TeraStationの液晶画面やNAS Navigator2上に「I52」が表示され、NASが正常に動作しなくなった時には慌ててしまう方も多いのではないでしょうか。一見すると単なるファームウェア更新の通知に見えますが、実はその背後に深刻な障害が進行していることもありえます。
Iから始まるインフォメーションコードやEから始まるエラーコードが表示されて、TeraStationやLinkStationが正常に動作しなくなった場合にはNASの不調はそのまま業務の停止や大切なデータの損失に繋がる可能性もあるため、慎重な対応が求められます。
本記事では、TeraStationやLinkStationに「I52」が表示されたときに確認したいポイントや、やってはいけない操作、そしてデータを守るために必要な初期対応について、専門的な視点からわかりやすく解説していきます。
TeraStationに表示されるI52とは?まずは落ち着いて状況を確認しましょう
TeraStationやLinkStationに表示される「I52」は一般的にはファームウェア更新の通知とされているインフォメーションコードの1つになります。しかしながら、すべてのケースで「正常」な状態で表示されるわけではないため、注意が必要となります。
「I52」はファームウェアが最新では無い時に出る通知として捉えられがちですが、実際にはNAS本体や内蔵HDDが物理的・機械的に故障している場合でも表示されることがあります。
そのため、まずはTeraStationの液晶画面やNAS Navigator2に表示されている内容をよく確認して、単に「ファームウェアのアップデート」と記されているだけなのか、それとも他のエラーコードやインフォメーションコードと同時に表示されているのかを慎重に見極めることが大切です。
I52はファームウェア更新の通知だけとは限らない|見落としがちなリスク
TeraStationやLinkStationに「I52」が表示された際に、「ただのファームウェアのアップデート通知」と思ってそのまま操作を進めてしまう方も少なくありません。
しかしながら、「I52」はTeraStationやLinkStation本体や内蔵HDDに異常がある状態でも表示されることが多く、以下のようなトラブル発生に繋がるリスクがあります。
I52の表示だけだと思ったらHDDの不良セクタや接続不良、RAIDの再構築エラーなども発生していた |
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ファームウェアのアップデートを実行したことで、RAIDが崩壊・マウント不能となった |
このように、I52は「TeraStationやLinkStationの故障のサイン」として現れるケースもあり、正常な状態で表示されているとは限らない点に注意が必要となります。
・液晶画面とNAS Navigator2の両方を確認する
I52がTeraStationに表示された場合には
本体の液晶パネルやLEDの状態 |
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NAS Navigator2の表示内容(他のエラーコードやインフォメーションコードが出ていないか) |
両方を確認するようにしましょう。特に、I52以外のエラー(例:E04、E06、E07、E013、E14、E15、E16、E22、E23、E30、EM、I31、I54など)が同時に表示されているような場合には、重篤な障害が発生している可能性が高くなります。
・I52が単独で表示されているか、複数エラーと併発しているかを確認する
NAS本体のHDDランプが赤やオレンジで点滅している |
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ピーピーなどビープ音が鳴り続けている |
HDDがマウントされない |
共有フォルダにアクセスができない |
他のエラーコードやエラーメッセージが表示される |
このような状態がI52と同時に発生している場合には、物理障害が発生している、状態が悪化していることも多いものです。そのため、TeraStationやLinkStationに表示されたI52を単なるファームウェアのアップデート通知と判断せず、他の異常の有無を冷静に見極めることが重要となります。
↓共有フォルダにアクセスができなくなった時にはこちらの記事もご確認ください。
機種によって異なるI52の表示メッセージに注意
TeraStationに「I52」が表示された時には、一般的には「ファームウェアの更新通知」と認識されているものの、機種によっては異なるメッセージが表示されることがあります。
例えば、LinkStationや一部のTeraStationでは、
I52:不明なエラーが発生しました(An unknown error occurred)
と表示されるケースがあります。
このような表示は、ファームウェアのアップデート通知とは異なり、機器の内部で異常が発生している事を示していることが大半です。すぐに「I52=ファームウェアのアップデート通知」と思い込んで、安易にアップデートや再起動を行うと、状態が悪化するおそれがあります。
※特に以下のような場合には注意が必要となります。
I52と同時に他のエラー(E04、E06、E07、E013、E14、E15、E16、E22、E23、E30、EM、I31、I54など)が表示されている |
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HDDのアクセス音や異音が発生している |
NAS Navigator2に異常ステータスが表示されている |
TeraStationやLinkStationにアクセスができない |
TeraStationやLinkStationに表示されるエラーコードやインフォメーションコードの意味は、モデルごとの仕様に依存するため、表示された文言は必ず確認して、正確な状況判断を行うことが重要です。
↓TeraStationにアクセスができない状況でお困りの方はこちらも参照ください。
I52と同時に表示されることの多いエラーとは?
I52がTeraStationに表示される時には、同時に他のエラーコードが出ているケースも多く見られます。これは単なる「ファームウェアのアップデート通知」とは異なり、TeraStation本体や内蔵HDDに何らかの異常が発生しているサインであることが多いものです。
例えば、以下のような組み合わせでのエラーの発生が確認されています。
型番と組み合わせ例 | 表示エラー | 状況 |
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TS5400D0804(RAID5)/ST2000DM001×6台 | E30、I52、I54 | HDD2台の交換直後に再構築中、さらに1台が故障 |
TS3400DN0804/R5(RAID5 | E14、I31、I52、I54 | 赤い画面、4番ドライブの赤点滅、マウントエラーやバックアップ失敗 |
※上記は一例です。
このように、I52だけでなく他のエラーも併発している場合には、単なるファームウェアのアップデート通知ではなくTeraStationに深刻な障害が発生していることが少なくありません。
・NAS Navigator2でのステータス確認も重要
NAS Navigator2の表示も合わせて確認することで、より正確な判断が可能となります。例えば、RAID構成が「未構成」や「異常」になる・ディスク情報が「不明」と表示されることもありえます。こうした状況では、データへのアクセスも不安定になる・アクセスが全くできなくなる他、バックアップやRAIDの再構築にも支障が出ることが多いものです。
※表示される内容の一例
E04 | SYSTEM Error 04 Can’t Load Kernel |
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E06 | TFTP MODE E06 Lost boot image |
E07 | HD ALL E07 All HD Not Found |
E13 | RAID Error E13 ARRAYx Error |
E14 | RAID Arrayx E14 Can’t Mount |
E15 | HDx Error E15 Many Bad Sectors |
E16 | HDx Error E16 HDx Not Found |
E22 | HDx Error E22 HDx Can’t Mount |
E23 | HDx Error E23 HDx Is Faulty |
E30 | HDx Broken E30 Replace the DISK |
EM | EMERGENCY MODE NO ARRAY INFO |
↑TeraStationにトラブルが発生した際にエラーコードやエラーメッセージが表示された場合には各エラーコードをクリックしてください。エラー別の対処方法もそれぞれ紹介しています。
↓TeraStationに表示されるエラー内容については、下記記事でも詳しく解説しています。
・表示の順番や因果関係に注意
これらのエラーは、必ずしもI52が原因となって引き起こされているとは限りません。HDDの劣化やRAID構成の崩壊などが根本原因となり、I52が結果的に表示されるケースもありえます。
そのため、I52が出ていても「ファームウェアのアップデート通知」と軽視することなく、他のエラー表示と併せて慎重に状況を見極める必要が出てきます。
I52を「ただの通知」と思わないで|更新前に確認したいポイント
TeraStationで表示される「I52」は、一般的には「ファームウェアのアップデート通知」とされていますが、すべてのケースが「正常な通知」であるとは限りません。
特に以下のような表示が出ている場合には注意が必要となります。
NAS Navigator2や本体の液晶に「I52:不明なエラーが発生しました」と表示される |
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I52とともに、E30などEから始まるエラーコードやI31・I54などが併発している |
※TeraStationの型番によっては「I52 New Firmware Available」「New Firmware I52 Available」ではなく、「I52:不明なエラーが発生しました」と表示されることがあります。その際にはファームウェアについての通知では無いため、注意しましょう。
・実はハード部分の故障のサインであることも
I52という表示が「ファームウェアのアップデート通知」と認識されがちですが、 TeraStation本体や内蔵HDDが物理的・機械的に故障している時にもI52が出ることがあります。
共有フォルダにアクセスができない |
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本来のランプが赤や橙色で点滅している |
エラーメッセージが複数表示される |
TeraStationが起動しない |
管理画面に入れない |
一部のHDDが認識されていない |
HDDから異音(カチカチ音・カコン音など)がしている |
RAIDの再構築中や再構築失敗後にI52が表示された |
※上記のような状態でファームウェアのアップデートを行うと、処理中に完全にアクセス不能になる、障害具合が悪化する、RAID情報が書き換わる等のトラブルを引き起こす可能性が高くなります。
・対処前にチェックしたいポイント
I52以外のエラーコードやインフォメーションコードが出ていないか?(E30などEから始まるエラーコード、I31、I54などのインフォメーションコード) |
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HDDの状態(認識されている台数・異音の有無・アクセスランプの色や点滅の仕方) |
NAS本体の温度や動作異常がないか(共有フォルダに複数台の端末からアクセスができない状態では無いか) |
・安易なファームウェアのアップデートは避け、慎重に状況の判断が必要
すべてのI52が「すぐにファームウェアをアップデートして良いもの」ではありません。 複数の異常サインが出ている・物理障害の可能性がある・経年劣化の疑いがあるような場合には、 むしろファームウェアのアップデートによって状況が悪化するケースもあるという前提で、十分な確認が必要です。ファームウェアのアップデートによってTeraStation内のデータが失われる事態に直結することも少なくありません。
・正しい初動がデータを守る
I52が表示されたら、まずは冷静に周辺情報を確認し、物理的な障害が疑われる場合は更新を控える判断が大切です。わずかな異変がファームウェアのアップデートによって取り返しのつかない事態に繋がることも多く起こりえるためです。TeraStationやLinkStationが正常に動作せず、困ったり悩んだりした際には手を止めてプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することも検討しましょう。自力では判別や対処が難しい障害が発生していることも多いものです。
ファームウェア更新は慎重に!データ消失リスクに注意
TeraStationやLinkStationで「I52」が表示された場合に、すぐにファームウェアのアップデート操作を行うのは避けた方が良いものです。見た目には「ただの通知」に見えても、内部では深刻な障害が発生していることがあります。
- ファームウェアのアップデートが招くリスクとは
- 更新すべきかどうか迷ったときは
- 一見、問題がなくても慎重に判断を
- 誤った操作で状態が悪化することも
- 迷ったらプロのデータ復旧業者に相談
1.ファームウェアのアップデートが招くリスクとは
以下のような状態でファームウェアのアップデートを行うと、データが完全に失われるリスクが非常に高くなります。
・HDDの一部がすでに認識されていない |
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・RAIDの再構築中、あるいは失敗後の状態 |
・HDDから異音(カチカチ、カコンなど)が発生している |
・エラーコード(E04、E06、E07、E013、E14、E15、E16、E22、E23、E30、EM、I54など)が併発している |
・共有フォルダに複数のパソコンや端末からアクセスができない |
・アップデート中にアクセス不能となる可能性
物理的に異常のあるHDDやRAID構成に不整合がある状態でファームウェアを更新すると、以下のような深刻なトラブルが発生することもありえます。
・ファームウェアの書き込み中にエラーが発生し、TeraStationが起動不能になる |
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・RAID情報が上書き・初期化されてしまう |
・論理構造が破損して、データに一切アクセスできなくなる(アクセスできていたデータが更新後に読み取れなくなる) |
↓TeraStationが起動しない状況でお困りの方はこちら
2.更新すべきかどうか迷ったときは
TeraStationやLinkStationにI52が表示された際に、すぐにファームウェアのアップデート操作に進むのではなく、次のようなチェックを行いましょう。
HDDの状態に異常がないか(認識不良・異音・発熱などの兆候はないか) |
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RAIDの状態が正常かどうか(再構築中・不整合などがないか) |
他のエラーが出ていないか |
以前からの不具合履歴(頻繁なエラー表示・勝手に再起動・ファイルが開かない・動作が遅いなど)がないか |
3.一見、問題がなくても慎重に判断を
TeraStationやLinkStationにI52が単独で表示されている・一見問題が無さそうに見えたとしても慎重な対応を心がけましょう。
機種やファームのバージョンによっては「不明なエラー」「Firmware Available」など表示が曖昧で、ユーザーの誤判断を誘発するケースもある |
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一部のモデルでは、すでに内部的にHDDの読み込みエラーや故障が発生していても、I52しか表示されないこともありえる。 |
4.誤った操作で状態が悪化することも
「ファームウェアをアップデートすればNASが直るかもしれない」と考えて安易に作業を進めてしまうと状態が重篤化し、復旧作業の難易度が上がる・費用も通常よりかかる可能性も出てきます。特に以下のような操作はリスクが高まるため、注意が必要となるものです。
トラブル発生後にHDDを抜き差しする、交換を試す |
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RAID情報やHDDおよびNASの動作が不安定なままファームウェアのアップデートを実施する |
「I52」だけを見て異常がないと判断してしまう |
5.迷ったらプロのデータ復旧業者に相談
I52が表示され、正常に動作しなくなったTeraStationやLinkStationからデータを失いたくない・早く安く確実にデータを取り出したいと考えた場合には、ファームウェアのアップデートは控えてプロのデータ復旧業者に相談する方法が問題解決への近道となりえます。
I52の表示がファームウェアのアップデート通知だけでなく、実際にはNAS本体やHDDや重要基板が物理的・機械的に故障していることを知らせるサインだった…という事例も多く存在します。不用意なアップデート操作が、取り返しのつかないデータ損失に繋がらないことのないように慎重な判断が求められるものです。
・データ復旧業者の選び方
TeraStationやLinkStationにトラブルが発生した際に少しでも困ったり悩んだりした場合には手を止めてプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを検討しましょう。どこの復旧業者を選べば良いのか悩んだ時には下記の様な項目をチェックすることで困らずに済みます。
- 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
- 復旧作業のスピードや対応が早い
- 復旧料金プランや復旧費用例が公式サイトに明記されている
- クリーンルームなど専用環境下や専用ラボで復旧・修理対応を行っている
- 情報の守秘義務やセキュリティ管理が徹底されている
- データ復旧の実績や事例紹介が豊富である
データ復旧業者は数多く存在していますが、技術力やサービス内容には大きな差もあるものです。どこの復旧業者に相談しても同じように早い対応と費用を抑えたデータ復旧ができるわけではないため注意が必要です。
アドバンスデータ復旧は1から6の項目、全てを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復旧・修理作業を行うことから、迅速な対応と低価格でのデータ復旧サービスを実現しています。TeraStationやLinkstationなどのNASやRAIDサーバー、パソコン、HDD、SSD、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、ドライブレコーダーなど様々な機種に対してデータ復旧の実績も数多くあり、安心です。
やってはいけない操作|状態を悪化させないために
I52が表示された状態での誤った操作は、TeraStationやLinkStationの状態をさらに悪化させてしまう恐れがあります。 以下のような対応はデータの消失や機器の故障に繋がることが多いため避けるようにしましょう。
- 通電を続ける・何度も電源を入れ直す
- ファームウェアのアップデートをすぐに実行する
- HDDを抜き差しする・順番を入れ替える
- NAS Navigator2の表示内容を見落とす
- 併発エラーや異常音を無視する
1.通電を続ける・何度も電源を入れ直す
HDDが故障している・RAID構成に問題がある状態でTeraStationやLinkStationなどNAS本体の電源を入れたままにしておくと、不良セクタの増殖やRAID情報の破損が進む、データが意図しない形で上書きされる事があります。
また、電源の入り切りや再起動を繰り返すとHDDの故障具合が悪化する・損傷箇所が増える、RAIDの再構築が誤ってかかって全てのデータが失われるなど、取り返しのつかない状況に陥ってしまう事も多く起こりえるものです。
2.ファームウェアのアップデートをすぐに実行する
I52以外のエラー(E04、E06、E07、E013、E14、E15、E16、E22、E23、E30、EM、I54など)が併発している状況や異音・発熱がある・HDDが未認識・筐体のランプが赤や橙色で点滅するなどの異常が出ている状態では、ファームウェアのアップデートによって症状が重篤化することがあります。そのため、I52の表示だけを見て「ただの通知」と判断せず、機器の状態を確認することが重要です。また、よくわからない・判断に悩む・TeraStationやLinkStationからデータを失いたくない場合には早めにプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。希望する結果に繋がります。
↓TeraStationからデータを取り出したい・復旧したいと考えた場合にはこちらの記事もご確認ください。
3.HDDを抜き差しする・順番を入れ替える
I52やEから始まるエラーコードやエラーメッセージが表示された際に安易にHDDを抜き差ししたり順番を入れ換えたり、交換を行ったりすることは避けましょう。TeraStationやLinkStationが正常に動作しなくなった時には内蔵HDDが物理的・機械的に故障していることが大半で、HDDの抜き差しや交換、入れ替えなどを行うとデータ意図しない形で上書きされる・RAIDの再構築が誤作動的に走り、復旧作業が極めて困難になる・HDDの故障具合が悪化する・HDDの故障本数が増えるなど取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえます。
※TeraStationは複数のHDDを使ってRAIDを構築していることがほとんどですが、1台のHDDが故障した際には他のHDDも同様に故障しているか壊れかけていることが大半です。そのような状態でRAID機能を過信してHDDを交換すれば問題が解決できると思い、安易に作業を進めると状態が重篤化して全てのデータが失われる事態に直結することもありえるものです。TeraStation内のデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合には手を止めてプロのデータ復旧業者に相談することを優先しましょう。
4.NAS Navigator2の表示内容を見落とす
TeraStationやLinkStationにI52が表示された時にはNAS Navigator2に他のエラー、例えばEから始まるエラーコードや他のIから始まるインフォメーションが出ていないか確認することも重要です。
一部モデルでは、I52とともに「Firmware Available」「不明なエラー」などの表記が出る仕様となっています。数字だけでなく、メッセージ内容を見落とさないようにしましょう。
また、NAS本体のランプが赤やオレンジで点滅していないか確認することも重要です。特にLinkStationはランプ表示の異常によって、エラーの通知をすることが多いため、NAS Navigator2だけでなく、本体のランプの状態も確認しておきましょう。
5.併発エラーや異常音を無視する
TeraStationやLinkStationにI52が表示された際にHDDから異音がする・共有フォルダにアクセスができない、認識されないドライブがあるような場合にはすでに深刻な障害が発生している事が推測される状況となります。
このような状態で安易な操作や作業を試すと復旧の可能性を著しく下げることもありえます。正常に動作しなくなったTeraStationやLinkStationから早く安く確実にデータを取り出したいと考えた場合には手を止めて専門家の意見を聞くようにしましょう。
※I52エラーは単なる通知とは限らず、NAS本体やHDDに物理障害が生じているサインであることも多いものです。まずは冷静に状態を確認し、通電や操作を控えて状況を記録することが重要です。
データを守りながら対処するには
I52がTeraStationやLinkStationに表示された場合でも落ち着いて慎重に対応することで、データの損失を防ぐことが可能となります。
ここでは、「やっても良い操作」と「避けたい操作」を整理しながら、症状を悪化させないための対処ポイントをまとめていきます。
- 状況の記録と慎重な確認を
- やっても良い操作
- 避けたい操作
- 迷ったら「操作しない」という選択を
1.状況の記録と慎重な確認を
まずは、現在の状況を正確に把握することが重要です。
・エラーコードやインフォメーションコード(I52以外も含む)をすべてメモに取る、記録する
・NAS Navigator2 や本体画面に表示されるメッセージを見落とさない
・HDDの認識状態、アクセス可否、異音の有無をチェックする
・通電時間や電源の操作履歴を思い出す(何回再起動したか等)
2.やっても良い操作
以下のような操作であれば、NASやHDDが物理的・論理的に悪化するリスクは比較的低いとされています。
・エラーメッセージの記録、スクリーンショットの保存
・NAS Navigator2 からの状態確認(再起動は行わない)
・外観の確認(異常発熱、ランプ点滅状態など)
※操作の前には、必ず通電状態を安定させてから確認しましょう。
3.避けたい操作
以下のような操作は、データの損失や状態の悪化に繋がる恐れがあるため、控えましょう。
・電源の再投入(再起動、長押しでの強制オフなど)
・HDDの抜き差しや順番の入れ替え、交換作業
・すぐにファームウェアのアップデートを試す
・NASの初期化やリセットボタンの押下
・外付けHDDへのバックアップ試行(コピー中に障害が進行することあるため)
4.迷ったら「操作しない」という選択を
少しでも異変があると感じたら、何も操作せずに状況を維持することがもっとも安全な選択肢となります。
特にTeraStationやLinkStationを法人で使用している場合や業務データ・機密データが含まれている際には、判断を急がずに、まずは冷静に情報を集めることが重要です。
まとめ|I52が表示されたときの正しい対応
TeraStationやLinkStationに「I52」が表示された場合に単なるファームウェアのアップデート通知と見なして、すぐに更新作業を行うことは避けましょう。
実際には、本体やHDDに物理障害が発生している・他のエラーと連動して深刻な状態に陥っているケースも多く見受けられます。
・大切なのは「状態の確認」と「慎重な判断」
NAS Navigator2や本体表示を確認し、すべてのエラーメッセージを確認する。
HDDの認識状態、異音、アクセスの可否などをチェックする。
異常が少しでも見られる場合は、更新操作や再起動は避ける。
・操作前に専門家への相談も検討を
万が一、TeraStationやLinkStation内部で物理障害が発生していた場合には、安易な操作がNASに致命傷を与えることもありえます。
データを安全に守るためには、状態を悪化させない初動と正確な判断が必要となります。I52が出た時点で一度立ち止まり、適切な判断を行いましょう。少しでも悩んだりした場合にはプロのデータ復旧業者に相談することが問題解決への近道となります。アドバンスデータ復旧はTeraStationやLinkStationに生じる様々な症状に対して復旧実績も多く、安心です。万が一、困った時には無料相談を利用することから始めてみてはいかがでしょうか。