TeraStationに寿命の前兆?データを守るために知っておきたい対処法

TeraStationに寿命の前兆?データを守るために知っておきたい対処法 TeraStationに寿命の前兆?データを守るために知っておきたい対処法

TeraStationは企業や小規模な組織でのファイル共有やバックアップ用途として幅広く利用されている信頼性の高いNAS(ネットワークハードディスク)の1つです。しかしながら、どんなに優れたNASであってもいつかは寿命を迎えてしまいます。TeraStationは長期間に渡って24時間稼働し続けることが大半で、内蔵HDDやファン、基板などの部品は確実に劣化していきます。
実際、TeraStationに寿命が近づくと「NASが起動しない」「共有フォルダにアクセスができない」「エラーコードやエラーメッセージが表示される」「管理画面に入れない」などのトラブルが突然発生して、大事なデータが使えなくなる事も珍しくありません。
本記事では、TeraStationの寿命の目安や寿命が近づいた際に見られる代表的な兆候、そして【大切なデータを失わないための適切な対処法】まで、わかりやすく解説していきます。

目次

寿命の前兆チェック: TeraStationでこんな症状が出たら要注意


TeraStationは寿命の前兆がわかりにくい事が多いものの、内部では確実に劣化が進行しています。そして、TeraStationに寿命が近づいた際には、いくつかの「前兆」が現れるものです。これらのサインに早く気付いて適切な対応を取ることが、データを安全に守るための鍵となります。

  1. 起動しない・電源が入らない
  2. 共有フォルダにアクセスできない
  3. エラーコードやエラーメッセージが表示される
  4. 異音が聞こえる
  5. ファイル転送が極端に遅くなる
  6. RAID再構築が進まない・完了しないなど異常が起きることも
  7. NAS Navigator2にTeraStationが表示されない

1.起動しない・電源が入らない

電源ボタンを押してもTeraStationが起動しない、電源が入らない、再起動を繰り返すなどの症状が出た際には、内蔵HDDやSSDの故障、基板の損傷などが疑われる状態となります。このような症状は、突然起こることも多く、電源ボタンを何度も押したりケーブルの抜き差しなどを繰り返したりすると、状況が悪化する危険性が高まります。

2.共有フォルダにアクセスできない

ネットワーク上でTeraStation自体は認識されているのに、共有フォルダにアクセスできない状態は、HDDやSSDの故障、RAID構成に異常が出ている、ファイルシステムが損傷している可能性があります。無理に使用を続けようとするとデータが意図しない形で上書きされる、ディスクの損傷具合が進む、故障本数が増えるなどデータが失われる事態に直結することも多く、注意が必要となります。

↓共有フォルダにアクセスができなくなった時にはこちらの記事もご確認ください。

3.エラーコードやエラーメッセージが表示される


TeraStationに寿命が近づいてきた、またはすでに問題が発生している時には液晶画面にEから始まるエラーコードが表示されることがあります。また、NAS Navigator2の画面やメール通知にも、HDDのエラーやRAID障害、ファンの異常などが記載されることもありえます。これらのメッセージを見逃さず、早めに対応することが重要です。

・TeraStation内でHDDが故障した際に表示されるエラーコードおよびエラーメッセージ例

エラーコード エラーメッセージ
E07 HD ALL E07
All HD Not Found
E13 RAID Error E13
ARRAYx Error
E14 RAID Arrayx E14
Can’t Mount
E15 HDx Error E15
Many Bad Sectors
E16 HDx Error E16
HDx Not Found
E22 HDx Error E22
HDx Can’t Mount
E23 HDx Error E23
HDx Is Faulty
E30 HDx Broken E30
Replace the DISK
EM EMERGENCY MODE NO ARRAY INFO

・TeraStationのファームウェアが損傷した際に表示されるエラーコードおよびエラーメッセージ例

エラーコード エラーメッセージ
E04 SYSTEM Error 04
Can’t Load Kernel
E06 TFTP MODE E06
Lost boot image

・TeraStation内でHDDに不良セクタが増殖したことを知らせるエラーコードおよびエラーメッセージ例

エラーコード エラーメッセージ
I11 HDx Warning I11
Bad Sectors
I12 Operation Mode I12
DEGRADE MODE

↑TeraStationにトラブルが発生した際にエラーコードやエラーメッセージが表示された場合には各エラーコードをクリックしてください。エラー別の対処方法もそれぞれ紹介しています。

↓TeraStationに表示されるエラー内容については、下記記事でも詳しく解説しています。

4.異音が聞こえる

TeraStation内でデータが保存されているHDDに寿命が近づくと、通常とは異なる音が発生することがあります。TeraStationから異音が鳴った時には物理的な故障が生じていることがほとんどで「音が止んだから直った」と誤解すると、後戻りできない状態に陥ることがあります。異音が出た時点で、速やかに使用を中止することを優先しましょう。

↓TeraStationから異音が鳴った時はこちら

5.ファイル転送が極端に遅くなる

日常的に利用していたスピードでの転送が急に遅くなった場合には、TeraStationに搭載されているHDD内部で不良セクタが増えていたり、RAID構成の一部でエラー訂正が多発していたりする可能性があります。ファイルの転送遅延が起きた時には重大なトラブルが発生する兆候だったり、寿命が近づいているサインだったりすることも多いため放置することは止めておきましょう。

6.RAID再構築が進まない・完了しないなど異常が起きることも

TeraStationで採用されるRAIDの種類によっては、HDDの1台が故障しても冗長性によってデータを保持できる仕組みですが、HDDが1台故障した場合には他のディスクも同様に故障している、もしくは壊れかかっていることが大半です。TeraStationに寿命が近づいている、すでに寿命を迎えている時にはHDDの交換を行った際に自動的に実施されるRAIDの再構築(リビルド)が失敗する、終わらないなどのトラブルが発生し、RAIDの再構築が正常に完了しなかったような場合には全てのデータが失われる事態に直結することもありえます。自発的にRAIDの再構築を行った場合にもTeraStationに寿命が近づいている時には失敗することが多いものです。データを失いたくない方はHDDの故障が疑われる、TeraStationにアクセスができない、TeraStationが起動しない、エラーメッセージが表示される等の症状が出た時には安易にHDDの交換およびRAIDの再構築は行わないようにしましょう。

7.NAS Navigator2にTeraStationが表示されない

TeraStationが起動しているにも関わらず、NAS Navigator2に表示されない時にはネットワーク接続の不具合やソフトウェア上の問題発生、ハードウェアの故障によるNASの寿命など、さまざまな原因が考えられるものです。
このような症状が現れた際には、まずネットワーク接続や設定を確認して、問題が見当たらない場合は、ハードウェアの故障を疑い、作業や操作を止めることが重要です。

※TeraStationの寿命の前兆を見逃さず、慎重に対応することが、データ消失という最悪の事態を防ぐための第一歩となるものです。
※上記のようなサインが1つでもTeraStationに生じた場合には、「まだ使えるから」と軽視せず、NAS本体の電源を切るなど機器の使用を一時的に止めて、プロのデータ復旧業者に相談するなどの初動が重要となります。

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TeraStationの寿命を縮める主な要因


TeraStationの寿命は「何年使ったか」だけで決まるものではありません。運用環境や使い方によって、寿命を大きく縮めてしまうこともあります。ここでは、TeraStationが寿命を迎える主な原因や注意点を詳しく解説していきます。

  1. 24時間連続稼働による部品の摩耗
  2. 高温多湿な場所での使用
  3. ホコリの蓄積による冷却性能の低下
  4. 停電・瞬電によるダメージ
  5. 大容量データの頻繁な読み書き
  6. 設定や使い方の問題

1.24時間連続稼働による部品の摩耗

TeraStationは基本的に24時間365日稼働できるように設計されていますが、HDDやファンなどの可動部品はその分、他の機器、例えば外付けHDDやパソコン内蔵のHDDと比べて摩耗が早まる傾向にあります。特にHDDが稼働する際には高速で回転するため、数年で不良セクタの増加、ヘッドの故障、プラッタの損傷などが発生することもありえます。TeraStationに寿命が来る=HDDの寿命であることが大半で、その際にはデータが失われる危険性が高まっている状態となることが多いものです。

↓HDDの寿命が疑われる時にはこちらも参照ください。

2.高温多湿な場所での使用

TeraStationを設置している部屋の温度・湿度が高いと、基板やHDDの劣化が急速に進行します。特に夏場に室内の温度が40℃近くになるとHDD内部の温度が50℃を超えることもあり、故障率が一気に高まるものです。TeraStationはそもそも随時稼働し続けることが前提の機器であり、熱が籠りやすい傾向にもあります。そのため、TeraStationを通気の悪い場所や直射日光の当たる所に置くようなことは止めておきましょう。

3.ホコリの蓄積による冷却性能の低下

TeraStation本体にホコリが溜まると、ファンや通気口が塞がれて排熱がうまくいかなくなります。結果として筐体内部の温度が上昇し、HDD・基板などの部品が過熱によって劣化する他、寿命が短くなることもありえます。そのため、TeraStationなどのNASは年に1から2回は外装の掃除を行い、ホコリが溜まりにくい環境で運用することが好ましいものです。

4.停電・瞬電によるダメージ

瞬時の電圧変動(瞬電)や停電は、TeraStationに内蔵されているHDDやRAID構成にダメージを与える要因として挙げられます。データの書き込み中に電源が落ちると、RAID情報やファイルシステムが破損しやすく、通電後にTeraStationが起動できなくなる事も起こりえます。UPS(無停電電源装置)の導入が効果的な対処方法として挙げられますが、UPSがあっても停電や瞬電によってTeraStationが物理的・機械的に故障する、突然、寿命を迎えることも多いため注意が必要となります。停電の後や雷が鳴った後にTeraStationにトラブルが生じた際には重篤な障害が発生していることも多く、データを失いたくない場合にはNAS本体の電源を切ることを優先した方が良いものです。

↓停電後、TeraStationにトラブルが発生した際にはこちらの記事もご確認ください。

5.大容量データの頻繁な読み書き

動画データやバックアップなどの大容量ファイルを頻繁に読み書きすると、TeraStation内でHDDに大きな負荷がかかり、寿命が短くなる傾向があります。特に同じディスクに対して連日、大量の書き込みを行っていると、アクセスエラーや読み取り不良を引き起こす原因にもなりえます。

6.設定や使い方の問題

TeraStationに対して接続台数の多い状態で使い続ける・不要な設定をONにしている等、TeraStationの処理能力を超えて負荷がかかる状態の時には、異常な動作が生じることがあります。また、ファームウェアの更新を怠った場合やファームウェアの更新に失敗した時には障害の発生率が高まる他、データが意図しない形で上書きされることも起こりえます。

※TeraStationの寿命を縮める原因の多くは、ちょっとした配慮や予防策で回避できることが多いものの、TeraStationや内蔵HDD、基板は精密機器の1つでもあり、ある日突然壊れる・寿命を迎える事もあるため注意が必要となります。

TeraStationの寿命の前兆に気付いた場合のデータ保護方法


TeraStationに寿命の兆候が現れた際に最も優先したいことは「データの保護」です。ハードウェアの修理やNAS本体の買い替えよりもまずは、データを失わないために初動対応が重要となります。以下では、具体的な対処方法を紹介していきます。

  1. 無理に電源を入れ直さない
  2. ケーブルの抜き差しや再起動を控える
  3. NAS Navigator2やエラー内容を確認する
  4. HDDの交換は慎重に検討する
  5. 自己判断で初期化やRAID再構築を行わない
  6. 復旧業者に相談する

1.無理に電源を入れ直さない

TeraStationが起動しない、アクセスできない、エラーコードやエラーメッセージが表示される、異音がする、管理画面に入れない、設定変更ができない等の症状が出た場合でも、電源の入れ切りを繰り返すことは避けましょう。電源の入り切りを試しただけでHDDの故障具合が悪化して、復旧可能だったデータが完全に消失する危険性も高まるものです。また、TeraStationおよび内蔵HDDに寿命が近づいているような時に通電し続ける、電源を切らずにいるとそれだけで状態が重篤化することもありえます。

↓TeraStationにアクセスができない状況でお困りの方はこちらも参照ください。

2.ケーブルの抜き差しや再起動を控える

LANケーブルや電源ケーブルの抜き差し、機器の再起動は、一見有効な対処方法に思えるかもしれませんが、寿命が近いNASに対しては行うとかえって悪化の引き金になります。ケーブルの抜き差しや再起動によってRAID構成が破損する、データが意図しない形で上書きされる等、TeraStationに保存している全てのデータが失われる事態に直結することもありえます。

3.NAS Navigator2やエラー内容を確認する

TeraStation本体の液晶画面に表示されたエラーコードやNAS Navigator2上の状態、メール通知の内容はデータ復旧の成否に大きく影響するものです。TeraStationが正常に動作しなくなった時にはエラーコードやエラーメッセージが表示されている画面のキャプチャや写真を撮っておきましょう。データ復旧業者に相談する際にも役に立ちます。

4.HDDの交換は慎重に検討する

TeraStationの故障や寿命が考えられる場合に安易にHDDの交換を行うと取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く、注意が必要となります。TeraStationなどのNASは複数のディスクを使ってRAIDを構築していることが大半です。しかしながら、特定のHDDが故障した際には他のディスクも同様に故障、もしくは壊れかけているものです。そのような時に故障が疑われるHDDを安易に交換するとRAIDの再構築が自動的にかかり、データの復旧ができないばかりか大切なデータを消失させる事態に直結することも多く起こりえます。

↓TeraStationからデータを取り出したい・復旧したいと考えた場合にはこちらの記事もご確認ください。

5.自己判断で初期化やRAID再構築を行わない

TeraStationの寿命が疑われる際に「一度初期化してみよう」「RAIDを再構成すれば直るかも」といった判断で操作を進めると、元のデータが完全に消失してしまうことがあります。特にHDDに物理的な障害が発生しているような場合にRAIDの再構築を実施すると致命的なダメージを与えてしまう為、データを失いたくない方は手を止めることを優先しましょう。

6.復旧業者に相談する

TeraStationに寿命の兆候が現れた時点で、早く安く確実にデータを取り出すにはプロの技術が必要となります。RAID構成やHDDや基板の故障具合など、複雑な条件を正しく診断して、安全な方法でデータを回収できる復旧業者に相談するのが最善策です。

・データ復旧業者の選び方

TeraStationの寿命が疑われる際に少しでも困ったり悩んだりした場合にはプロのデータ復旧業者に相談する方法が問題解決への近道になりえます。どこの復旧業者を選べば良いのか悩んだ時には下記の様な項目をチェックしましょう。困らずに済みます。

  1. 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
  2. 復旧作業のスピードや対応が早い
  3. 復旧料金プランや復旧費用例が公式サイトに明記されている
  4. クリーンルームなど専用環境下や専用ラボで復旧・修理対応を行っている
  5. 情報の守秘義務やセキュリティ管理が徹底されている
  6. データ復旧の実績や事例紹介が豊富である

データ復旧業者は数多く存在していますが、技術力やサービス内容には大きな差もあるものです。どこの復旧業者に相談しても同じように早い対応と費用を抑えたデータ復旧ができるわけではないため注意が必要です。
アドバンスデータ復旧は1から6の項目、全てを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復旧・修理作業を行うことから、迅速な対応と低価格でのデータ復旧サービスを実現しています。TeraStationやLinkstationなどのNASやRAIDサーバー、パソコン、HDD(ハードディスク)、SSD、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、ドライブレコーダーなど様々な機種に対してデータ復旧の実績も数多くあり、安心です。

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TeraStationに寿命の兆候が出た時にユーザーがやってしまいがちな「希望的観測」


TeraStationが起動しない・共有フォルダにアクセスできない・エラーコードやエラーメッセージが表示される・管理画面に入れないなどのトラブルが発生して、NASの寿命が疑われる際には多くのユーザーが「一時的な不調かもしれない」・「しばらく待てば直るかも」等、希望的観測に頼ってしまう傾向があります。しかしながら、こうした油断や判断の先送りが結果的に障害の状態を深刻化させてしまい、データ消失の危険性を大きく高めてしまうことも多く起こりるものです。

以下は、実際によく見られる【油断パターン】の一例です。

・TeraStationの電源が入らなかったものの、ケーブルを抜き差ししたら起動したから様子を見ようと思った
・前にもエラーが出たけど、その時は自然に治ったから今回も大丈夫だろうと考えた
・アクセスが不安定だったけど、何回か再起動すれば復旧すると思った
・異音がしていたけど、今は止まったから大丈夫だと判断した

こうした行動はTeraStationに生じているトラブルの解決には繋がらないことがほとんどです。そればかりか、後になってTeraStationの動作が完全に沈黙するなど、取り返しのつかない状態に陥ってしまうこともありえます。
特に「エラー通知が消えた」「異音が止まった」などの一見、ポジティブに見える変化はTeraStationの故障具合が悪化してHDDが完全に停止した結果であることが大半です。状況が「回復した」のではなく「動作不能になった」ことを意味する場合もあるため注意が必要となります。
TeraStationの異変に気づいたら「大丈夫だろう」と考えるのではなく、「今はギリギリ持ちこたえているだけかもしれない」という前提で冷静に対応し、データを失いたくない方はTeraStationの使用を止める・プロのデータ復旧業者の無料相談を利用するなど、データ保護を最優先とする判断が求められるものです。

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データ消失を避けるために知っておきたい誤解とNG行動


TeraStationに症状が出て寿命が疑われる時に、良かれと思った対応が逆にデータを完全に消失させる行為になることも多く起こりえます。ここでは、TeraStationの寿命が近づいている・寿命を迎えた時に誤解しがちな対処方法とやってはいけない操作を理由とともに紹介していきます。

  1. 電源を入れ直すのは正解?
  2. ケーブルを抜き差ししても大丈夫?
  3. HDDを交換・差し替えれば解決?
  4. RAIDを再構築すれば元に戻る?
  5. ファームウェア更新は必ずしも正義ではない
  6. 初期化すれば何とかなる?

1.電源を入れ直すのは正解?

「TeraStationが起動しないなら、何度か電源を入れ直せば直るかもしれない」…。このような考えで電源の入り切りを行うと、HDDに負荷が加わり、重度の物理障害を引き起こす事があります。TeraStationが起動しない、共有フォルダにアクセスができない、エラーコードやエラーメッセージが表示されるなどの異常が生じた時にはNAS本体の電源を切ることが重要となります。TeraStationの寿命が疑われる際に通電し続けることはデータ消失の最大要因にもなりえます。

↓TeraStationが起動しない時にはこちらの対処法もご確認ください。

2.ケーブルを抜き差ししても大丈夫?

TeraStationが正常に動作しない場合にLANケーブルやACアダプターの接続不良を疑って抜き差しを試す行為も、状況を悪化させる・寿命を縮めることに繋がる可能性があります。TeraStationを再起動することによってファイルシステムの損傷が進む、HDDの故障具合が悪化する、ディスクの故障本数が増える、データが意図しない形で上書きされるなど取り返しのつかない状況に陥ってしまう事もありえます。停電の後にTeraStationに不具合が生じた時には慌ててケーブル類の抜き差しを試しがちですが、ケーブルの抜き差しや電源の入り切りによってRAID情報が崩れる・データが失われる事態に直結することも少なくありません。

3.HDDを交換・差し替えれば解決?

「異常のあるディスクを交換すれば直る?」と思い込み、HDDを自己判断で抜き差しや交換を行う作業は非常に危険な行為になりえます。RAID構成が崩壊した状態でリビルド(再構築)がかかると、全体のデータが上書きされて、二度と戻らない状況に陥ることも起こりえます。

4.RAIDを再構築すれば元に戻る?

RAIDの再構築は全てのディスクが正常に動作しているときに限って行いましょう。劣化したHDDが混在している場合には、RAIDの再構築中に別のHDDが故障するリスクが高くなり、リビルドが失敗すればデータはすべて消失してしまいます。

5.ファームウェア更新は必ずしも正義ではない

ファームウェアの更新は、通常時には不具合の修正や機能向上のために推奨される重要なメンテナンス操作の1つとして挙げられます。しかしながら、TeraStationに異常が生じている場合やエラーコードやエラーメッセージが表示される、アクセス不良などの症状が出ている、寿命が疑われる時には、ファームウェアの更新によってシステムが再構成され、状況が悪化することもありえます。TeraStationが正常に動作せず、寿命が近づいている・寿命を迎えているような時には安易にファームウェアの更新を試さずに、まずは現状の状態を正確に把握する、悩んだ際にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを検討しましょう。

6.初期化すれば何とかなる?

エラーを消したい一心でTeraStationを初期化してしまうと、保存されていたデータは完全に削除され、復元は困難になってしまいます。例え、HDD自体に異常は無いとしても、初期化は最終手段の1つであり、データの保護を目的とした行動とは真逆の結果に繋がります。

※TeraStationに異常が出た・寿命が疑われるときには、「すぐにやる」のではなく、「やらないことを選ぶ」判断力が求められるものです。データを失いたくない場合には手を止める・余計な操作や作業を進めないことがTeraStationのデータを守る最も確実な方法の1つとして挙げられます。

↓NASを初期化したい方や間違って初期化してしまった時にはこちらの記事もご確認ください。

補足:SMART値によるHDDの健康状態チェックは?

TeraStationに内蔵されたHDDの状態を知る手段として、「SMART(スマート)情報」という診断データがあります。これは、不良セクタの発生数や通電時間などから、HDDの健康状態を数値で確認できるものです。
しかしながら、TeraStation標準の管理画面やNAS Navigator2ではSMART値を直接確認することはできません。確認には専用のソフトを用意して、NAS本体からHDDを取り外した上で別の機器に接続する必要が出てきます。
このため、SMART値による診断は上級者向けの対処方法でもあり、TeraStationに異常が見られた際に試した方が良い方法とは言えません。TeraStationに何かしらの症状が出て機器の寿命が疑われる時には、SMART値よりも使用状況や挙動の変化・エラーの内容など、目に見える前兆を重視することが現実的です。

まとめ|TeraStationの異常に気付いたら「操作より判断」を優先する

TeraStationは長期間の運用に耐えることができる堅牢なNAS機器の1つですが、HDDや基板などの内部部品には確実に寿命が存在するものです。TeraStationに寿命が近づくと、NASが起動しない、共有フォルダにアクセスができない、異音がする、エラーコードやエラーメッセージが表示されるなど、さまざまなサインが現れます。
これらの前兆に気づいた時にどのような行動をとるかによって、TeraStationに保存しているデータを守れるかどうかが大きく左右されるものです。TeraStationに寿命の前兆が出た時に最も重要なことは、「慌てて操作をせず、状態の変化を冷静に確認すること」です。
特に、電源の入り切りや再起動、HDDの交換、RAIDの再構築、初期化といった行為は、かえって状況を悪化させ、復旧自体が難しい状態に陥ってしまう事も多く起こりえるものです。安易な操作は禁物です。
TeraStationの寿命は予測が難しいものですが、「前兆」に気づき、「判断」を誤らなければ、大切なデータを守ることは十分に可能です。
TeraStationに異常のサインが出たときには、まずはNAS Navigator2でエラーの確認と記録を行い、機器の使用を控えることが重要です。対応に不安がある場合やよくわからない時には手を止めて、できるだけ早くプロのデータ復旧業者に相談することが最善の選択肢となります。アドバンスデータ復旧はTeraStationに生じる様々な症状に対して復旧実績も多く、安心です。万が一、困った時には無料相談を利用することから始めてみてはいかがでしょうか。

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