パワーポイント(PowerPoint)は、プレゼンテーション資料を作成するために広く使われているツールの1つです。しかしながら、パワーポイントで作業中に誤ってファイルを削除してしまったり、保存せずに閉じてしまったり、上書きしてしまったり、もしくはファイルが破損して開けなくなったりすることがあります。このようにパワーポイントのデータが消失するトラブルが発生すると、重要なプレゼンテーションや会議、営業の場が台無しになり、仕事や学業に大きな影響を及ぼすこともありえます。本記事では、パワーポイントの誤削除・未保存・上書き・破損など、様々な状況に対応した復元方法を詳しく解説していきます。
状況別|パワーポイント(PowerPoint)のデータ復元方法
パワーポイントのデータを失った場合には、状況によって最適な復元方法が異なります。ここでは、削除・未保存・上書き・破損などのケースに応じた復元手順を解説していきます。
- 削除したパワーポイントのファイルを復元する方法
- 保存せずに閉じてしまったパワーポイントのファイルを復元する方法
- 上書きしてしまったパワーポイントのファイルを復元する方法
- 破損したパワーポイントのファイルを復元する方法
1.削除したパワーポイントのファイルを復元する方法
パワーポイントのファイルを誤って削除してしまった場合でも、適切な方法を選択すれば、復元できる可能性があります。特に、削除直後であればデータ復元の成功率が高まるものです。
・具体的な復元方法
- ゴミ箱から復元する方法
- OneDriveやGoogleドライブのゴミ箱を確認する方法
- Windowsの「以前のバージョンの復元」を使う方法
- データ復元ソフトを利用する方法
1.ゴミ箱から復元する方法
Windowsのパソコンでは、削除したファイルはパワーポイントで作成したデータに限らず、通常はゴミ箱に移動されることがほとんどです。そのため、パワーポイントのデータを復元したい時には、以下の方法で取り戻せる可能性があります。
- デスクトップの「ゴミ箱」を開く。
- 削除したパワーポイントのファイルが入っているか探す。
- 見つかった場合にはパワーポイントのファイルを右クリックして「元に戻す」を選択する。
- データが復元されているか確認して作業終了。
※上記方法を試すことで、ゴミ箱を空にしていない場合には簡単に復元することが期待できるものです。
2.OneDriveやGoogleドライブのゴミ箱を確認する方法
OneDriveやGoogleドライブなどのクラウドストレージを使用している場合にパワーポイントのデータが失われた時には、オンライン上のクラウドストレージ内のゴミ箱にデータが残っていないか確認してみましょう。クラウドストレージのゴミ箱に誤って削除したデータが残っている場合には簡単に復元することができるものです。
・OneDriveのゴミ箱からデータを復元する方法
- OneDriveのウェブサイトにログインする。
- 左側メニューの「ゴミ箱」を開く。
- 削除した、消えたパワーポイントのファイルを探して、「復元」ボタンをクリック。
- データが元の場所に復元されているか確認する。
・Googleドライブのゴミ箱からデータを復元する方法
- Googleドライブを開く。
- サイドメニューから「ゴミ箱」を選択する。
- 削除されたパワーポイントのファイルを右クリックし、「復元」ボタンを選択する。
- データが元の場所に復元されているか確認する。
↓パソコンのゴミ箱からデータを削除してお困りの方はこちらの記事もご確認下さい。
3.Windowsの「以前のバージョンの復元」を使う方法
Windowsの「以前のバージョン」機能を利用すれば、パワーポイントのデータに限らず、過去のバージョンのファイルを復元することが期待できるものです。
- エクスプローラーを開き、パワーポイントのファイルが保存されていたフォルダに移動する。
- フォルダを右クリックし、「以前のバージョンを復元」を選択する。
- 一覧に表示されるバージョンから適切なものを選び、「復元」ボタンをクリックする。
- データが復元されているか確認する。
4.データ復元ソフトを利用する方法
パワーポイントのファイルを完全に削除した場合や、ゴミ箱からも消えているような時には、データ復元ソフトを利用する方法が選択肢に挙がってきます。
・復元ソフトを使って完全に削除したパワーポイントのファイルを復旧する方法
- パワーポイントのデータが保存されていた機器に対応している復元ソフトを探す。
- 復元ソフトをパソコンにインストールする。
- パワーポイントのファイルが入っていたドライブを選択して、スキャンを開始する。
- 復元ソフトの画面の指示に従って操作を進める。
- 復元可能なファイルを選択する。
- 復元されたデータを確認する。
※ソフトは復元したいパワーポイントのファイルが入っていたデバイス(HDDやSSD、USBメモリなど)にインストールしないように注意しましょう。
・復元ソフトを使ってパワーポイントで作成したファイルを復旧したい場合の注意点
誤削除したパワーポイントのファイルを自分で復旧しようと復元ソフトの機能、スキャンをかけることで状況が重篤化する・データが意図しない形で上書きされることも多い。 |
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復元ソフトはパソコンやHDD、SSD、USBメモリ、SDカードなどの記録媒体に軽度の論理障害が発生している場合にしか使えない。 |
復元ソフトの機能を試すことでデータの復旧やエラーの修復作業の難易度が上がることも多い他、取り返しのつかない状況に陥ってしまう事も多く起こりえる。 |
※取り戻したいパワーポイントのファイルを早く安く確実に復旧したいと考えた場合には復元ソフトの機能を使うことは避けた方が良いものです。どうしてもソフトを使った復元方法を試したいと思った時には手を止めてプロの復旧業者の無料相談を利用することを検討しましょう。相談してから復元ソフトの機能を使っても遅くはないものです。
2.保存せずに閉じてしまったパワーポイントのファイルを復元する方法
パワーポイントで作成したファイルを保存せずに閉じてしまった場合でも、自動回復機能や一時ファイルを使うことでデータを復元、取り戻せることがあります。
・具体的な復元方法
- PowerPointの「自動回復」機能を利用する方法
- 一時ファイル(.tmp)から復元する方法
1.PowerPointの「自動回復」機能を利用する方法
PowerPointには、自動的にバックアップを作成する「自動回復」機能が備わっています。もし、パワーポイントで作成したファイルを保存せずに閉じてしまった場合には以下の手順で復元を試みましょう。
- PowerPointを再起動する。
- 「ドキュメント回復」ウィンドウが表示される場合には、リストから回復したいファイルを選択する。
- ファイルを開いた後、すぐに「名前を付けて保存」で保存する。
・手動で自動回復フォルダを確認する方法
もし、「ドキュメント回復」ウィンドウが表示されない時には、手動で自動回復フォルダを開くことが可能です。
- エクスプローラーを開く。
- C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Office\UnsavedFiles に移動する。
- 拡張子が.asd もしくは、.tmp のファイルを探して、PowerPointで開いてみる。
2.一時ファイル(.tmp)から復元する方法
PowerPointが予期せず閉じた際には、一時ファイルとしてデータが保存されていることがあります。そのため、未保存のファイルがある場合には、一時ファイルのフォルダを確認する方法が有効な手段になりえます。
- C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Temp フォルダを開く。
- 「ppt.tmp」と表示されているファイルを探す。
- 拡張子を「.pptx」に変更して、PowerPointで開けるかを試す。
※上記方法でパワーポイントのデータを復元できる可能性があります。
3.上書きしてしまったパワーポイントのファイルを復元する方法
パワーポイントのファイルを誤って上書き保存してしまった場合でも、過去のバージョンに復元できる方法があります。
・具体的な復元方法
- Windowsの「ファイル履歴」機能を使う方法
- OneDriveやGoogleドライブのバージョン履歴を確認する方法
- PowerPointの「自動保存」機能を活用する方法
1.Windowsの「ファイル履歴」機能を使う
Windowsの「ファイル履歴」を利用すれば、パワーポイントに限らず、過去のバージョンのファイルに戻す・復元できることがあります。
- パワーポイントのファイルが保存されていたフォルダを開く。
- 上書きしてしまったパワーポイントのファイルを右クリックし、「以前のバージョンを復元」を選択する。
- 過去のバージョンが表示される場合には、そのファイルを選んで「復元」をクリックする。
※「ファイル履歴」機能が有効になっていない場合は利用できない復元方法になります。
※この「ファイル履歴」機能は、思わぬトラブルが発生した時に役立つ・データの消失を防ぐ予防策としても活用できるため、有効化しておくようにしましょう。
2.OneDriveやGoogleドライブのバージョン履歴を確認する方法
クラウドストレージを利用している際には、パワーポイントのファイルを誤って上書き保存してしまった場合でも過去のバージョンが保存されている可能性があります。ここでは、クラウドストレージ上でパワーポイントのデータを上書きした場合に試せる復元方法を挙げていきます。
・OneDriveのバージョン履歴からパワーポイントの過去のデータを復元する方法
- OneDriveのウェブサイトにログインする。
- 対象のファイルを右クリックし、「バージョン履歴」を選択する。
- 以前のバージョンを開き、適切なものを「復元」する。
・Googleドライブのバージョン履歴からパワーポイントの過去のデータを復元する方法
- Googleドライブを開く。
- 復元したいパワーポイントのファイルを右クリックし、「バージョン管理」を選択する。
- 保存された過去のバージョンを開き、必要に応じてダウンロードする。
3.PowerPointの「自動保存」機能を活用する方法
PowerPointには自動保存機能があるため、その機能を使って直前の作業を回復できることがあります。
- PowerPointを開く。
- 「ファイル」→「情報」→「バージョン管理」→「保存されているバージョンを開く」の順で選択する。
- 上書き前のバージョンを開いて保存する。
4.破損したパワーポイントのファイルを復元する方法
パワーポイントのファイルが破損し、開けなくなった場合は以下の復元方法で修復が可能になることがあります。
・具体的な復元方法
- 「開いて修復」機能を使用する方法
- PowerPointの一時ファイルを探す方法
- 破損したパワーポイントのスライドを新しいファイルに移動する方法
- パワーポイントのファイルの拡張子を変更する方法
1.「開いて修復」機能を使用する方法
PowerPointには破損したファイルを修復する機能が備わっているため、その機能を使ってデータを復元する方法が試せます。
- PowerPointを開く。
- 「ファイル」→「開く」→「参照」をクリックする。
- 破損したパワーポイントのファイルを選択し、「開く」ボタン横の矢印をクリック→「開いて修復」を選択する。
- 修復が成功したら、別名で保存する。
2.PowerPointの一時ファイルを探す方法
破損したパワーポイントのファイルのバックアップが、一時ファイルとして保存されていることがあります。パワーポイントのファイルが破損して開かなくなった時には下記のような復元方法が試せます。
- C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Office\UnsavedFiles を開く。
- 拡張子で「.asd」や「.tmp」がついたファイルを探す。
- PowerPointで開いてみる。
3.破損したパワーポイントのスライドを新しいファイルに移動する方法
パワーポイントのファイル全体が破損している場合でも、一部のスライドが復元できることがあります。
- 新しいパワーポイントのファイルを作成する。
- 「スライド」タブで「スライドの再利用」を選択する。
- 破損したファイルを選択し、スライドを読み込む。
4.パワーポイントのファイルの拡張子を変更する方法
パワーポイントのファイルの拡張子が変更されている場合には、手動で修正することで開けることもあります。
- エクスプローラーでパワーポイントのファイルを右クリックし、「名前の変更」を選択する。
- 拡張子を「.pptx」に変更してから、PowerPointで開いてみる。
※手動で拡張子を変更すると状態が悪化することも多く、注意が必要となります。復元したいパワーポイントのファイルが重要、無くなったり取り戻すことができなくなったりしたら困ると少しでも考えた場合には手を止めてプロの復旧業者の無料相談を利用することを優先しましょう。後悔する結果に繋がることを防げます。
パワーポイントのデータを取り戻したい場合の選択肢
パワーポイントののファイルをどうにか取り戻したい場合には、下記のような復元方法も選択肢に挙がってきます。
- 復元ソフトを利用する方法
- データ復旧業者に相談する方法
1.復元ソフトを利用する方法
パワーポイントのファイルを誤って削除した、消えている、上書きしてしまった場合には、データ復元用のソフトを使用することで復元できる可能性があります。
・復元ソフトを使ってパワーポイントのデータを取り戻す方法
- 復元ソフトをダウンロードして、パソコンにインストールする。
- ソフトの画面に従ってスキャンを実行する
- 削除されたパワーポイントのファイルを検索する。
- 見つかったファイルを選択し、復元先を指定して保存する。
・復元ソフトのメリット
自分でデータの復元作業を気軽に試せる。
誤削除した、消えた、破損した、上書きしたパワーポイントのファイルが1つだけの場合など、今すぐ試したい時に活用できる。
・復元ソフトのデメリット
プレビューのみ対応が可能で、実際の復元作業は有料版でのみ実施できることが大半で時間が無駄になってしまうことも起こりえる。
破損ファイルの修復はできないことが多い。
複雑なデータの復元はできない。
デバイス(パソコンやHDD、SSD、USBメモリ、SDカードなど)が物理的、機械的に少しでも故障している時には使用ができない他、無理に復元ソフトの機能を使うと故障具合が悪化して取り返しのつかない状況に陥ってしまう。
復元したいファイル以外のデータが意図せず上書きされることも多く起こりえる。
・対策
重要なデータが他にもある場合には、復元ソフトの機能は使わない。
取り戻したいパワーポイントのファイルが復旧できない状態になったら困ると少しでも考えた場合には復元ソフトのスキャンをかけないようにする。
↓パソコン内のデータを復旧したいと思った時にはこちらも参照下さい。
2.データ復旧業者に相談する方法
取り戻したいパワーポイントのデータが大事、早く安く確実に復元したい場合や、パソコンやハードディスク、SSDに問題がある時には、データ復旧の専門業者に相談する事が最善の対処方法になりえます。
消してはいけないパワーポイントのファイルを誤って削除した・パワーポイントのファイルが破損して開かない・データを上書きした・パワーポイントのファイルが保存されているHDDやSSD、USBメモリなどの機器が認識しない、パソコンが起動しないなどのトラブルが発生した時には慌ててしまう事も多いものです。そんな時に機器を使い続ける、どうにかしようとデータが入っていた機器に対してアクセスや確認作業を繰り返す、復元ソフトを利用してみる、電源の入り切りや再起動、ケーブル類の抜き差しなどを行ってしまうとデータが意図しない形で上書きされる、復元作業の難易度が上がる他、状態が重篤化して取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえます。
少しでも困ったり、悩んだりした際には余計な操作や作業を進めて後悔する前に専門家に相談することを優先しましょう。
・復旧業者の選び方
パワーポイントのファイルを早く安く確実に復元したい・取り戻したいと考えた時には復旧業者選びが重要となります。どこのデータ復旧業者を選べば良いのか悩んだ時には下記の様な項目をチェックしましょう。困らずに済みます。
- 高度な技術力を持っている(独自技術やAI技術の有無)
- 復元、修復に要するスピードや対応が早い
- 料金プランや復元費用例がホームページに記載されている
- クリーンルームなど専用環境下で復元・修復作業を行っている
- 情報の守秘義務・セキュリティ管理が万全
- 復元実績・復元事例の有無
アドバンスデータ復旧は1から6の項目、全てを満たしているおすすめのデータ復旧業者です。独自技術やAI技術を持っており、高度な技術力で復元・修復作業を行う事から、迅速な対応と低価格でのデータ復旧サービスを実現しています。パソコンやHDD、SSD、NASやRAIDサーバー、USBメモリ、SDカード、CFカード、ビデオカメラ、ドライブレコーダーなど様々な機種に対して復元実績も多くあり、安心です。
・データ復旧業者を利用するメリット
高度な技術で物理的な障害にも対応可能:ハードディスクやSSDの故障、RAID構成の崩壊など、個人では対応できない障害にも対応可能できる。
削除・上書きされたファイルの復元率が高い:専用の復元ツールや高度な技術力を使うため、個人で試すよりも高い確率でデータを取り戻せる。
企業機密データや重要なプレゼン資料を安全に復元できる:セキュリティ対策が整っており、機密情報の流出リスクを抑えながら復元が可能。
自己対応によるデータ損失のリスクを減らせる:誤った操作によるデータ上書きや、復元ソフトの使用ミスを避けられる。
・データ復旧業者を利用するデメリット
費用がかかる:復元作業の難易度によって復旧料金が変わる
多少の労力が必要:持込や機器を輸送する必要が出てくる
・復旧業者に相談することが推奨される状況
下記のようなケースでは、専門の復旧業者に相談することを検討しましょう。
物理的な故障が疑われる(HDDやSSD、USBメモリが認識しない、パソコンやタブレットが起動しない等) |
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復元したいファイルやフォルダが複数 |
復元したいファイルが重要なもの・業務に支障が出る可能性がある |
ランサムウェアによる暗号化がかかった |
エラーメッセージが表示される |
ファイルの破損が複雑 |
共有フォルダのデータを削除した |
↓パソコンが起動しない状況でお困りの場合にはこちらも参照ください。
PowerPointの利用場面とデータ消失時の影響・適切な復元方法
以下では、パワーポイントが利用される場面ごとにデータ消失時の影響と適切な復元方法をまとめました。
パワーポイントのファイルが利用される場面 | 具体的な用途 | データ消失時の影響 | 適切な復元方法 |
---|---|---|---|
ビジネスプレゼンテーション | 会社の会議、営業プレゼン、社内報告 | 取引先や社内の信用に影響し、商談や会議の成功率が低下 | ゴミ箱・クラウドの履歴を確認して復元を試みる。破損・完全消失の場合は復旧業者に相談する。 |
学術発表・教育 | 学会発表、大学の授業スライド、研究成果のプレゼン | 研究発表ができず、学会や授業での評価に悪影響 | クラウドのバージョン履歴や「以前のバージョンの復元」を試す。開けない・破損した場合は復旧業者に相談する。 |
研修・セミナー | 社内研修、スキルアップ講座、ウェビナー資料 | 研修の進行が滞り、受講者の満足度低下 | 削除ミスならすぐにゴミ箱を確認して復元を試みる。アクセスできない・ファイルが壊れている場合は復旧業者に診断を依頼する。 |
マーケティング | 商品説明、企画提案、販促プレゼン | 商談やプロモーション計画の遅れ、クライアント対応の問題発生 | クラウドの履歴をチェック。重要な資料なら無理に自己対応せず復旧業者に相談する。 |
プロジェクト管理 | スケジュール共有、タスク管理、進捗報告 | チームの進行が遅れ、プロジェクト全体に影響 | クラウド上の履歴を確認。ローカル保存でアクセス不可の場合は復旧業者に診断を依頼する。 |
イベント・企画 | 企画書作成、イベント進行用スライド | イベントの進行に支障をきたし、参加者の満足度が低下 | 直前の削除ミスならゴミ箱を確認して復元する。破損・開けない場合は復旧業者の診断が必要。 |
個人使用 | 趣味のプレゼン、旅行記録、写真アルバム | 思い出のデータが失われ、再作成が困難 | クラウド履歴・ゴミ箱で復元可能か確認する。消えている際には復旧業者に相談する。 |
パワーポイントのデータが消える原因
パワーポイントのデータが消失する原因は様々ですが、以下のようなケースが挙げられるものです。
- 誤って削除した
- 保存せずに閉じてしまった
- 上書き保存してしまった
- ファイルが破損して開けなくなった
- ストレージの故障
- 誤ってフォーマットした
1.誤って削除した
パワーポイントのファイルを整理している最中に、誤って削除してしまうことがあります。特に、不要なファイルをまとめて削除する際にパワーポイントのファイルに限らず、大事なデータを一度に消してしまうことは多く起こりえるものです。
その結果、以下のような症状が発生することがあります。
・具体的なトラブル例
パワーポイントで作成したファイルがゴミ箱に移動する。(ただし、完全削除した場合にはゴミ箱にも残らない。) |
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OneDriveやGoogleドライブなどのクラウドストレージからもパワーポイントのデータが削除される。 |
SSDを使用しているパソコンでは、パワーポイントのファイルに限らず、削除したデータの復元作業が困難になることもありえる。 |
2.保存せずに閉じてしまった
PowerPointで作業をしている最中に突然、パソコンがクラッシュしたり、意図せず、ファイルを閉じてしまったり、パソコンの電源が急に落ちてしまうこともありえます。また、「保存」を押し忘れたままPowerPointを終了すると、作業内容が消えてしまいます。
その結果、以下のような症状が発生することがあります。
・具体的なトラブル例
次回、PowerPointを起動した際に「保存されていないプレゼンテーションの回復」オプションが表示される。 |
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※この症状が出た際には自動回復機能が有効になっていれば、直前にパワーポイントで作成したデータが復元できる可能性がありますが、自動回復機能が無効になっている場合には、復元は難しい状態に陥ってしまいます。
3.上書き保存してしまった
誤ってパワーポイントのファイルを上書き保存してしまい、元のバージョンの内容が消えてしまうこともあります。特に、編集途中のファイルを別の内容で上書きしてしまった場合には、元に戻すのが難しくなるため、注意が必要となります。
ただし、下記のような対処方法で上書きしたパワーポイントのデータを復元できる可能性があります。
・OneDriveやSharePointのバージョン履歴を活用して、パワーポイントのファイルを以前の状態に戻す。
・Windowsの「ファイル履歴」機能を有効にしていれば、バックアップから復元できる。
※復元ソフトではパワーポイントのファイルに限らず、上書き前のデータを復元できないことが大半です。
4.ファイルが破損して開けなくなった
パワーポイントのファイルが破損すると、開こうとしてもエラーメッセージが表示され、内容を確認できなくなることがあります。これは、パソコンの電源断、ストレージの不具合、ウイルス感染などが原因で発生することが多いものです。
その結果、以下のような症状が発生することがあります。
・具体的なトラブル例
「このファイルを開くことができません。 」「エラーが発生しました。」等のエラーメッセージが表示される。 |
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ファイルの拡張子が勝手に変更されてしまっている。 |
ファイル名やフォルダ名が文字化けする。 |
5.ストレージの故障
パソコンや外付けHDD、SSD、USBメモリなどの機器が物理的、機械的に故障した場合には、パワーポイントのファイルだけでなく、他のデータも一緒に消失することがあります。
・具体的なトラブル例
HDDやSSD、USBメモリが認識しない |
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パソコンに外部機器を接続するとエラーメッセージが表示される |
パソコンが起動しない、電源が入らない |
・Windowsのパソコンでストレージ(HDD、SSD、USBメモリなど)が故障した時に表示されるエラーメッセージ例
・Macでストレージ(HDD、SSD、USBメモリなど)が認識しない際に表示されるエラーメッセージ例
セットしたディスクは、このコンピュータで読み取れないディスクでした。 |
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ディスクでロック解除を妨げる問題が検出されました。 |
↑エラーメッセージが表示され、デバイスが認識しない状況でお困りの方は各メッセージ内容をクリックしてください。エラーメッセージ別の対処方法もそれぞれ紹介しています。
6.誤ってフォーマットした
パワーポイントで作ったファイルなどを保存するHDDやSSD、USBメモリ、SDカードなどのデバイスが故障、認識しなくなった時には「フォーマットする必要があります。フォーマットしますか?」(Windows)、「セットしたディスクは、このコンピュータで読み取れないディスクでした。」(Mac)等のエラーメッセージが表示されることが多いものです。慌ててフォーマットしてしまうとデバイス内のデータが完全に消去されるため、注意が必要となります。
※データが入っている機器を初期化、フォーマットした場合には個人では対処が難しい状態に陥ってしまいます。電源の入り切りやケーブルの抜き差しを試す、機器を使い続けようとするだけでもどんどんデータは上書きされ続け、元のデータは無くなっていきます。初期化したパソコン、フォーマットしたHDDやSSD、USBメモリ、SDカードからデータを取り戻したいと思った時には専門家に相談することを優先しましょう。
↓HDDをフォーマットしてしまってお困りの方はこちらの記事もご確認ください。
パワーポイントのデータを消さないための予防策
パワーポイントのファイルが消えてしまうと、大切なプレゼンテーションの資料や学会発表、授業の内容、提案書、企画書などを一から作り直さなければならず、大きな損失に繋がる可能性があります。ここでは、パワーポイントで作成したデータを安全に管理し、万が一の事態を防ぐための方法についても詳しく解説していきます。
- 定期的に手動で保存する習慣をつける
- PowerPointの自動保存機能を有効にする
- クラウドストレージを活用する
- バックアップを定期的に作成する
- パワーポイントで作成したファイル自体を保護する
- 停電や突然のシャットダウンに備える
1.定期的に手動で保存する習慣をつける
PowerPointを使用している際には、こまめに「Ctrl + S」を押して手動で保存する習慣をつけることも重要となります。特に長時間作業を行う場合には、数分ごとに手動で保存することで、突然、パソコンの電源が落ちた・クラッシュした場合や停電や雷によるデータ消失を回避できることがあります。
・具体的な対処方法
- 作業開始時にファイルを明確な名前で保存する。
- 重要な変更を加えた後は、必ず「Ctrl + S」を押して保存する。
- 複数のバージョンを作成して、オリジナルデータを保持する。
2.PowerPointの自動保存機能を有効にする
PowerPointには、自動保存機能が備わっています。この機能を有効にすると、一定間隔で自動的にデータを保存してくれるため、作業中に予期せぬトラブルが発生したとしてもデータを失うリスクを軽減することが期待できるものです。
・自動保存機能の設定方法
- PowerPointを開く。
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」の順でクリックする。
- 「次の間隔で自動回復用データを保存する」にチェックを入れる。
- 間隔を「1分」など短い時間に設定する→頻繁にデータが保存される。
- 「保存されていないファイルの回復オプション」も有効にする。
※OneDriveやSharePointなどを使用している場合には、自動保存機能はデフォルトで有効になっていることが多いものの、無効になっていることもありえるため、念の為、確認しておきましょう。
※自動保存されたファイルは一定時間を経過した後には削除されてしまうため、必要に応じて手動で保存することも重要となります。
3.クラウドストレージを活用する
パワーポイントで作成したデータをクラウドストレージ(OneDrive、Googleドライブ、Dropboxなど)にもバックアップを保存することで、突然、パソコンが起動しなくなった、パワーポイントのデータを保存しているHDDやSSD、USBメモリなどが認識しなくなった、ファイルを誤って削除したなどのトラブルが生じた場合でも復元作業の難易度が下がる為、導入を検討しておきましょう。
・クラウドストレージを活用するメリット
- データが自動的にバックアップされるため、パソコンやHDD、SSDなどのデバイスにトラブルが発生した場合も安心できる。
- 過去のバージョンが保存されていることから、誤って上書きしてしまった場合も復元が可能なことが多い。
- 複数のデバイスからアクセスできるため、リモートで作業を行う際にも便利。
・クラウドストレージの設定方法(OneDriveの場合)
- PowerPointファイルをOneDriveフォルダに保存する。
- 「ファイル」→「情報」→「バージョン履歴」を確認し、過去のバージョンを保持する。
- 「常にオンラインで最新バージョンを同期する」オプションを有効にする。
・注意点
クラウドストレージはインターネット接続が必要となりますが、ファイルの自動同期を設定しておくことで、常に最新の状態を維持できることが期待できるものです。
4.バックアップを定期的に作成する
パワーポイントで作成したファイルに限らず、大事なデータはパソコンに保存するだけでなく、複数のデバイスにバックアップを作成しておくことで、万が一のデータ消失に備えることができます。
・バックアップを取る際に推奨される方法
1.外付けHDDやUSBメモリに定期的にコピーする。
「ファイル履歴」機能を使うと自動でバックアップを取る事が可能となります。
バックアップは週に1回以上、行いましょう。
2.複数のバックアップ先を用意する。
バックアップはクラウドストレージと外部ストレージを併用して保存することが推奨されるものです。
重要なデータは3カ所以上にバックアップを保管する「3-2-1ルール」を活用しましょう。
3.自動バックアップツールを活用する。
Acronis True Image、EaseUS Todo Backupなどのソフトを使うと便利です。
自動でバックアップが作成されるため、手動の手間を減らせることが期待できます。
・バックアップ先の選択肢一覧
パワーポイントのファイルに限らず、大事なデータはバックアップを取っておきましょう。下記ではバックアップ先の選択肢とそれぞれの特徴をまとめています。
バックアップ先 | メリット | デメリット | 推奨される活用シーン |
---|---|---|---|
パソコン(ローカルPC・手動保存) | 簡単に保存できる / すぐにアクセスが可能 | パソコンが故障した際にデータ消失のリスクがある / バックアップを忘れがち | 一時的な作業用データの保存に適する |
外付けHDD / SSD | 大容量のデータを保存可能 / インターネット不要 | 紛失・故障のリスク / 定期的な手動バックアップが必要 | 大容量のバックアップを定期的に取る場合 |
USBメモリ | 持ち運びしやすい / 簡単にデータ共有が可能 | 小型で紛失しやすい / 容量が限られる | プレゼン資料の持ち運びや短期間のバックアップ用途として |
クラウドストレージ(OneDrive, Googleドライブ, Dropbox) | 自動同期で常に最新データを保持 / どこからでもアクセスが可能 | インターネットが必要 / 無料プランは容量制限がある | 複数デバイスで作業する際や、自動バックアップを利用したい場合 |
NAS(ネットワークストレージ) | 会社やチームでのデータ共有が可能 / バックアップが自動化できる | 初期費用がかかる / 設定が必要 | 企業・チームでのファイル管理や、自宅ネットワークで安全なバックアップを確保したい時 |
クラウドバックアップサービス(Backblaze, Acronis, iDrive) | 自動バックアップ機能があり、パソコン全体のデータ保護が可能 | 月額費用がかかる / リストアに時間がかかる場合がある | 高い安全性を確保し、定期的なバックアップを自動化したい場合 |
メールに添付して自己送信 | 簡単にバックアップ可能 / 過去の履歴が残る | 容量が制限される(大きなファイルは不向き) | 重要なスライドを一時的に保管したい場合 |
オンラインコラボツール(SharePoint, Notion, Slack, Teams) | チームメンバーとリアルタイムで共有 / 自動保存が行われる | 個人利用には向かない / 設定が複雑な場合がある | チーム作業や、複数人でスライドを編集する場合 |
※注意点:
・バックアップデータを保存するデバイスは定期的にチェックし、正常に動作しているか確認しておきましょう。時間が経過してからバックアップデータを見ようとした際に機器が認識しない状態に陥っていることも多く起こりえるものです。
・外付けHDDやUSBメモリをバックアップ用途で使う際には、ウイルス感染を防ぐために定期的にスキャンを行うことも重要となります。
↓外付けHDDが認識しない等のトラブルが発生した際にはこちらの記事もご確認下さい。
5.パワーポイントで作成したファイル自体を保護する
パワーポイントのファイルを誤って削除したり変更したりするトラブルを防ぐためには、ファイル保護の設定をしておくことも選択肢に挙がってきます。
・パワーポイントのファイルを読み取り専用に設定する方法
- パワーポイントのファイルを右クリックして「プロパティ」を選択する。
- 「読み取り専用」にチェックを入れる。
- OKを押して適用させる。
※パワーポイントのファイルを予め読み取り専用にしておくと、上書きリスクの軽減が見込めます。
・パワーポイントのファイルにパスワードを設定する方法
- PowerPointを開き、「ファイル」→「情報」の順でクリックする。
- 「プレゼンテーションの保護」→「パスワードを使用して暗号化」をクリックする。
- パスワードを設定して、OKを押す。
※パスワードを忘れるとパワーポイントのファイルに対して復元作業が難しくなるため、安全な場所に記録しておきましょう。
6.停電や突然のシャットダウンに備える
パソコンやNASが突然、シャットダウンした場合には、パワーポイントのファイルに限らず、データ消失の危険性が高まります。そのような状況を防ぐためには、以下のような対処方法が有効な手段になりえます。
・無停電電源装置(UPS)を使用する方法
無停電電源装置(UPS)を導入していれば、突然、停電が発生した場合にもパソコンやNASの電源を確保し、安全にシャットダウンすることが可能となるため、データが失われるリスクを軽減することが期待できます。ビジネスで利用する機器を運用する環境では特に推奨される対応となるものです。
・Windowsの「回復ポイント」を作成する方法
停電や瞬電、雷の影響、パソコンの誤動作など、突然のシャットダウンによってデータを失いたくない場合には回復ポイントを作成する方法も予防策として挙げられます。
- 「コントロールパネル」→「システム」→「システムの保護」の順で開く。
- 「作成」ボタンをクリックして回復ポイントを作成する。
まとめ・万が一、困った時には
パワーポイントのファイルを誤って削除した・パワーポイントで作成したファイルが破損して開かない・データを間違って上書きした・データを保存しているパソコンが起動しなくなった、HDDやSSD、USBメモリ、NASなどのデバイスが認識しない、エラーメッセージが出てファイルにアクセスができないなどの症状が出た時には慌ててしまう事も多いものです。
パワーポイントのファイルに関するトラブルが発生した場合にデータを失いたくない方は、まずは手を止めることから始めましょう。落ち着くことが最重要となります。
焦ってパソコンの電源を切る、再起動を試す、外部機器のケーブルの抜き差しを繰り返す、安易に復元ソフトの機能を使うなどを行ってしまうとデータが意図しない形で上書きされる、ファイルシステムが損傷する、状態が悪化するなど取り返しのつかない状況に陥ってしまうことも多く起こりえるものです。パワーポイントのファイルが失われた・機器が使えなくなったような場合に早く安く確実にデータを取り戻したいと考えた時にはプロのデータ復旧業者の無料相談を利用することも検討しましょう。その方が不安や焦り、悩みも解消され、希望する結果に繋がることが多いものです。