停電や雷サージ(雷による電圧変動)は、TeraStationが故障する原因になる大きな要因の1つです。これを防ぐためには、UPS(無停電電源装置)やサージプロテクターの導入が有効な対処方法になりえます。
・UPSをTeraStationに導入するメリット
停電時でもTeraStationやパソコンを安全にシャットダウンできる。 |
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電圧変動によるHDDや電源ユニットの損傷を防ぐことが見込める。 |
突然の電源断によるRAID崩壊やファイルシステム、データ、ファームウェアの破損を回避できる。 |
・サージプロテクターを使うメリット
雷が落ちた際の瞬間的な電圧上昇(サージ電流)を抑制し、TeraStationなどの電気機器の故障を防げる。 |
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UPSだけではサージ対策が不十分な場合もあるため、サージプロテクターと併用することでより確実に停電や雷によるTeraStationの故障リスクを大幅に軽減できる。 |
3.ファームウェアを最新の状態に保つ
TeraStationのファームウェアは、バグ修正やセキュリティ強化、新機能の追加などの目的で定期的に更新されるものです。そのため、ファームウェアを最新の状態に保つことで、TeraStationなどの機器は安定した動作を維持することができ、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
・ファームウェアを更新する際のポイント
TeraStationに不具合が出ていない時に更新する。(トラブルが発生した後にファームウェアの更新を行うことは危険、) |
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ファームウェアの更新作業中にエラーが発生する事が多いため、重要なデータのバックアップを取っておく。 |
データ転送中やRAIDのリビルド中にファームウェアの更新を行うと、システムが不安定になる恐れがあるため、使用頻度が低い時間帯に実施する。 |
TeraStationの設定でファームウェアの自動更新を有効にすることで、最新の状態を維持する。 |
4.設置環境の見直し(熱対策)
TeraStationは長時間稼働する機器のため、適切な設置環境を維持することが重要となります。特に、熱がこもる環境ではHDDの寿命が短くなって故障する、システム全体の動作が不安定になる可能性があります。
・適切な設置環境のポイント
壁際や狭い棚の中など、通気が悪い場所は避け、TeraStationは風通しの良い場所に設置する。 |
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夏場の高温環境や、エアコンの風が直接当たる場所も避ける(直射日光や高温多湿の環境を避ける) |
冷却ファンや通気口にホコリが溜まると排熱効率が下がるため、エアダスターなどで清掃する。 |
HDDの温度が高くなりやすい場合は、冷却用のファンを追加する。 |
※適切な設置環境を維持することで、TeraStationの故障リスクを低減し、長期間安定して運用することが期待できるものです。
TeraStationのシリーズと型番例
TeraStationのシリーズや型番、主な特徴をまとめました。
シリーズ | 型番(例) | HDD搭載数 | RAID対応 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
TS6000シリーズ | TS6400RN, TS6800DN | 4~8台 | RAID 0/1/5/6/10 | エンタープライズ向け、高性能モデル |
TS5000シリーズ | TS5200DN, TS5400DN, TS5800DN | 2~8台 | RAID 0/1/5/6/10 | ビジネス向け、高速CPU搭載 |
TS3000シリーズ | TS3200DN, TS3400DN | 2~4台 | RAID 0/1/5/10 | 中小企業・個人向け、手頃な価格 |
TS7000シリーズ | TS7200DN, TS7400DN | 2~4台 | RAID 0/1/5/6/10 | 企業向けの高耐久モデル |
TS500シリーズ | TS5210DN, TS5410DN | 2~4台 | RAID 0/1/5/6/10 | 10GbE対応のビジネスモデル |
TS1400シリーズ | TS1400DN | 4台 | RAID 0/1/5/10 | コストパフォーマンス重視の小規模向けモデル |
上記は一例になります。アドバンスデータ復旧ではTeraStationのシリーズ、型番を問わず、修理・データ復旧対応が可能です。
まとめ、万が一困った時には
TeraStationが故障した場合には、適切な対応を取り、データ損失や業務への影響を最小限に抑えるように尽力しましょう。まずは、基本的なチェックを行い、問題の発生源を特定することが重要となります。しかしながら、TeraStationが正常に動作しなくなった時には内蔵HDDやSSDが物理的、機械的に故障していることが大半で、すぐに電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差しなどを行うと状況が重篤化して、最悪の場合にはデータが完全に消失してしまう事も多く起こりえるものです。
TeraStationにアクセスができない・NASが起動しない・共有フォルダにアクセスができない・エラーコードやエラーメッセージが表示される・ランプがいつもと違う色や点滅の仕方になるなどの症状が出た際にはデータが入っている内蔵HDDやSSDが物理的・機械的に故障していることが大半で、データを失いたくない方は手を止めてプロのデータ復旧業者に相談することを優先しましょう。問題解決への近道になりえます。アドバンスデータ復旧はTeraStationに生じる様々なトラブルに対して復旧実績も多くあり、安心です。万が一、困った時には連絡してみてはいかがでしょうか。