HDDは、現代のデジタル生活において欠かせないデータの格納装置の1つです。しかしながら、HDDが水に浸かってしまうと、データ損失のリスクが急増してしまいます。人為的ミスや事故、自然災害の影響でHDDが水没し、思わぬトラブルに遭遇すると慌ててしまうとも多いものです。HDDが水没した際には、個人やビジネス上で貴重なデータが失われる事態に繋がる事があり、慎重な対応が求められます。ここでは、HDDが水没した際に生じる問題とその対処法、予防策について詳しく解説します。
HDDとは
HDD(Hard Disk Drive)は、パソコンやデジタルデバイスで使用される一般的なデータストレージの1つです。HDDは、円盤状のプラッタにデータを記録し、磁気ヘッドを使ってデータの読み書きを行っているものです。
HDDは、比較的大容量のデータを格納できるため、長期間のデータ保存や大容量のファイルの保存に適している機器でもあります。また、HDDは一般的に、外付けドライブ、デスクトップコンピューターやラップトップコンピューター、サーバーやビデオカメラなどで使用されているものです。
HDDが水没した場合に生じる問題は
HDDが水没した際に生じる損害は非常に深刻な状態になることがあります。HDDが水に浸かってしまった際にはHDD内部の電子部品やプラッタやヘッドが損傷し、データが失われるリスクが高まります。
HDDが水に浸かった場合には以下のような問題が生じる事があるものです。
- 電子部品が故障する
- プラッタが損傷する
- データが損失する
1.電子部品が故障する
HDD内部に水が侵入した際には電子部品が故障し、デバイスへの電源供給が遮断される事があります。電子部品が故障した場合にはHDDが正常に動作しなくなってしまいます。
2.プラッタが損傷する
HDD内部に水が侵入すると、回転ディスク、プラッタが損傷し、データの読み取りが不可能になることがあります。
3.データが損失する
HDDが水没すると、保存されているデータが失われる危険性が高まります。また、HDDが水没した際には重度の障害が生じることが大半で、電源の入り切りやパソコンの再起動、ケーブルの抜き差しなど簡単にできることを試すだけで状態が重篤化し、取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえるものです。
HDDが水没する原因
HDDが水に浸かる主な原因は多岐に渡ります。以下はHDDが水没する主要な原因です。
- 水没事故
- 自然災害の影響
- 人為的ミス
1.水没事故
HDDは事故によって水没することがあります。住宅やオフィスで水道管の破裂、洗濯機や食器洗い機の故障、天井からの漏水やエアコンから落ちた水滴が溜まったなど、水を使用する設備や装置が壊れた・事故が起きた事が原因となり、パソコン本体やパソコンに接続していた外付けHDDなどが水没することもありえます。
↓パソコンが水没してお困りの方はこちら
2.自然災害の影響
台風、洪水、大雨、豪雪などの自然災害は、大規模な水没の原因となりえます。自然災害が発生した、河川や湖が氾濫した等、多くの場所が水に浸かった時にはHDDを含めた様々な電子機器が被害を受ける事があるものです。また、強風や豪雨によって屋根や窓から雨水が入り、建物内の家財を濡らしてしまうこともありえます。
3.人為的ミス
ノートパソコンに接続していた外付けHDDに水やコーヒー、紅茶、お酒、ジュース、スープ、カップラーメンの汁がこぼれた。かばんに入れていたペットボトルや水筒の蓋が開いた状態で水がこぼれてHDDや鞄の中身が水没した。海やプール、川など水辺でHDD内蔵のビデオカメラを使用していた際に手が滑ったなど、人為的なミスがHDDを水没させる原因となることもありえます。
これらの要因に対処するためには水漏れを防ぐ対策を講じたり、適切な排水システムを設置したり、防水設備を使ったりすることも重要です。また、自然災害に備えるためには火災保険など、水害対策を検討することも有効な対処法となりえます。
↓ビデオカメラからデータを復旧したい方はこちらも参照ください。
HDDが水没した時に試せる対処方法は
HDDが水没した場合の対処方法を紹介します。
- 電源を切る
- HDD周りの汚れを拭き取る
- HDDを濡れたタオルで包む
- HDDをビニール袋に入れて乾燥を防ぐ
- バックアップを取る
- データ復旧業者に相談する
1.電源を切る
HDDが水没した・濡れた時には直ちに電源を切りましょう。電源が入ったまま、通電されたままの状態が続くと電子部品がショートしてデータ復旧・修理作業の難易度が上がる他、データが永遠に失われる事態に繋がることもありえます。
2.HDD周りの汚れを拭き取る
外付けHDDが水没した場合に土や葉っぱ、小さな石などが外側に付着しているような場合にはタオルなどで拭き取りを行いましょう。しかしながら、水で流すなど、機器を水洗いする事は厳禁です。不純物がディスク内に入ってしまうと取り返しのつかないくらい状態が悪化してしまいます。汚れをタオルなどで拭き取る際には手を洗い、静電気を防ぐための静電気除去装置を使うことが推奨されるものです。また、拭き取り時に小さいゴミや水滴がHDDの内部に入り込んでしまうリスクも高まる為、データを失いたくない方は無理に試すことは避けましょう。
3.HDDを濡れたタオルで包む
外付けHDDが水没・濡れてしまった場合には乾かないうちに水で濡らしたタオルで包むことが重要です。タオルは水道水などきれいな水で濡らした後、強めに絞ったものを準備しましょう。タオルが無い場合には新聞紙や不要な衣類を濡らして水気を絞ったものでも代用は可能です。
ノートパソコンが濡れてしまった場合も同様の作業が必要になります。パソコンが水没した際には内蔵HDDなども濡れている事が大半ですが、その際にはパソコンからディスクを取り外した上で濡れたタオルで包みましょう。
※ノートパソコンは個人で分解することを前提に作られているものでは無いため、安易に分解すると状態が悪化する他、メーカー保証の対象外にもなりえるため、失敗したくない方はHDDをパソコンから取り出すことは避けた方が良いものです。困った時にはプロのデータ復旧業者に相談してから作業を進めましょう。
4.HDDをビニール袋に入れて乾燥を防ぐ
水没したHDDを濡れたタオルで包んだ後にはビニール袋やジップロックなどチャックで密封ができるものに入れて乾燥を防ぎましょう。HDDが水没した際には乾かさないことが最重要となります。水道水や雨水にも不純物は多く含まれている上、水以外の液体、コーヒー、紅茶、お酒、ジュース、スープ、カップラーメンの汁の場合には機器を腐食させる様々な成分が入っているものです。液体が乾いてしまうと水であっても色が変わる・ざらざらする状態になることも多く、ディスクの内部でそれらの変化が起きると取り返しのつかない状態に陥ってしまいます。
HDDが水没した際にはキレイな水で濡らしたタオルで包んだ後、ビニール袋に入れて輪ゴムなどで止め、乾燥を防ぐ事を優先して行いましょう。
5.バックアップを取る
HDDが水没した際に動作可能な状態であれば、その間にデータのバックアップを取る事も選択肢の1つとして挙げられます。しかしながら、水分がHDD内に入った状態でディスクを動かすこと自体がデータを消失させるリスクを含んだ行為でもあります。HDDはとても繊細な機器の1つでほんの少しのホコリや塵が入るだけでも故障してしまうものです。水分は少量でもディスク内に入ると個人では対応できないほど壊れてしまうことが大半で、バックアップを取ろうと試みるだけでデータが永遠に失われる危険性が高まります。失敗したくない・早く安く確実に水没したHDDからデータを取り出したい・復旧したい方は無理に作業を進めることはせず、先にデータ復旧の専門業者に連絡した上で動きましょう。
↓外付けHDDからデータを復旧したいと思った時にはこちらも参照ください。
6.データ復旧業者に相談する
HDDが水没した際にHDDに保存しているデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。HDDが濡れた時点で内部まで液体が浸水していることが大半で電源の入り切りや再起動、ケーブルの抜き差し、通電を試すなど何かしら作業を行ってしまうと中がショートしてデータが失われてしまう事態に直結することもありえます。
HDDが水没した場合にはクリーンルームなど専用環境下で深い専門知識を持った専門の技術員が復旧作業を進めることで初めて確実なデータ復旧が可能となるものです。人間の手術を専門の手術室で専門の医師が行うのと同じイメージとなります。
HDDが水没した際に早く安く確実にデータを取り出したい・復旧したい方は手を止めてプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。
・データ復旧業者の選び方
HDDが水没した際にディスク内に保存しているデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合にはプロのデータ復旧業者に相談することが問題解決の近道となります。業者選びで悩んだ時には下記のような項目をチェックすると選択が容易になります。
- 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
- 復旧に要するスピードや対応が早い
- 復旧料金プランや復旧費用等がホームページ上に記載されている
- クリーンルーム等、専用環境下で復旧・修復作業を行っている
- 情報の守秘義務、セキュリティ管理が徹底されている
- 復旧実績や復旧事例の有無
アドバンスデータ復旧は1から6の項目、すべてを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力でHDDの復旧・修理作業を行うからこそ、迅速な対応と低価格でのデータ復旧サービスを可能としています。HDD、NASやRAIDサーバー、SSD、USBメモリ、SDカード、CFカード、パソコン(Windows・Mac・自作)等、様々な機種に対して復旧実績も多くあり安心です。
HDDが水没した際に注意したいこと
HDDが水没した際にデータを失いたくない方は下記のような事を行わないように注意しましょう。
- 通電し続ける
- 電源の入り切り、再起動、ケーブルの抜き差しを繰り返す
- 開封、分解する
- 乾燥させる
- 水で洗う
1.通電し続ける
HDDが水没した場合には電源を切り、通電がされない状態に保つことが重要となります。パソコンから外付けHDDを取り外す・HDDが内蔵されているパソコンやNAS、サーバーなどの電源ケーブルを抜くことから始めましょう。
HDDが濡れた際に通電すると内部部品がショートして、状態がすぐに重篤化する・データが失われる危険性が高まります。また、感電や火災の原因にもなり、データだけの問題だけで終わらない状況に陥ることもありえます。
HDDが浸水した際には、ディスク内に細かい砂やごみ、不純物が入り込んでいることもあり、そのような場合も通電してしまうと内部部品が動作してデータが記録されているプラッタに数多くの傷や溝を作ってしまいデータ復旧・修理作業の難易度が上がる他、取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえるものです。
2.電源の入り切り、再起動、ケーブルの抜き差しを繰り返す
HDDが水没・濡れた時には電源の入り切り、パソコンの再起動、ケーブルの抜き差しを試す、いつもと違うUSBポートに接続し直す、他のパソコンに繋ぐなどの行為を行わない様にしましょう。
HDDが水没した際にはHDDが物理的に故障し、認識ができなくなってしまっているものです。データを失いたくない方は電源の入り切り、パソコンの再起動、ケーブルの抜き差しなど簡単にできることは行わない様に注意しましょう。1回試すだけでもデータが永遠に失われる危険性が高まります。
少しでも困ったり悩んだりした場合にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを検討しましょう。
↓外付けHDDが認識しない状況でお困りの方はこちらもご確認ください。
3.開封、分解する
HDDが水没した場合に限らず、HDDが認識しない・異音がする・動いている音がしない・エラーメッセージが表示されるようなトラブルが生じている際には個人でHDDを開封、分解することは止めておきましょう。
HDDが正常に動作しない時には機器が物理的に故障していることが大半です。そのような場合にはクリーンルームなどの専用環境下で専門の技術員が安全にHDDを開封、分解して修理・復旧作業を進める必要が出てきます。人間の手術を専門の手術室で専門の医師が行うのと同じイメージとなります。個人で安易に分解・開封する他、出張業者やクリーンルームが無い修理会社でHDDの開封を行うことはデータが永遠に失われる危険性が高まる行為となるため注意しましょう。
※HDDが水没した際にHDDを開封して、内部の水分やゴミ、汚れなどを出した方が良いのでは?と考えるかもしれません。しかしながら、状況を悪化させるだけの行為となるため止めておきましょう。
4.乾燥させる
外付けHDDやパソコンやNAS、サーバーのHDDが水没・濡れてしまった時には乾燥させないことが重要となります。自然乾燥や日光で乾かす、日陰に置く、ドライヤーや扇風機などで乾燥を試みる等、行ってはいけないものです。
水以外の液体がHDDにかかった場合には特に乾燥させてはいけません。乾くと水以外の成分が基板や部品に付着し、錆びる原因になる他、状況が重症化してしまうことも多く起こりえるものです。水だったとしてもHDDにかかった量が多い、水没具合が深刻な場合には安易に乾かしてしまうと取り返しのつかない状況に陥ってしまうこともありえます。HDDが水没した際にはできるだけ早くデータ復旧会社に連絡を入れましょう。
5.水で洗う
HDDが水没した際には乾燥させないことが重要となりますが、水で洗うことも避けた方が良いものです。HDDは繊細な精密機器の1つです。水自体も不純物が含まれており、安易に洗ってしまうと水没範囲が広がって錆が発生する・内部部品が傷つく原因にもなりえます。また、HDDを水洗いすると水分や外部のごみや内部に入り込むなどデメリットだけが目立つものです。データ復旧業者に出す場合には汚れたままでも構いません。HDD外部の汚れを取り除きたい時には濡らしたタオルで拭きとる程度に留めましょう。
HDDの水没トラブルを予防するための対策は
HDDを水没トラブルから守るためには、以下のような予防策が挙げられます。
- 外部ケースや防水バッグの使用
- 水源から遠ざかる
- 湿度コントロール
- 緊急対策
1.外部ケースや防水バッグの使用
外付けHDDやノートパソコンなどポータブルデバイスの場合には水没トラブルを防ぐ方法として、防水ケースや防水バッグを使用してデバイスを保護する方法が有効です。
2.水源から遠ざかる
デスクトップ型のパソコンやサーバールーム内でHDDを使ってデータを保存する場合には水源(エアコン、水道管、洗濯機など)から離れた場所に設置することが重要です。
また、ノートパソコンや外付けHDDを使う際には手元に飲み物を置かない、飲み物を置く際にはキャップが付いたペットボトルや水筒を使用する・蓋の付いたマグカップを使うなどで水没トラブルを避けましょう。
しかしながら、どんなに気を付けていても気の緩みや手元が狂ったり慌てたりして外付けHDDやHDDを繋げているノートパソコンが水没してしまうこともありえます。そんな時には上記内容を読み、対応を進める他、データを失いたくない・早く安く確実にデータを取り出したい方はデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。
3.湿度コントロール
データを保管する環境では湿度を管理し、湿気を最小限に抑えることも大切です。高湿度の環境では、デバイスの損傷やデータの劣化のリスクが高まります。
4.緊急対策
デバイスが水に浸かった場合には直ちに電源を切りましょう。電源を切ったら、デバイスの外部についた水分を速やかに拭き取ります。これにより水分の浸透を抑制できることが見込めます。
まとめ・万が一困った時には
外付けHDDやノートパソコン、NAS内のHDDが水没した際にはデータが消失するリスクが高まるため、迅速な対応が求められるものです。HDDが水没した際には乾燥させることは厳禁であり、濡らした状態を保つことが重要です。
HDDが水没した際には自分でデータを取り出すことは難しく、HDD内のデータが大事・無くなったり取り出しができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。アドバンスデータ復旧は独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復旧・修理作業を行うからこそ最短スピードでの対応とHDDから費用を抑えたデータ復旧を可能にしています。万が一、困った時には無料の相談から始めてはいかがでしょうか。