NASから「カチカチ」「ブーン」「ピッ」といった異音がする時には、内部のHDDやファン、またはシステム部分に異常が起きていることが推測される状況となります。これらの音は、NASが自ら発しているSOSのようなサインであり、そのまま使い続けるとデータの破損や完全な故障に繋がることもありえます。
特にNASに搭載されているHDDのヘッド破損による「カチカチ音」やモーターの不具合による「ブーン音」、システムの警告を示す「ピッ」と鳴るビープ音は、早期の対応が求められる重要な兆候であることが多く、注意が必要となります。NASは24時間稼働することがほとんどで、小さな違和感を見逃すと損傷具合が悪化してしまうことも少なくありません。
本記事では、NASから異音が発生する主な原因とその対処方法、やってはいけない行動、そして安全にデータを守るための対応についても詳しく解説していきます。
NASから異音が鳴る主な原因は
NASから異音が聞こえる場合には、その多くは内部に搭載されているHDDや冷却ファン、もしくは基板などの部品に問題が発生していることが多いものです。音の種類によって発生原因は異なり、対処の緊急度も変わってきます。ここでは、NASから異音が生じる原因を整理していきます。
- HDD内部の異常(カチカチ・カリカリ音)
- モーターや回転部の不具合(ブーン・ジー音)
- 冷却ファンの劣化・異物混入(ガラガラ・ウィーン音)
- 筐体やトレイの振動音(ガタガタ・プルプル音)
- 電子的な警告音・ビープ音(ピッ・ピーピー)
1.HDD内部の異常(カチカチ・カリカリ音)
NASに搭載されているHDDから「カチカチ」「カリカリ」といった音が出る状況では、ヘッドが正常に動作できず、同じ箇所を繰り返し読み込もうとしている場合があります。このような状態は、ヘッドクラッシュや不良セクタの発生が疑われる・重度の物理障害が発生していることが推測され、通電し続ける・使い続けようとするだけで磁気記録面(プラッタ)が傷つき、データの復旧自体が困難になることもありえます。
2.モーターや回転部の不具合(ブーン・ジー音)
NAS内のHDDの中でスピンドルモーターが正常に回転していない場合には、「ブーン」「ジー」といった音が断続的に発生することがあります。モーター軸の摩耗や異常電流による回転不良が原因で、回転速度が定まらず、読み込みループが起きることもありえます。このような状況ではHDD全体が振動してケース越しにも異音が伝わる他、振動によってHDDが取り返しのつかないくらい壊れてしまうことも起こりえます。
3.冷却ファンの劣化・異物混入(ガラガラ・ウィーン音)
NAS内部に設置されている冷却ファンは、長期間の稼働によってグリスが劣化したり、ほこりが付着したりすることで「ガラガラ」「ウィーン」などの音を発することがあります。ほこりや糸くずが羽根に絡まることで回転バランスが崩れ、振動を伴うこともありえます。このような状況はファンを交換する方法や清掃する方法を試すことで問題の改善が見込めるものです。しかしながら、HDD由来の音と聞き分けが難しい・HDDの方が故障する頻度が高い点も注意点として挙げられます。
4.筐体やトレイの振動音(ガタガタ・プルプル音)
HDDを複数搭載するNASでは、トレイや固定ネジの緩みによって振動音が出ることもありえます。「ガタガタ」「ブルブル」といった軽い音が鳴っている時には、機械的な緩みや設置面の不安定さが原因であることも考えられるものです。メーカーによっては防振パッドの使用や固定ネジの確認を推奨しており、NASから振動音が聞こえた時には本体の設置環境を見直すことも重要となります。
5.電子的な警告音・ビープ音(ピッ・ピーピー)
NAS本体から「ピッ」「ピーピー」と鳴るビープ音は、内部のシステムが異常を検知して警告を示していることも多いものです。RAID崩壊、HDDのSMARTエラー、温度上昇、ファンの停止、電源の異常など、原因は多岐にわたります。NASからビープ音が鳴った場合には無理に操作せず、管理画面に表示されるメッセージやランプの点灯の仕方を確認することが重要です。しかしながら、エラーメッセージやエラーコードが表示される・ランプが赤や橙色で点滅するような状況では、データが失われる危険が迫っているサインであることも多く、慎重な対応が求められるものです。
※NASから聞き慣れない音が鳴った時には機器本体が故障している・データが入っているHDDやSSDが物理的・機械的に壊れかかっている・データが消失する危険性が高まっていることが大半で注意が必要となります。NAS内のデータが大事、無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合には手を止める・NAS本体の電源を切ることを優先して、早めにプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを検討しましょう。希望する結果に繋がります。
NASから異音が鳴った時に生じる症状例
NASから異音が発生している場合には、HDDやファンの故障に加えて、NAS全体の挙動にも異常が現れることがあります。異音は機械的なトラブルが生じているサインであることがほとんどで、下記のような症状を伴うことが多く見られます。NASに症状が出た時にはデータが失われる前兆であることも多いため、慎重な対応が求められるものです。
- NAS本体のランプが赤や橙に点滅・点灯している
- 共有フォルダにアクセスできない
- NASがネットワーク上で表示されない
- 管理画面にアクセスができない
- エラーメッセージが表示される
- NASが起動しない
- 動作が極端に遅くなる・フリーズする
1.NAS本体のランプが赤や橙に点滅・点灯している
NASから異音が鳴っている場合に本体のステータスランプが赤や橙で点滅・点灯している時には、ハードウェア上にエラーが生じた・HDDが物理的に故障した・RAID構成に異常が発生したことを示していることが多いものです。LANDISKでは緑色の高速点滅も注意が必要となります。異音の発生とともに機器本体のランプが点滅している場合には、危険な状態であることがほとんどであるため、データを失いたくない方はNAS本体の電源を切る事から始めましょう。
↓NASのランプが赤く点滅する状態に陥った時にはこちらの記事もご確認下さい。
2.共有フォルダにアクセスできない
NASから異音がする時には共有フォルダにアクセスができなくなることも多く起こりえるものです。NASから異音がする際には、ただ単に共有フォルダに入れない・接続ができない・ファイルやフォルダが開かないだけでなく、複数のHDDが物理的、機械的に故障している・RAID構成に異常が生じている事が大半で、そのまま接続しようとするだけでも取り返しのつかない状況に陥ってしまうこともありえます。共有フォルダにアクセスができない状況でNASから異音が発生している時にも本体の電源を切ることを優先した方が良いものです。
↓共有フォルダにアクセスができない状況でお困りの方はこちらも参照ください。
3.NASがネットワーク上で表示されない
NASがエクスプローラーやネットワーク一覧に表示されない場合には、通信トラブルやシステムの読み込み不良の他、内部部品の物理的故障が発生していることが推測される状況となります。少しでも異音を伴う際には、HDDや基盤が故障していることが多いため、無理な再接続や通電を控えることが安全です。
↓NASがネットワークに表示されなくなった時にはこちらの対処方法もお試しください。
4.管理画面にアクセスができない
NASの管理画面にログインできない、またはタイムアウトするような時には、システム領域の破損やRAIDの不整合、HDDの故障が生じていることが多いものです。特に異音を伴う時には、通電を控えて状態の確認を優先しましょう。HDDに重度の物理障害が発生していることも多く起こりえるものです。
5.エラーメッセージが表示される
液晶画面付きのNASでは、機器に異常が生じた際にはエラーコードやエラーメッセージが表示されることがあります。TeraStationなどの一部の機種ではEから始まるエラーコードやエラーメッセージが表示され、QNAP製のNASでも液晶画面にエラーメッセージが表示される事があります。異音と同時にこれらの表示が見られる場合は、HDDの異常やRAID構成にエラー生じている・データが失われる危険性が高まっていることが大半で慎重な対応が求められます。NAS内のデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合にはプロのデータ復旧業者に相談することを優先した方が良いものです。
↓TeraStationやLinkStationにエラーが出た時にはこちらも参照ください。
6.NASが起動しない
電源ボタンを押してもNASが起動しない・NASが起動途中で停止する・再起動を繰り返す場合には、HDDや基板に異常が発生していることもありえます。NASが起動しない際に異音を伴う時には、HDD側の物理的な不調が影響している・重篤な障害が発生していることが大半で、注意が必要となります。起動しないからと言って電源ボタンを何度も押したり、ケーブルの抜き差しを繰り返したりすることは止めておきましょう。状態が悪化してしまいます。
↓NASが起動しない状況でお困りの方はこちらの記事もご確認ください。
7.動作が極端に遅くなる・フリーズする
NASの動作が重くなったり、フリーズしたりする時には、HDDの読み書きエラーが発生していることがあります。このような状況で通電を続けると、他のドライブにも負荷がかかり、RAID全体の動作が不安定になることも多く起こりえるものです。ただし、機器の動作不良が起きていると同時に異音も発生している時には、すぐに操作ができなくなる・データの取り出しが難しくなる状態に陥ることが大半であるため、無理に操作を続けるようなことは止めておきましょう。後悔する結果に直結してしまいます。
NASから異音がする場合の確認事項と対処方法
NASから異音がする時には、まずは落ち着いて状況を確認することが大切です。音の種類や発生箇所を把握することで、原因の特定や適切な対処方法の選択を行うことが期待できるものです。ここでは、NASから異音がするような状況でデータ保全を優先した対処方法を紹介していきます。
- すぐに電源を切る
- LANケーブルや外部機器を取り外す
- 音の発生源を確認する
- 再起動は行わない
- 異音の状態を記録する
- 分解しない
1.すぐに電源を切る
NASに搭載されているHDDのヘッド異常やモーターの不具合による「カチカチ」「ブーン」音が発生している場合には、NASの電源を速やかに切り、完全に通電を止める方法が有効な手段になりえます。異音が続くまま放置すると、データが記録されているプラッタの表面が傷つき、データが永久に読み取れなくなる危険性も高まります。
2.LANケーブルや外部機器を取り外す
NASから異音が鳴った時にはNASと接続しているLANケーブルやUSB機器、外付けHDDなどをすべて外すことも重要です。この方法を実施することにより、ネットワーク経由でのアクセスや再起動などの操作を防げることから、安全な状態を保つことが期待できるものです。
3.音の発生源を確認する
異音が聞こえた時にはNAS本体のどの部分から音が出ているかを慎重に確認することもその後の対処方法を選ぶ上で重要となってきます。背面のファンから「ウィーン」や「ガラガラ」などの音がする時にはファン由来の可能性が高く、HDDベイ付近から「カチカチ」「カタカタ」「カタンカタン」などの異音がする場合にはHDD自体の故障が推測されるものです。筐体の振動音であれば、設置環境や固定ネジの緩みを疑いましょう。
HDDからの異音発生が少しでも考えられる場合には電源を切ることが最善の対処方法になりえます。異音が発生しているままで稼働を続けようとするとデータ復旧作業の難易度が上がるばかりか、どんどんデータが入っている箇所が削られてしまうことも起こりえます。少しでも悩んだり困ったりした時には手を止めてプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。
4.再起動は行わない
NASから異音がする時には自己判断での再起動や電源の入り切り、ケーブルの抜き差しなどを行うことも避けた方が良いものです。再通電によってヘッドがさらに損傷する・故障箇所が増える・プラッタに傷や溝が増える・データの意図しない上書きが進むなど後悔する結果に直結することがほとんどです。NASから異音がする状況では電源を切り、状態がそれ以上悪化しないように努めることが大切です。
5.異音の状態を記録する
NAS本体や内部部品から異音が発生している時には、音の種類・頻度・発生タイミングを記録しておくと、後々、診断を受ける際に役立つことがあります。プロのデータ復旧業者には口頭でどんな状態だったかを伝えるだけで対応が可能な事が多いものの、音の表現の仕方に悩む・伝え方がわからない・NAS内のデータは不要でファン部分の故障や筐体異常などメーカーや購入店、修理の専門業者にNAS本体を修理に出したい場合にはスマートフォンなどを使って録音しておくと安心です。
6.分解しない
異音が鳴っているNASやHDDを自分で分解することも止めておきましょう。NASに搭載されているHDDは、非常に精密な部品で構成されており、ほんの少しのホコリや塵、汚れなどが内部に入り込むだけでも重篤な故障の原因に繋がることがあります。特に、プラッタ(円盤状の磁気記録面)とヘッド(データを読み取る針のような部品)の間の距離はとても微細で、数ナノミリメートル程度のわずかなズレだったとしても、データの読み取りが不可能になることもありえます。異音が生じている時点でヘッドとプラッタが接触していることも多く、分解することによって状態が重篤化してデータの復旧や修理作業がさらに難しくなることも起こりえます。NASから異音がするようになった時には、手を止める・できるだけ早く専門家の意見を聞くようにした方が良いものです。
※メーカーや購入店、修理の専門会社に異音が鳴っているNASの対応を依頼した場合には、データが保存されているHDDやSSDなどは交換された上で修理作業が行われます。そのため、NASに入っていたデータは全て消えた状態で手元に戻ってくることになるため注意しましょう。
異音が発生したNASからデータを守るためには
NASから異音が発生している、それは内部のHDDやファンに物理的な異常が生じている重要なサインであることが多いものです。特に「カチカチ」「カタカタ」「ブーン」といった音は、ヘッドクラッシュやモーターの故障といった深刻な障害が生じていることが疑われる状況となります。NASには、日常業務に関わる共有データや重要なバックアップが保存されていることが多く、誤った対応によって取り返しのつかない損失に繋がることも多く起こりえます。ここでは、NASから異音を確認した場合にデータを保護するための考え方と、プロのデータ復旧業者に相談する際のポイントも整理していきます。
- データ復旧業者への相談が必要なケース
- メーカー修理との違い
- データ復旧業者の選び方と依頼する際のポイント
1.データ復旧業者への相談が必要なケース
NASから異音がしている場合に以下のような症状が生じている時には自力での対応が難しい段階に達しています。これらのケースでは、できるだけ早くプロのデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
異音が一定の間隔で繰り返し続いている(カチカチ・カタカタなど) |
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RAID構成を組んでいる(RAID1/5/6/10などで複数台のHDDが連動している) |
NAS本体のランプが赤や橙に点滅・点灯している(LANDISKの場合は緑色点滅も要注意) |
NASがネットワーク上で認識されない |
共有フォルダにアクセスができない |
管理画面にエラーメッセージやエラーコードが表示されている |
液晶画面にエラーメッセージが出ている |
メールでエラーが通知されている |
NASが起動しない |
これらは、NAS内のHDDが物理的に故障している・RAID崩壊が起きているなど、初期段階で発生する典型的な症状となります。特にRAIDを構成しているNASでは、1台の異常を放置すると他のディスクにも負荷がかかり、2台目以降の同時故障を引き起こすこともありえます。異音が鳴っていなくてもNASが正常に動作しなくなった際には通電を続けるだけでも状態が重篤化することが多いものです。そのため、少しでも異常音を感じた時には速やかに電源を切り、専門家のアドバイスを受けることが望ましい状況となります。
↓NASからデータを取り出したいと考えた時にはこちらも参照下さい。
2.メーカー修理との違い
メーカー修理とデータ復旧は目的が根本的に異なります。メーカー修理は「機器としての正常動作の回復」が目的であり、HDDの交換やシステムリセットを行うことが一般的です。メーカーに異音がするNASを送った際には修理の過程でHDD内のデータは初期化・消去され、データ保護の観点ではリスクが高い対応となります。メーカー修理はNASの再利用を前提とした対応であり、データの救出は対象外となる点を理解しておく必要があります。
一方で、データ復旧業者の目的は「保存されているデータの保全・救出」です。異音が鳴るNASからデータを安全に取り出すためには深い専門知識・高度な技術力・互換性のある部品の調達と交換・クリーンルームなど専用環境が必須となる上、経験値がある技術員が作業を行う必要が出てきます。データ復旧業者では、メーカー修理では対応できないような難しい重度障害が発生している場合でもデータを取り戻せる可能性が高くなるものです。
↓NASの修理を行いたいと思った時はこちら。
3.データ復旧業者の選び方と依頼する際のポイント
異音が鳴っているNAS内のデータを守るためには、早期の判断とデータ復旧業者の選定が欠かせません。どこの復旧業者を選べば良いのか悩んだ時には下記の様な項目を確認しましょう。困らずに済みます。
- 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
- 復旧作業のスピードや対応が早い
- 復旧料金プランや復旧費用例が公式サイトに明記されている
- クリーンルームなど専用の環境下や専用ラボで復旧・修理対応を行っている
- 情報の守秘義務やセキュリティ管理が徹底されている
- データ復旧の実績や事例紹介が豊富である
復旧業者は数多く存在していますが、技術力や復旧サービスの内容には大きな差もあるものです。どこの復旧業者に出しても同じように早い対応と費用を抑えたデータ復旧ができるわけではないため注意しましょう。アドバンスデータ復旧は1から6の項目、全てを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復旧・修理作業を行うことから、迅速な対応と低価格でのデータ復旧サービスを実現しています。NASやRAIDサーバー、外付け・内蔵HDD、SSD、パソコン(Windows・Mac・自作・タブレット型)、SDカード、USBメモリ、ビデオカメラ、ドライブレコーダーなど、様々な機種に対して復旧実績も多くあり、安心です。
NASから異音がする場合にやってはいけないこと
NASから異音がしている場合に誤った操作を行うと、状態が悪化して、データの復旧が困難になる危険性が高まります。特にHDD内部の異常が原因で異音が生じている場合には、少しの通電や振動でも致命的なダメージを与えてしまうことが少なくありません。ここでは、NASから異音がする際に「やってはいけない行動」を整理していきます。
- 電源のオン・オフを繰り返す
- 衝撃を与える・叩く
- 普通の環境下で作業を行う
- 復旧ソフトを使う
- 長時間放置する
1.電源のオン・オフを繰り返す
NASから異音がしている状態で電源を何度も入れ直すと、HDD内のヘッドがプラッタと接触したままその都度動くため部品の損傷具合がさらに悪化する他、データの読み取り面であるプラッタに傷や溝が発生し続ける危険性が高まります。NASが起動できるか、共有フォルダにアクセスができるか確認したい気持ちがあったとしても、NASから異音が鳴っているような時には電源操作は避けることが重要となります。
↓NASにアクセスができない状況でお困りの方はこちらも参照ください。
2.衝撃を与える・叩く
NASが起動しない・共有フォルダにアクセスができない・エラーメッセージやエラーコードが表示される・本体のランプが赤や橙色、緑色などで点滅するような時には慌ててしまうものです。そんな時には普段ならやらないようなこと・NASを叩いたり、HDDを取り外して振ってみたりなどを行ってしまう方もいますが、NASやHDD、SSDなどの記録媒体は精密機器です。物理的な衝撃で一時的に動作が変わることはありますが、内部のヘッドやモーターに大ダメージを与えるリスクが非常に高い行為となるため注意が必要となります。特にHDDが搭載されたNASは叩いたり衝撃が加わったりすることで症状が重篤化するケースが多く見られます。
3.普通の環境下で作業を行う
NASやHDDなどの精密機器から安全にデータの復旧および修理作業を行うにはクリーンルームなどの専用環境下での対応が必須となります。クリーンルームなどの専用環境以外でHDDを開封すると、空気中の微細なほこりや塵がプラッタに付着して、データが永久に失われる原因になることも多く起こりえるものです。出張業者ではオフィスや家など普通の環境下で復旧・修理作業を行う為、状態を悪化させてしまうリスクが伴います。早く安く確実に異音がするNASからデータを取り出したいと思った時にはクリーンルームを完備したプロのデータ復旧業者に相談することを優先しましょう。人間の手術を専用の手術室で行うのと同様のイメージです。
4.復旧ソフトを使う
NASからデータを取り出したいと思った時には復旧ソフトを使う方法が頭に浮かぶかもしれません。しかしながら、異音が出ているNASに対して復旧ソフトを使うことはできないものです。そもそも、復旧ソフトは軽度の論理障害が生じている機器にしか使えないものですが、異音が生じている時点で論理障害ではなく物理障害が発生していると判断ができる状態となります。そんな時に無理に復旧ソフトの機能を使おうとすると、それだけでデータ領域がさらに破壊される・データが意図しない形で上書きされる・故障箇所が増えるなど状態が重篤化することが大半です。復旧ソフトの読み取り処理が物理的損傷を悪化させることが大半であるため、NASに異常が出た場合には復旧ソフトを使った方法は選択肢かがら外しておいた方が良いものです。
5.長時間放置する
異音が鳴っている状態でNASを放置すると、HDD内でデータが保存されているプラッタに傷や溝が増える他にもNAS内部の温度上昇やモーター負荷によって故障具合が悪化することもありえます。特にRAID構成のNASでは、一台のHDDに生じた障害が他のディスクにも波及して、複数台の同時故障に繋がることも多いため注意が必要となります。NASから異音がするような場合には電源を切ることから始めましょう。
まとめ・異音が出たNASは早めに専門家の診断を受けることが大切
NASから異音がする場合には、その多くはHDDや冷却ファンなどの内部部品に物理的な異常が生じているサインとなります。「カチカチ」「カリカリ」「ブーン」「ジー」などの異音が鳴った時には、電源を切ることから始めましょう。異音が発生しているNASに対して通電を続ける・電源の入り切りや再起動などを行っただけでも状態が重篤化して、データ復旧作業の難易度が上がるばかりか取り返しのつかない状況に陥ってしまう事も多く起こりえるものです。NASが発する異音が小さい場合も放置すれば重大なトラブルに繋がることもありえます。大切な業務データや大事な記録を守るためには、音の変化に気づいた時点で安全な対応を取ることが何より重要となります。異音が出たNASは無理に動かそうとせず、早めに専門家の診断を受けることが、データの損失を最小限に抑える最も確実な方法として挙げられるものです。アドバンスデータ復旧はNASに生じる様々なトラブルに対して数多くの復旧実績もあり、安心です。万が一、NASに問題が生じて困ったり悩んだりした際には無料の相談から始めてはいかがでしょうか。