iPadを使っている時に間違ってデータを消した・ファイルを誤削除した・アップグレードしたらデータが消えた等、デバイスのデータを失ってしまう事態に陥ってしまうことも少なくありません。iPadの中には写真や動画、音楽やメモ、アプリのメッセージなど失いたくないデータを保存していることも多いものです。ここでは、iPadのデータ復元・復旧方法や注意点も紹介していきます。
iPadとは
iPadはApple社が製造・販売を行っているタブレット端末のシリーズ名の事を指します。液晶ディスプレイはマルチタッチに対応しており、OSは専用のiPadOSが搭載されています。ノートパソコンと同様の使用が可能な他、
iTunes Store やApp Storeを通じて多くのコンテンツやアプリケーションのダウンロードを行うことができます。
iPadの種類
iPadの種類は大きく分けて4種類です。
種類 | 特徴 |
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iPad | スタンダードモデル。 |
iPad Air | スタンダードモデルよりも画面が大きく性能も高い・薄くて軽いため持ち運びに適している。 |
iPad Pro | iPadの最上位モデルで高性能。※詳しくは下記で紹介しています。 |
iPad mini | 一番小さいサイズ。スマートフォンより大きく使いやすさと簡単な作業やインターネット検索などに適しているモデル。 |
それぞれ、Wi-FiモデルとWi-Fi + Cellularモデルを選ぶことができます。
・iPad Pro(12.9インチ 第5世代)の特徴
最新のiPad Proは12.9インチと従来のiPadと比べて画面がとても大きくなっています。ディスプレイはLiquid Retina XDRを搭載しており、動画や写真の編集にも適した繊細な画面表示が可能です。カメラは広角カメラと超広角カメラ、複数のカメラが搭載されており写真やビデオ撮影、ビデオ通話などの性能も上がっています。また、M1チップが内蔵されることから、他のどのタブレットよりも処理が早く、電力効率が高い特徴を持っています。その他、「Magic Keyboard」と「Apple Pencil」を使うことで作業効率・クリエイティブ性の向上も期待できるものです。
iPadのデータ復元が必要となる症状例
iPadのデータ復元が必要となる症状は下記のようなものがあります。
- iPadが反応しない
- iPadが頻繁にフリーズする
- 誤削除した・間違ってデータを消してしまった
- アップグレードしたらデータが消えた
- iPadの電源が入らない・起動しない
- iPadが充電できない
iPad内のデータが消えてしまう原因は
iPad内のデータ消えてしまう原因は大きく分けて「論理障害」と「物理障害」の2つです。
・iPadに生じる論理障害
論理障害とは、ファイルシステムの破損やヒューマンエラーによって引き起こされるものです。デバイスに「論理障害」が発生した時には下記のような症状が出てしまう事があります。
①iPadのデータ復元が必要となる症状例で紹介した内容のうち、1から4の症状
②OSが正しく起動しない(リンゴマークがループする)
③保存したデータにアクセスができない
④再起動を繰り返す
・iPadに生じる物理障害
物理障害とは、機器本体が物理的・機械的に故障したことによって発生します。デバイスに「物理障害」が発生した時には下記のような症状が出てしまう事があります。
①iPadのデータ復元が必要となる症状例で紹介した内容のうち、5から6の症状
②画面が真っ黒の状態から変わらない
③外部ストレージ(外付けHDDなど)を認識しない
物理障害は落下や水没、落雷、経年劣化などによって引き起こされるものです。iPadの電源がつかない・起動しない場合には物理障害が発生していることが多く、通電し続けるだけでも状態が重篤化してしまうこともあるため、電源ケーブルを抜くことを優先しましょう。
↓外付けHDDが認識しない場合、こちらの対処法をお試しください。
PCのiTunesを使ってiPadを復元する方法
iPad に生じる症状のうち、1.iPadが反応しない・2.iPadが頻繁にフリーズするといったトラブルが起きている時にはデバイス自体に問題が発生していることが考えられるものです。そんな時には下記の方法で問題が解決できることがあります。
注意点:iPadのソフトウェアを復元した場合、本体に保存している情報や設定は全て削除されてしまいます。復元を行う前にiTunes上でデバイスのバックアップが正しく行われていればそのバックアップを使うことでデバイスを最後に使用していた状態に復元することが可能です。作業を行う前には必ず、バックアップの有無を確認しておきましょう。バックアップが取れていないかもしれない時には無理に進めることは避けた方が良いものです。
・PCのiTunesを使ってiPadを復元する手順
- パソコンにデバイスを接続する
- パソコンのiTunesアプリケーションを開く
- iTunesウィンドウの左上のデバイスボタンをクリック
- 「概要」をクリック
- 「復元」をクリックして画面の指示に従って操作を行う
※1.PCにデバイスを接続する際にはUSBケーブル・USB-Cケーブル・Wi-Fiを使って接続させましょう。
※iPadが反応しない・頻繁にフリーズするなどの不具合が出た時にデバイスを譲渡・売却したい時にも機器を動作可能するために上記方法を実行した方が良いものです。
※上記方法でiPadのソフトウェアを復元した場合には保存されている情報や設定は全て消えてしまうため、iTunesや外部メディアでデータのバックアップが取れていない・バックアップが取れているか不安な方は作業を進める前にプロのデータ復旧業者に連絡することを優先しましょう。
※パソコンに接続したデバイスを取り外す前には「取り外しボタン」を忘れずにクリックする必要があります。
バックアップからiPadを復元する方法
iPad に生じる症状のうち、3.誤削除した・間違ってデータを消してしまった場合には下記の方法で問題が解決できることがあります。
※デバイス内のバックアップがiCloudやパソコン、外付けHDDなどにきちんと残っている時に試せる方法です。
・iCloudのバックアップからiPadを復元する手順
- デバイスの電源を入れる→「こんにちは」画面が表示される
- 「Appとデータ」画面が出るまで進む→「iCloudバックアップから復元」をタップ
- iCloudにAppleIDでサインインする
- バックアップを選択→転送が始まる
- 新しいバージョンのソフトウェアが必要な場合はアップデートを行う
- 案内に沿ってAppleIDでサインイン→Appと購入していたコンテンツを復元させる
- 進行状況バーが表示される→終わるまでWi-Fiに接続したまま待つ
- 設定を完了させて作業終了
※1で電源を入れた後、デバイスの設定がすでに完了している場合には上記手順で復元作業を行う前にデバイス内のコンテンツを全て消去しておく必要があります。
※4でバックアップを選択する際には日付やサイズを見比べて最適なものを選びましょう
※5の作業を行う際、複数のAppleIDでApp StoreやiTunesからコンテンツをダウンロードしていた場合には各ID別にサインインが必要となります。パスワードがわからない・思い出せない時には「この手順をスキップ」をクリックすれば後でサインインし直すことも可能です。AppleIDでサインインが行われるまでそのAppは使用不可となります。
※7で進行状況バーが最後まで進むまでに数分以上かかる事もあります。Wi-Fiを途中で切ったり切るタイミングが早すぎたりすると再接続が開始されるまで進行状況バーは一時的に停止します。
※8で設定が完了してデバイスが使えるようになっても音楽やApp、動画、写真、コンテンツなどの情報の量によって復元はバックグラウンド上で行われる為、Wi-Fiと電源ケーブルの接続には気を付ける必要があります。情報量によっては数時間から数日程度かかることもあるためです。
・パソコン上のバックアップからiPadを復元する手順
Apple製のパソコン、MacやMacBook、WindowsのPC上にiPadのバックアップが取れている時には下記のような手順で復元を試みます。
- FinderもしくはiTunesを開く
- USBケーブルでデバイスをパソコンに接続する
- Finderウィンドウor iTunesに復元希望のデバイスが表示されたら選択する
- 「バックアップを復元」をクリック
- バックアップの内容(日付やサイズ)を見比べて選択する
- 「復元」を押して終わるまで待つ
- デバイスが再起動→パソコンと同期が終わるまで待つ
- 同期が終わったらデバイスをパソコンから取り外す
※手順1を進める際、OSによって開く場所が変わります。
macOS Catalina 以降を搭載しているMac:Finder
macOS Mojave 以前のOSが搭載されている Mac:iTunes
Windows のパソコン:iTunes
※2でデバイスのパスコードを求められた時には入力しましょう。また、「このコンピュータを信頼しますか?」とメッセージが出た時には案内に従って操作を行います。
※6でパスワードの入力を求められた時には入力しましょう。(バックアップが暗号化されている場合)
・外付けHDDやSSD、NASにiPadのバックアップがある場合は
データを間違って消してしまった・初期化を行ったとしても事前に外付けHDDなど別のデバイスにバックアップデータを保存している場合にはUSBケーブルでパソコンに接続し、ファイルを移し替えればすぐに復元が可能となるものです。
復元ソフトを使ってiPadのデータを復旧するには
iPad に生じる症状のうち、3.誤削除した・間違ってデータを消してしまった・4.アップグレードしたらデータが消えた時には復元ソフトを使ってデータの復旧を試みる方法があります。
・復元ソフトを利用してiPadのデータを復元する手順
- 復元ソフトを探す
- 復元ソフトをパソコンにインストールする
- デバイスをパソコンに接続する(iTunesは閉じた状態)
- 復元ソフトを実行させる
- 「iCloudバックアップから復元」「iTunesバックアップから復元」「iOSデバイスから復元」から1つを選択
- スキャンを開始する
- 復元可能なファイルがあれば表示される
- 「復元」をクリック→パソコンorデバイスに保存する
※5で「iCloudバックアップから復元」を選択した時にはAppleIDへのサインインが求められます。
・復元ソフトを利用して復旧が見込めるデータ例
メモ、音楽、動画、写真、メール、カレンダー、連絡先、アプリ、メッセージなど |
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・iPadに対応した復元ソフト例
dr.foneデータ復元(Wondershare)/PhoneRescue/ EaseUS Mobisaver Proなど |
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・復元ソフトを使うメリット
簡単に操作できそう/安く復元できる可能性がある等 |
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・復元ソフトを使うデメリット
経年劣化や物理障害によってトラブルが発生している時には復元ソフトは使えない・ソフトをかけることで状況が悪化してしまう/論理障害によって不具合が起きていても復元ソフトを利用したことでデータが上書きされてしまうことも多い/スキャンをかけたことでデータの復元自体が難しくなることも起こりえる/デバイスが壊れかけている時にソフトを使うと完全に壊れてしまう/無料ではなく有料ソフトを使っても復元されないことやデータの復元が限定的・破損した状態で復元されてしまうことも少なくない等 |
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デバイスに入っているデータが大事なもの・取り出せないと困ると少しでも考えた時には復元ソフトは使わない方が良いものです。復元ソフトを試すことはメリットよりもデメリットが目立ちます。ソフトを探している段階やスキャン途中でも困ったり悩んだりした時には手を止めましょう。ソフトを使わなければ早く安く確実に復元できたものがソフトを使うことで復元自体が難しくなってしまうことも起こりえます。
故障したiPadからデータを復元したい時は
iPad に生じる症状のうち、5.iPadの電源が入らない・起動しない6.iPadが充電できないといったトラブルが起きている時にはデバイス本体が故障している・物理障害に問題が発生していることが考えられるものです。デバイス本体を落としたりぶつけてしまったりと衝撃が加わった場合や水やコーヒーがこぼれて水没した後やいつもと同じように使用していたとしてもある日突然、動かなくなってしまうことも少なくありません。電源ケーブルを繋いだまま通電し続ける・電源の入り切りや再起動を試そうとボタンを何度も押すことで状況が悪化してしまうことも多いものです。デバイスに入っているデータが大事・データを取り出したい時にはプロのデータ復旧・修理業者に連絡することを優先しましょう。メーカー(Apple)に修理に出した際には中のデータは初期化されてしまい、全て消えた状態で戻ってくることになります。データは不要でデバイスが使えるように戻れば良い方はメーカー(Apple)や購入店へ相談を。データが必要な方はデータ復旧業者へ相談するようにしましょう。
↓iPadの電源が入らなくてお困りの方はこちらも参照ください。
iPadのデータを復元したい場合の対応方法を紹介
iPadに不具合や障害が発生してしまった時にはデバイス内の「データは不要で機器を使えるように修理したい・直したい」のか「データが必要で復旧(復元)したい・取り出したい」のかによって対応方法は変わります。データが不要な方は「メーカーや購入店」へ。データが必要な方は「データ復旧業者」に相談することを検討しましょう。
- メーカー(Apple)や購入店に修理に出す方法
- データ復旧業者に相談する方法く
1.メーカー(Apple)や購入店に修理に出す方法
データは不要でデバイス本体が正常に動けば良い・修理だけ行いたい方はメーカー(Apple)や購入店に相談・修理に出す方法を検討しましょう。メーカー(Apple)や購入店に機器の修理を依頼した場合には中のデータは保証されず初期化され全て消えた状態で戻ってくるものと理解しましょう。メーカー(Apple)や購入店に出す方法は保存しているデータが完全に必要無い場合に限定しておいた方が良いものです。
2.データ復旧業者に相談する方法
機器に保存しているデータを復旧したい・取り出したい・費用を抑えたい・失敗したくない方はデータ復旧業者に相談する方法を選択しましょう。データ復旧業者は数多く存在しているため高度な技術力を持った会社を選ぶ事が重要です。技術力の無い会社に出してしまうとデータの復元が難しいばかりか状態を悪化させられてしまうことも起こりえます。高度な技術力がある会社に出すことで初めて費用を抑えたデータの復元が可能となるものです。
データ復旧業者の選び方
iPadに症状や不具合が起きている際にデータを取り出したい・復元したいと思った時には下記のような点に注目すると業者選びがしやすくなります。
- 高度な技術力を有しているか(独自技術やAI技術の有無)
- 作業スピードや復元に要する時間は早いか
- 料金プランや費用面の記載がホームページにあるか
- 情報の守秘義務・セキュリティ管理は厳密か
- クリーンルームなど専用の環境で作業を行っているか
- 復旧事例や実績の有無
まとめ・万が一、困った時は
iPadの使用時に間違ってデータを削除してしまった・突然、データが消えた・機器が反応しない等、何かしらトラブルが出た時にはデバイスの使用を止めることから始めましょう。通電し続ける事や電源の入り切りや再起動を行うだけでも状態は重篤化してしまいます。早く問題を解決したい・費用を抑えたいと考えたときこそ、手を止めることが重要です。iPad内のデータが大事な方・取り出せなくなると困ると少しでも考えた時にはプロのデータ復旧業者に相談することを優先しましょう。メーカーや購入店に修理に出してしまうと中のデータは消えてしまいます。MacやiPadなどAppleの製品は不具合が起きにくい機種とも言われており、一旦、トラブルが起きてしまうと技術力の無い会社では対応が難しいことも多いものです。そのため、高度な技術力を持った業者を選ぶことが大切です。アドバンスデータ復旧は独自技術やAI技術を持っており高度な技術力でデータの復旧を行っている会社です。費用も抑えられるためおすすめです。