Accessのデータベースを復元するには?誤削除・破損・エラーなど症状別の対処法を紹介

Accessのデータベースを復元するには?誤削除・破損・エラーなど症状別の対処法を紹介 Accessのデータベースを復元するには?誤削除・破損・エラーなど症状別の対処法を紹介

Microsoft Accessで作成されたデータベースは業務記録や顧客情報など、非常に重要なデータを扱うことが多く、そのファイルが突然開けなくなったり、誤って削除してしまったりすると大きな混乱を招きかねません。
特に長年にわたって蓄積した.mdbや.accdb形式のファイルが破損・消失した場合には、復旧が難しくなると大きな支障が出る事態に陥ってしまいます。状況によっては、自力でAccessのデータベースを復元することが困難なケースもありえるため、初動対応を誤らないことが非常に重要となります。
本記事では、Accessのデータベースを復元したいトラブルが発生した場合に適切な対処方法について、よくあるトラブル別に整理しながら詳しい復元手順や注意点をわかりやすく解説していきます。
データを失いたくない・業務への支障を最小限に留めたい場合に、最初に何を確認した方が良いのか、そしてどう行動すれば安全に復元できるのか等、Accessのデータベースを復元したい場合の対処法を専門的な視点から紹介していきます。

目次

Accessのデータが消えた・データベースが開けない時にまず確認したいこと


Accessのデータベースが突然開けなくなった・保存していたはずのデータが見つからない時には、冷静に原因を整理することが重要です。Access特有のファイル形式やエラー表示内容によって、適切な復元方法は異なるものです。まずは以下の2点から確認してみましょう。

  1. Accessによく発生するトラブルの種類(削除・破損・開けない・エラーなど)
  2. ファイルの保存場所や形式(.mdb/.accdb、バックエンド・フロントエンドの違い)

1.Accessによく発生するトラブルの種類(削除・破損・開けない・エラーなど)

Accessで多く見られるトラブルは次のようなものが挙げられます。

ファイルを誤って削除してしまった
データベースが破損して開けない
特定のオブジェクト(テーブルやフォーム)だけが開けない
エラーメッセージが表示される

・Accessに表示されるエラーメッセージ例

特に、以下のようなエラーメッセージが表示された際には注意が必要となります。

「認識できないデータベース形式です。現在のAccessバージョンでは開けません。」(エラー 3343)
「Microsoft Access データベース エンジンはファイル ‘〇〇.accdb’ を開くことができません。」(エラー 3049)
「ObjectName を見つけることができません。」(エラー 3011)
「このデータベースは壊れています。修復してください。」
「ファイルは使用中です。現在、他のユーザーがこのファイルを使用しています。」(エラー 3045)
「Microsoft Access では、VBA プロジェクトが壊れています。」

これらのエラーが出た時には、データベースの破損、競合、ロックがかかっている、互換性の問題など、さまざまな原因が考えられるものです。
※Accessのバージョンによっては、エラー番号が同じでもメッセージ文言が異なることがあります。
※共有環境でロックエラーが頻発する場合には、同時編集の制御やバックアップ運用の見直しが必要になることもあります。

2.ファイルの保存場所や形式(.mdb/.accdb、バックエンド・フロントエンドの違い)

Accessのファイル形式や保存先の構成もトラブル発生時の対処方法に影響を及ぼすため、以下を確認しましょう。

・ファイル形式

.mdb(Access 2003以前)
.accdb(Access 2007以降)

※古い .mdb は破損しやすく、現行バージョンで開けない場合もあります。

・保存先

ローカルPCかネットワークドライブか?
NASやクラウド上の共有フォルダを利用していないか?

ネットワーク越しの利用はデータベースの破損リスクを高めるため、ファイル共有で運用している場合は特に注意が必要です。

・構成の違い

フロントエンド:ユーザー画面など(.accdb)
バックエンド:テーブル(.accdbまたは.mdb)

この2つに分かれている場合、バックエンド側の破損やネットワークエラーでデータベースにアクセスできなくなるケースが多発しています。
また、Accessのデータベースを復元したい時にバックアップファイルを同名で保存するのは大変危険な行為として挙げられます。元のファイルが上書きされてしまうため、別名での保存が基本となります。

症状別に見るAccessデータの復元方法


Accessのデータベースに問題が発生した際には、症状や状況によって復元方法が異なります。ここでは代表的な5つのケースに分けて、それぞれで試せる復元方法や注意点について詳しく解説していきます。

  1. 誤ってAccessファイルを削除した場合の復元方法
  2. Accessファイルが破損して開けない時の復元方法
  3. フォームやテーブルだけが表示されない・消えた場合の復元方法
  4. 「ファイルを認識できません」などのエラーが出た時の復元方法
  5. NASや共有サーバー上で消失・破損が起きた場合の復元方法

1.誤ってAccessファイルを削除した場合の復元方法

Accessファイル(.mdbや.accdb)を誤って削除してしまった場合には、初動対応がその後の復旧可否を大きく左右するものです。焦ってパソコン操作を進める前に以下のポイントを確認して、適切な復元方法を確認しましょう。

・ごみ箱から復元する方法


Accessファイルを誤削除してしまった時には、Windowsのごみ箱を開いて該当のAccessファイルが残っていないか確認することから始めましょう。ファイルを通常の方法で削除しただけであれば、ごみ箱に入っている可能性があります。ごみ箱にファイルが入っていた場合には、右クリックから「元に戻す」で復元が可能です。
※ごみ箱からファイルを復元する方法はローカル環境での使用に限られます。NASや共有サーバー上で削除されたファイルはごみ箱に残らないため、注意が必要となります。

↓ごみ箱にあったデータを復元したいと思った時にはこちらも参照ください。

・Windowsの「以前のバージョン」から復元する方法(VSS機能を使う)


ごみ箱内に削除したAccessのファイルが見つからない場合でも、ボリュームシャドウコピー(VSS)機能によって、復元できる可能性があります。該当フォルダを右クリックして「プロパティ」→「以前のバージョン」タブを確認し、過去の状態に戻すことが可能か確認してみましょう。
※ただし、以前のバージョン機能は有効になっていない時には使えないものです。バックアップソフトや管理者による設定がなければ履歴自体が表示されないこともありえます。

・バックアップから復元する方法

定期的なバックアップを取っている場合には、最新のバックアップから削除したAccessファイルを復元できるか確認してみましょう。ただし、バックアップファイルを元の名前・元の場所に直接、上書き保存するのは大変危険な行為として挙げられます。誤って破損状態を上書きしないように、別名でコピーした上で作業を進めましょう。
また、「削除した」と思っていたファイルが、実際には別のフォルダに移動していただけというケースもありえるため、エクスプローラーの検索なども併用して探した方が良いものです。

・データ復元ソフトの使用には注意

データ復元ソフトを使えば、ごみ箱からも削除されてしまったファイルを復元できる可能性があります。ただし、次のような注意点が挙げられます。

Accessファイルは構造が複雑なため、データ復元ソフトの機能では正常に開ける状態で復旧されるとは限りません。
復元ソフトをインストールすることで、削除したファイルの領域が上書きされてしまう危険性も高まります。
安易な操作により、破損した状態でファイルが復元されてしまい、開けなくなることも多く起こりえます。

・通電・操作は最小限に

Accessのデータベースを誤って削除してしまった後にパソコンを使い続けると、復元できたはずのファイルが上書きされ、復元自体が不可能になることもありえます。特にSSD環境ではデータの上書きが早いため、誤削除したデータが重要なものである場合はすぐに機器の使用を停止して、プロのデータ復旧業者に相談することを優先した方が良いものです。

※このように、Accessファイルの誤削除時には「上書きのリスクを避ける初動対応」が非常に重要となります。復元ソフトの機能を試したり、パソコン操作を続けたりするだけでも取り返しのつかない結果を招くことがあるため、慎重な対応が求められるものです。

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2.Accessファイルが破損して開けない時の復元方法

Accessファイル(.mdb/.accdb)は構造が複雑なため、破損すると通常の手順では開けなくなることがあります。破損の原因や状態によって復元方法は異なるため、以下の対処方法を順に確認してみましょう。

・Access起動時に修復メッセージが表示される時の復元方法

Accessで破損ファイルを開こうとすると、「このデータベースは破損しており、修復が必要です」等のエラーメッセージが表示されることがあります。このような場合に「はい」を選択すると、Accessが自動的に修復を試みます。
※自動修復後、問題なく開けるようになることもありますが、完全には復元できないこともありえます。
※修復後は念のため別名で保存し、元ファイルはバックアップとして残しておくと安全です。

・最適化/修復機能の利用手順と注意点

Accessには、ファイルを修復するための「データベースの最適化/修復」機能が備わっています。以下の手順で修復機能の利用が可能です。

  1. Accessを起動して「空のデータベース」を開く
  2. 「ファイル」→「開く」→破損ファイルを選択
  3. 自動で修復が実行される場合がある
  4. または「情報」→「データベースの最適化/修復」を選択して手動で実行する

※データの破損の度合いが重いと、最適化/修復では対応できないこともあります。
※ファイルを直接ダブルクリックして開くのではなく、Accessを先に起動して操作することが重要です。

・オブジェクト単位での部分的な復元(インポート)を試す

上記の手順で修復がうまくいかない場合には破損ファイルを丸ごと開くのではなく、新しいデータベースを作成して、そこに破損ファイルのテーブルやクエリ、フォームなどをインポートして復元する方法も選択肢に挙がってきます。

  1. Accessを起動して新しい空のデータベースを作成する
  2. 「外部データ」→「Access」→破損ファイルを指定する
  3. インポート画面でテーブルやクエリなどを選択して取り込む

※部分的にデータを取り出せる場合があるため、完全に破損しているように見えても諦める前に試す価値がある復元方法になります。

・バックアップがない/修復できない場合の復元方法の選択肢

定期的にバックアップを取っていれば、過去の正常な状態に戻せる可能性があります。社内NASや外部HDDなども含め、保存先を再確認してみましょう。
バックアップもなく、上記の修復やインポートも失敗する場合には、ファイル構造自体が深刻に破損していることが多く、手を止めることが最善の対処方法になりえます。
開かないデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合にはAccessに特化したデータ復旧業者による解析が有効な手段として挙げられます。自力で操作を続けると破損の状態が進行するおそれがあるため、重要なデータであれば早期の対応が望ましいものです。

※Accessファイルの破損は原因や状況によって対応が大きく異なります。データを失いたくない・早く安く確実にデータを取り出したいと考えた場合には、早まった操作は避け、慎重な対応を心がけましょう。

3.フォームやテーブルだけが表示されない・消えた場合の復元方法

Accessファイルは開ける状況でも一部のテーブルやフォーム、クエリなどが表示されないことがあります。そのような時にはファイル内のオブジェクトに何らかの問題が発生していることを示していることが大半です。ここでは一部のテーブルやフォーム、クエリなどが表示されない場合の復元方法を紹介します。

・オブジェクトの非表示を変更して復元する

Accessのナビゲーションペインで、表示されるオブジェクトが非表示になっている事もありえます。そんな時に試せる復元手順は下記の通りです。

  1. 「ナビゲーションペインのオプション」で「非表示オブジェクトの表示」にチェックを入れて確認する
  2. 「カテゴリ別表示」や「種類別フィルター」などが設定されていないかも確認する。

※表示条件によっては、本来あるオブジェクトが一時的に見えなくなることもあるためです。

・オブジェクトが削除されたか移動した可能性を探る

テーブルやフォームなどが間違って削除された・別のデータベースへ移動された可能性も考えられます。特にバックエンド・フロントエンドに分かれた構成のAccessファイルでは、バックエンド側のファイルが移動・削除されると、リンク先が切れてしまいオブジェクトが表示されなくなるため注意が必要です。下記のような手順で復元できるか確認してみましょう。

  1. 現在のデータベースに含まれるオブジェクトを「ナビゲーションペイン」や「実行されているクエリ」などを再確認する
  2. 「インポート」機能を使用して、別の正常なファイルにオブジェクトが残っているか検索する
  3. 「リンクテーブルマネージャー」を使って、リンクの状態や再接続を確認する

・リンク切れやオブジェクト破損が起きていないか確認する

フォーム、テーブル、レポートなどが何らかの理由で存在しなくなっている場合には、読み込めず表示されないことがあります。
「リンク先ファイルが削除されている」、「リンクパスが変更されたことに気づいていない」、「オブジェクト自体が破損している」、このような場合には「外部データ」のインポート機能を使って別のファイルに残っているオブジェクトを取り込むことで復元できる可能性が高まります。

・Accessのバージョン違いがないか確認する

異なるAccessのバージョンで作成されたファイルを開いた時には、オブジェクトの表示に不具合が出ることがあります。特に、旧バージョン(.mdb)を新バージョンで開いた際には一部の機能が制限されることもありえます。そんな時には下記のような対処方法が選択肢に挙がってくるものです。

別のパソコンや別のAccessバージョンで開いて確認してみる
ファイル形式を一度変換してから再読み込みを行う

※Accessのファイルが開けてもオブジェクトだけが消えている場合には、非表示設定、リンク切れ、バージョン違い、オブジェクト破損など多くの原因が考えられるものです。安易な操作を進めて状態を悪化させる前に、まずは表示設定やファイル構成を丁寧に見直して、問題の切り分けを行うことが重要です。

4.「ファイルを認識できません」などのエラーが出た時の復元方法

Accessのデータを開こうとした時に「ファイルを認識できません」や「ファイルを開くことができません」などのエラーメッセージが表示される際には、ファイル構造の破損やバージョンの不一致が原因となっている可能性があります。以下では、Accessに表示されることのあるエラーメッセージの種類と原因、それぞれに応じた対処方法を解説していきます。

・よく発生するエラーメッセージの種類

「Microsoft Access データベース エンジンはこのファイルを認識できません」
「ファイル ‘xxxxx.accdb’ は Microsoft Access データベースではありません」
「Microsoft Access はこのファイルを開くことができません。ファイルは他のユーザーによってロックされている可能性があります」
「Microsoft Access データベース エンジンは、ファイル ‘xxxxx.mdb’ をロックできませんでした」
「このデータベースは以前のバージョンで作成されており、現在のバージョンでは開けません」
「このデータベースは読み取り専用で開かれました」
「データベース ‘xxxxx’ を修復または再構築する必要があります」
「データベース エンジンが ‘xxxxx’ を見つけることができませんでした。ファイル名とパス名が正しいことを確認してください」
「Microsoft Access はファイルを開けません。ファイルが破損している可能性があります」
「Microsoft Access はこのファイルの形式を認識できません。このファイルは有効な Access データベース ファイルではない可能性があります」

※いずれも、Access がそのファイルを正しく解釈・読み込みできない状態であることを示しているものです。

・ファイル形式・バージョンの不一致

Accessのファイルには主に「.mdb(Access 2003以前)」と「.accdb(Access 2007以降)」の2種類の形式があり、古いバージョンのAccessでは新しい形式のファイルを開けないことがあります。そのため、ファイルが開かなかった時には下記のような対処方法が選択肢に挙がってきます。

  1. 開こうとしているファイルの拡張子が、使用しているAccessのバージョンに対応しているか確認する
  2. 必要に応じて、OfficeのバージョンアップやAccess Runtimeのインストールを検討する

・ファイル構造が破損している場合の復元方法

USBメモリやNAS内に保存しているAccessのデータベースを直接操作していた場合にはファイル構造が破損しやすい傾向にあります。保存途中に発生した障害や異常終了などが原因となり、ファイルのヘッダー情報やオブジェクト構造に異常が生じると、Accessはそのファイルを読み取れなくなってしまいます。そんな時に試せる復元方法は下記の通りです。

  1. 別のパソコン・別のAccess環境で開けるか試してみる
  2. バックアップがあればそちらからの復元を最優先とする
  3. Accessの「最適化/修復」機能を使って修復を試みる(ただし効果がないこともありえる)
  4. 「新しいデータベースにオブジェクトをインポート」して開ける可能性を探る

・他アプリで作成されたファイルに注意

Access以外のツール(サードパーティ製のエクスポートツールなど)で作成された疑似Accessファイルを開こうとすると、形式不明として弾かれることがあります。その際には作成元がAccessであることを確認しましょう。「.accdb形式」でも、内部構造が正しくないとデータベースが開けなくなるため注意が必要です。

・回避したいNG操作

  1. 繰り返しファイルを開こうとする(破損状態が悪化してしまう)
  2. 別のアプリケーションで無理に開こうとする(ExcelやWordなど別のMicrosoftソフトで開く等)
  3. オリジナルファイルを上書き保存する

誤操作が原因でさらに状態が重篤化することもありえます。エラーメッセージが表示されたファイルを失いたくない・早く安く確実にAccessのデータベースを取り戻したいと考えた時には手を止めてプロのデータ復旧業者に相談することも検討しましょう。

※Accessでエラーメッセージが表示され、データベースが使用できない時にはファイル形式の不一致と物理的・論理的破損の両面から冷静に原因を切り分けることが重要です。焦ってファイルを開こうとせずに、バックアップの利用や安全な環境での確認を優先しましょう。

5.NASや共有サーバー上で消失・破損が起きた場合の復元方法

AccessのデータベースをNASや共有サーバー上に保存している場合には、ネットワーク環境や運用のクセに起因する特有のトラブルが発生することがあります。ここでは、よく生じるトラブルや注意点、復元の難しさについて解説していきます。

・ネットワーク障害や接続不良によって生じるトラブル例

クライアントPCとNASの接続が一時的に切断された際にAccessファイルが正常に保存されず、破損した
保存中にネットワークが不安定になった・接続がタイムアウトしたことによって、ファイルヘッダーやインデックスに不整合が生じ、開けなくなった

※無線LAN経由でNASにアクセスしている環境では、こうしたファイル破損のリスクが高まります。
※SMBプロトコルによる一時的な切断や遅延が起きると、編集中のファイルが破損する原因になることもありえます。
※オフラインキャッシュ機能が有効になっていると、意図せず古いバージョンが上書きされてしまうこともあります。

・誤操作、誤転送による上書きや削除が生じるトラブル例

同一ファイルに複数のユーザーが同時アクセスし、競合が発生して意図しない上書きが行われた
ファイルコピー時の確認不足や不要な自動同期ソフトの影響で、古いバージョンの状態でデータが上書きされた

※ユーザーの誤操作により、バックアップファイルやオブジェクトが削除されるケースも多く見られます。
※Windowsエクスプローラーやアプリケーション上での操作ミスにより、重要なオブジェクト(テーブル・クエリ・フォームなど)が消失することもありえます。

・NAS側の不具合や障害が発生した場合のトラブル例

NAS自体に物理障害(HDD故障・RAID崩壊など)が発生して、Accessファイルだけでなく保存された全データが使用不可になった
アクセス権の誤設定やNASのファームウェアの不具合によって、特定のファイルが消失・破損した
NASメーカー固有の動作仕様により、アクセス中にファイルがロックされ解除できなくなった
短時間で複数回アクセスを試みた結果、自動的に接続制限がかかり、それが原因でファイルが破損した

↓共有フォルダからデータを削除してお困りの方はこちらの記事もご確認ください。

・その他、生じるトラブルと注意点

ファイルロック系のエラー表示 NAS上でファイルを開くと以下のようなメッセージが出ることがあります。
「Microsoft Access データベースはすでに使用中です」
「○○.ldb がロックされています」
ファイル名やパス長の問題 NASの仕様によっては、全角文字やパスの長さ制限によりファイル保存や読み込みがエラーになることがあります。
NASの自動バックアップ機能と競合 スナップショットや自動同期とAccessの同時運用により、ファイルが破損・旧バージョンに巻き戻されることもありえます。
Accessファイル共有の前提に合わない運用 Accessは複数ユーザーによる同時編集を前提とした仕組みではなく、共有フォルダ上での運用ではデータ破損のリスクが常に伴います。
ローカル保存とNASへのコピーの混在 一部のユーザーだけがローカルに保存し、その後NASにコピーするような運用は、バージョン不整合や競合の原因になりえます。

・NASからデータを復元する場合の難しさと初動の重要性

NASに保存したデータに問題が生じた場合には、流通している復元ソフトでは対応できないことが大半で、専用の高度な復元技術が必要になるものです。RAID構成のNAS内の共有フォルダにアクセスができない・NASが起動しない・データが消えた等の症状が発生した際にNASからデータを復元する作業を行う為にはクリーンルームなどの専用環境下で深い専門知識や高度な技術力、経験値を持った専門の技術員が安全に機器を開封・分解して修理・復元作業を進める必要が出てきます。人間の手術を専門の手術室で専門の医師が行うのと同じイメージです。個人で安易にNAS本体や内蔵HDDを開封・分解する他、出張修理業者やクリーンルームが無い会社で修理・データ復元作業を行うことは状態が重篤化するだけになりえる他、データが消失するリスクも急激に高まるものです。そのため、NASに異常が出た際には早い段階で速やかに電源を切り、安易な再起動や操作を控えることが被害拡大の防止に繋がります。
無理やりNAS内部から「.accdbファイル」だけを取り出せてもそれ自体が破損しているケースもあり、使えるように復元するにはAccessの構造に関する高度な知識が求められるものです。

※AccessをNASや共有フォルダで運用する際には、ネットワーク環境の安定性やユーザー操作の管理、定期的なバックアップ体制が重要です。万が一、ファイルの消失や破損が起きた時には慌てて操作を加える前に、プロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。

↓NASからデータを取り出したいと考えた時にはこちらも参照ください。

Accessのデータベースを復元したい時にやってはいけない操作


Accessのデータベースを復元しようと焦って自己判断で復元作業を進めると、かえって状態を悪化させてしまうケースが少なくありません。特に、誤った修復処理や不用意なデータ復元用のソフトの使用は取り返しのつかない事態を招くこともあります。ここでは、Accessのデータベースを復元したい時にやってはいけない代表的な操作と、それによって発生するリスクについて詳しく解説していきます。

  1. 最適化や修復操作を繰り返す
  2. データ復元用のソフトを試す
  3. 削除後も操作を続ける

1.最適化や修復操作を繰り返す

Accessの「最適化/修復」機能は、軽度なファイル破損や断片化した場合に簡単に試せる復元方法として挙げられますが、何度も繰り返して使用すると逆効果になることがあります。特に下記のような状況では注意が必要となります。

データベースのファイル構造に深刻な損傷が生じている場合には、修復処理によってテーブルやリレーションが削除される、整合性が失われることがあります。
データベースのオブジェクトのリンクが壊れている状態で最適化を行うと、表示されていた一部のオブジェクトが完全に消えてしまうこともありえます。
修復機能を使うことで「直ったように見える」こともありますが、内部的にはデータが破損・空白化しているケースもあり、データベースの整合性が失われる原因になることも多く起こりえます。

※修復後にはログファイルやバックアップとの整合性を確認することが重要です。
※Accessのデータベースを安全に復元したい場合には安易に修復を試す前に、専門家のアドバイスを聞くようにしましょう。後悔する結果に繋がることを防げます。

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2.データ復元用のソフトを試す

市販や無料で流通しているデータ復元用のソフトを使用して、削除されたAccessファイルを取り戻そうとする方もいますが、以下のようなリスクが伴います。

復元希望のファイルが入っているドライブと同じドライブに復元ソフトをインストールすると、復元したい痕跡データを上書きしてしまう恐れがあります。
復元ソフトのスキャン機能でデータにアクセスが行われることにより、断片化したファイルの順序が壊れ、復元できなくなる事も多く起こりえます。
Accessファイルは内部構造が複雑であるため、一般的な復元ソフトでは「部分的にしかデータが復元されない」「壊れた状態でデータが復元される」こともあります。
Accessは、複数のオブジェクト(テーブル、クエリ、マクロなど)を内包する特殊な構造を持っているため、単純なバイナリ復元ではデータベース全ての構成要素が復元されない可能性があります。

※取り戻したいAccessのデータが重要なファイルであれば、復元ソフトでの復元操作は避け、状況確認に留め、手を止めることから始めましょう。

3.削除後も操作を続ける

Accessファイルを誤って削除してしまった後に、次のように操作を継続するとデータ復元の可能性が下がっていきます。

新しいデータの保存やファイルのダウンロードなどで、削除された領域に新しいデータが上書きされると元データの復元作業の難易度は急激に上がります。
自動更新系のアプリやクラウド同期ツールが動作していると、削除直後に書き込みが発生して痕跡が失われることがあります。
ごみ箱からもデータを削除した後にシャットダウンや再起動を繰り返すことで、ディスク上の状態が変化して解析や復元作業が難しくなることもありえます。
OneDriveやGoogle Driveなどの同期型クラウドストレージを使用している場合には、ローカルでのファイル削除が即座にクラウドにも反映されて、完全に消去される状態になることがあります。

※Accessファイルを誤って削除したと気付いた時にはすぐに操作を止めることが大切です。

↓削除したファイルを復元したいと思った時にはこちらの記事もご確認ください。

安全に復元するための初動対応は?

Accessにトラブルが発生した場合に最も重要なのは「いかに早く、正しく初動対応ができるか」です。不用意な操作や通電の継続はファイルの損傷具合を悪化させる、データベースの復元作業の難易度を上げてしまう原因にも繋がりかねません。ここでは、Accessのデータベースを安全に復元するために欠かせない初動のポイントを紹介していきます。

  1. 通電・上書きを止めることの重要性
  2. 特に法人利用の場合の注意点

1.通電・上書きを止めることの重要性

Accessのデータが消えた・破損したと思ったら、まずは機器の使用を停止することが重要です。特に以下のようなリスクを避けるためにも、通電や書き込み操作は直ちに止めましょう。

ファイル削除後も痕跡はディスクに残っていますが、通電や書き込みにより上書きされると復元作業が困難になることもありえます。
自動バックアップや同期ツール、ウイルス対策ソフトなどが知らぬ間にファイルにアクセスして、状態を悪化させてしまうこともあります。
Accessの一時ファイル(.ldbや.laccdb)が生成されたままの状態で通電を続けると、ファイル整合性がさらに損なわれる事も起こりえます。
Accessではファイルを閉じたように見えても、「.laccdbファイル」が残っている間は内部的に書き込み処理が継続している場合があります。見た目だけで安心せず、タスクマネージャーなどでプロセスの確認を行うことも大切です。

※Accessのデータを復元したい時には必要なファイルにアクセスせず、できる限り対象機器の電源を切るなどの対応を優先しましょう。
※Accessのデータが消えたと思った時にはバックアップの有無を確認することも重要です。バックアップからの復元が可能であれば、リスクを伴う操作を避けることができます。

2.特に法人利用の場合の注意点

Accessのデータベースが業務用のシステムとして運用されている際に問題が生じた場合の影響は非常に大きくなります。法人利用ならではの初動対応の注意点を押さえておきましょう。

業務データや顧客情報、取引履歴などがAccessのデータベースに格納されている場合には、ファイルの消失や破損は信用問題にも直結します。
無理な修復や自力での復元操作によってデータが上書き・削除されると、原因追及が困難になり、復元作業の難易度が格段に上がることもありえます。
システムの管理者が複数いる場合には、誰が何をしたかの履歴を把握しておくことも重要です。
データベースに個人情報や機密情報が含まれている場合には、トラブル発生後の誤操作によって法的リスクが生じることがあります。コンプライアンス上の問題を回避するためにも、専門家への相談を含めた慎重な判断が求められます。

※こうしたトラブルの影響を最小限に抑えるには、慎重な対応が求められます。特にAccessのデータベースをバックエンドとして利用している場合は、関連システムへの波及も考慮する必要が出てきます。

Accessのデータを復元するには専門的な技術が必要なケースも多い

Accessのデータベースは便利な反面、トラブル発生時には非常に繊細な対応が求められます。特に業務利用時においては、データ構造の複雑さや運用環境の影響もあり、自力での修復操作によってかえって状況を悪化させることもありえます。ここでは、Accessファイルの構造的な特性、状況別の復元手法の違い、業務用環境での対応ポイントなどについて、専門的な観点から解説していきます。

  1. mdb/accdbファイル構造と論理障害の関係
  2. 誤削除・破損ファイルからのデータ復元方法の違い
  3. 業務用Accessシステムの復元における注意点と判断基準

1.mdb/accdbファイル構造と論理障害の関係

Accessには旧形式の「.mdb」と新形式の「.accdb」が存在し、両者で機能や安定性に大きな差があります。ちなみに以下のような違いが挙げられます。

.accdbは暗号化や添付ファイル、多値フィールド、リッチテキストなどに対応しており、セキュリティや運用性が向上しています。
.mdbはユーザーレベルセキュリティが使える一方、互換性や機能面で制約が多く、Officeバージョン間の不整合が起きやすい傾向にあります。
両形式とも、ファイル全体が単一構造で管理されており、テーブルやフォーム間の依存関係が壊れるとファイル全体が開けなくなる危険性が高まります。

※このような構造上の特性により、論理障害が生じた際には極めて脆弱な面があります。

2.誤削除・破損ファイルからのデータ復元方法の違い

Accessにトラブルが発生した場合には、状況に応じて次のような対応が求められます。

・誤削除されたファイルの復元

Accessのデータベースを復元したい場合にはストレージの未使用領域から「ファイル単位」での復元作業が必要になります。安易にデータ復元用のソフトを試すと一見復旧できたように見えても、中身が壊れて復元される事も多く起こりえます。安易な操作は避けましょう。

・破損ファイルの修復

通常の「修復/最適化」機能では対応できないこともありえます。特にJetデータベースのインデックスや内部構成情報が損傷している場合には、バイナリ構造を解析する必要があり、非常に高度な作業となります。

・一部オブジェクトのみ破損

オブジェクト単位でのインポートや新しいデータベースへの再構築が可能なケースもありますが、オブジェクト間の依存性が壊れている場合は失敗する事が多いものです。
※ 一部のツール(例:JetComp.exeなど)では、軽度のデータ破損に対応できることもありますが、すべてのケースに対応できるわけでは無いため注意が必要です。

3.業務用Accessシステムの復元における注意点と判断基準

業務用途で利用されるAccessシステムは、次のような構成や運用特性を持つことが多く、復元作業を進める時にはより慎重な判断が求められます。

・バックエンド/フロントエンド分離構成

テーブルを共有フォルダ上のバックエンドにフォームやクエリを各端末のフロントエンドに分けることで、ネットワーク負荷を軽減し、パフォーマンスや信頼性を高める手法です。どちら側に障害が発生しているかを切判別することが初期対応として重要となります。

・複数での同時利用時のトラブル

同時にアクセスするとデータの破損が生じやすくなります。特にAccessはロックファイル(.ldb/.laccdb)によって管理を行っているため、共有時の切断やクラッシュに弱い構造となっています。

・業務影響の大きい現場での判断

Accessが業務基幹データベースとして利用されている時には稼働停止=業務停止に繋がることもあります。そのため、データベースの再構築よりもまずは現状維持に留める・原因や適切な対処法が不確かな場合には手を止めることが最重要となります。

※Accessのデータ復元作業は、見た目以上に難易度が高く、データベースそのものの構造理解と論理障害・物理障害の両面に対応した高い技術力が必要です。特に法人での運用環境では安易な修復操作を試すよりも、現状を維持しつつ早い段階でプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。

Accessのデータを早く安く確実に復元したい時には

誤ってデータを削除した・Accessのファイルが破損して開けない・フォームやテーブルが表示されない・データベースが消えた・エラーメッセージが表示される・NASや共有サーバー上でトラブルが発生した等、Accessのデータが使えなくなった場合には慌ててしまうことも多いものです。少しでも悩んだり困ったりした際にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することが問題解決への近道となります。安易に自己判断で修復操作や復元ソフトを利用すると状況が重篤化し、後悔する結果に直結することもありえます。Accessのデータが無くなったり取り出せなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合にはデータ復旧業者に相談することを優先しましょう。

・データ復旧業者の選び方

Accessのデータを早く安く確実に復元したい・取り出したいと思った時には復旧業者選びが重要となります。どこのデータ復旧業者を選べば良いのか悩んだ時には下記の様な項目をチェックしましょう。困らずに済みます。

  1. 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
  2. 復元作業のスピードや対応が早い
  3. 復元料金プランや復元費用例が公式サイトに明記されている
  4. クリーンルームなど専用環境下や専用ラボで復元・修復対応を行っている
  5. 情報の守秘義務やセキュリティ管理が徹底されている
  6. データ復元の実績や事例紹介が豊富である

データ復旧業者は数多く存在していますが、技術力やサービス内容には大きな差もあるものです。どこの復旧業者に相談しても同じように早い対応と費用を抑えたデータ復元ができるわけではないため注意が必要です。
アドバンスデータ復元は1から6の項目、全てを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復元・修復作業を行うことから、迅速な対応と低価格でのデータ復元サービスを実現しています。パソコン、HDD、SSD、NASやRAIDサーバー、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、ドライブレコーダーなど様々な機種に対してデータ復元の実績も数多くあり、安心です。

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まとめ|Accessのデータが消えた・トラブルが発生した時は慎重な対応がカギ

Accessのファイルは見た目以上に複雑で繊細な構造を持っており、一部に生じたトラブルがデータベース全体の破損に繋がることもありえます。データの誤削除・Accessのファイルが破損して開けない・フォームやテーブルが表示されない・データベースが消えた・エラーメッセージが表示される・NASや共有サーバー上でトラブルが発生した際には、論理構造上の問題やファイルシステムレベルの致命傷が潜んでいるケースも少なくありません。
Accessのデータを復元したい・取り戻したい場合に大事なのは、慌てて修復操作やデータ復元用のソフトを使う前に状況を正しく見極めることです。安易に作業を進めると状態が重篤化して取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえるものです。特に業務で使用しているAccessシステムにトラブルが発生した場合には、影響が大きいため初動を間違えないことが重要です。
Accessのデータを復元するには、ファイル構造・バージョン・使用環境を総合的に判断し、適切な手順で対応する必要があります。少しでも不安がある場合や確実にデータを取り戻したいと考えた時には手を止めて、専門的な技術と設備を備えたプロのデータ復旧業者に相談することが、もっとも安全で確実な方法として挙げられます。

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